筑豊鉄道事業部所属車
813系
昭和35年から製造されて老朽化していた421系、423系を置き換える目的で、平成6年に登場した JR九州2番目の近郊型電車。
811系では3両編成から組成できる予定でしたが 結局4両編成単位での運転しかありませんでした。そこで、2両編成から運転できる 車両として813系が開発され、福岡地区だけではなく、長崎本線系統の ローカル運用も可能なように計画されました。100番台以降は全自動連解装置や幌設備も備えています。車体そのものはJR九州による設計ですが、前頭部の設計とカラーリングは ドーンによってコーディネートされました。 近郊型電車にもかかわらず、従来の路線を放棄して、赤色を多用した車両で、外観は、 ステンレスの素材を活かし、一般的には廃止されている傾向であるビートを飾りとして、 多く入れているのが特徴で、角張った、いかつい印象を与えます。 このステンレスの処理方法は、同時期に登場した883系(ソニック)にもいえます。
車内は、811系があたりさわりのない”電車”としての雰囲気であるのに対し、 扉は赤で原色、グレーの壁に、赤や青の原色に黒をちりばめたシートモケットなどと、 従来の近郊型電車のイメージを打ち破った内装となっています。
足回りは、JR九州初のVVVF制御方式を採用、 高性能とメンテナンスフリーを狙いました。
基本番台は811系100番台では踊り場付近で固定シートとなっていたのを811-0と同じく可動式に 逆行しています。当初基本番台は2両編成で登場しました。その後、811系100番台と同じく 踊り場付近の座席を固定式にした813系100番台が登場。こちらは2連と3連が登場しています。 定員はクハが129名、サハが141名、クモハが132名です。
200番台は100番台をブロック工法などによって工数を簡略化したグループです。 吹き寄せ付近のビードが無くなっています。車内は100番台に準じていました。 300番台は2002年2月に発生した鹿児島本線での追突事故で廃車になった車両の 代替建造として登場した車両で、内装は817系に準じたサークル状の吊革、 茶色系のシートモケット、UVカットグラスなどが特徴です。足回りは廃車された 車両の再用品です。
400番台は2003年に0番台の3連化によって登場した車両で車内はクロスシートですが、 817系に似た色彩の車内を持ちます。 500番台は2001年に100番台の3連化で登場した番台区分で、サハのみでの構成ですが ロングシート車両となっています。定員は座席52、立席109。 815系の座席(ただし3・4・3区分の手すり付)に817系の床といった感じの構成です。 2連だった100番台のうち、福北ゆたか線に転出するものに対して3連化のために6両製作されました。 現在筑豊鉄道事業部には100番台・400番台が6本、200番台が1本の計7本21両が配置されています。また、2005年秋には電気方式を817系ベースとした1000番台が登場。外観は 813系であるものの、シングルアームパンタを装備、室内はホワイト基調でワンハンドルマスコンの編成が登場しました。さらに2007年3月にはバリアフリー対応の方向幕として 前面方向幕部を盛り上げた1100番台が登場。ダイヤ改正前の調整で鹿児島本線八代まで南下していましたが、現在は熊本で運用が切られているようです。
項目/形式 | クハ813 制御車 |
クモハ813 制御電動車 |
記事 | |
定員(座席定員) | 122(44) | 124(48) | 編成定員246名 | |
電気方式 | 交流 20,000V 60Hz | |||
最高時速(km/h) | 120(曲通速度 +15km/h) | |||
自重(ton) | 32.7 | 35.3 | 編成自重 68.0t | |
主 要 寸 法 | 車体長(mm) | 20,000 | 20,000 | 連結器面間距離 |
車体幅(mm) | 2,985 | |||
屋根高さ(mm) | 4,031 | 4,031 | ||
ボルスタ中心距離(mm) | 13,800 | |||
パンタ折畳み高さ(mm) | 4,280 | - | ||
走行装置(台車形式) | 軽量ボルスタレス台車(TR401K,DT402K) | |||
主電動機出力 | - | 150kw/個×4 | 三相かご形誘導電動機 | |
動力伝達装置の方式 | - | 平行カルダン | ||
補助電源装置 | - | SIV | 15kVA | |
電動空気圧縮機 | 1000L/min | - | 誘導電動機駆動 | |
制御方式 | VVVFインバータ制御、発電ブレーキ、力行応荷重装置付 | |||
ブレーキ方式 | 発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
直通予備ブレーキ、応荷重装置付 | |||
連結装置 | 連結器 | 密着連結器(電気式、自動解結装置付)・半永久形連結器 | ||
緩衝器 | ゴム緩衝器(RD16) | |||
運転保安設備 | 列車自動停止装置 | ATS-SK形 | ||
列車無線 | 空間波無線、反復信タイプ | |||
冷房装置 | 屋根上集中方式 冷房能力・42,000kcal/h |