魔法屋へ行く (くれは登場!)
カティーナ叔母様による儀式?の翌日。朝からマリーはクレハドールの所へ出かけたので、カインが起きた頃には すでに居なかった。 カイン 「大丈夫かな、マリーのやつ・・・」 クレハドールと二人きりだなんて、ちょっと・・・否、かなり心配!!なのでリフと一緒に様子を見に行く事にした。 街はいつもと変わらなかった。リフと街を歩いていく。マリーのいるという5番街の裏通りにたどり着くと、通行人と ぶつかった。 通行人 「魔法のことで分からなければ、この通りを真っ直ぐ進んだ右手にある魔法の店で聞きな。レベルに合った 魔法を格安で取引してくれてアフターサービスもばっちりだぜ」 カイン 「あぁ、どうも・・・」 リフ 「クレハドール様の店のことのようですね。」 カイン 「たぶんな」 すると少し進んだ裏通りの角で、宝箱を発見した! カイン 「これこそRPGの醍醐味だな。」 リフ 「早速開けて見ましょうか」 頑丈なその箱をこじ開けると、中から得体の知れない、青白く光る妙な物体が飛び出した。 カイン 「なっ・・・・なんだ?!!」 くれは 「やぁ、僕は『くれは』。これから度々お目にかかる事になるからよろしくね〜」 カイン 「くっ、クレハドール??・・・・いや、違うか、誰だ!?お前は!」 リフ 「カイン様、離れて!!」 二人は、クレハドールそっくりの、やけに慣れ慣れしいその物体に警戒して身構えた。 くれは 「大丈夫だよ、そんなに恐がらなくても〜。僕は魔法を授ける精霊、クレハドールから召還されたのさ。さぁ、 カイン、君に魔法を伝授してあげよう。今回の魔法は・・・・・『カモ〜ン☆ふらぁじゅ』だよ。」 カイン 「なっ、なんだと!?」 リフ 「かもん・・・ふらーじゅ??」 くれは 「ちっちっちっ。違うよ、リフ。『かも〜ん☆ふらぁじゅ』。もっと抑揚をつけて言ってよね。」 リフ (何で名前を知ってるんだ・・・) カイン 「・・・・一体なんだ、その魔法は。」 くれは 「詳しい事はクレハドールに聞いておくれ。僕は3分しか霊力エネルギーを保てないから早速伝授するよ。」 カイン 「けっこう不便だな・・・」 くれは 「さぁ、カイン、もっと僕の方へ寄って、恐がらなくいいから・・・・」 カイン (・・・恐い) くれは 「じゃあいくよ? ぷぷっぴどぅ どぅどぅっぴどぅ コギャル オギャル おじゃる丸 ん〜・・・えい!」 リフ (・・・こんなんばっかだな) くれは 「これでカイン、君の中に新しく魔法能力が備わったはずさ。じゃ、僕はこのへんで。またね〜え☆」 カイン 「・・・・よく分からないが、行くか。」 リフ 「・・・はい」
しばらくすると、一か所だけ、周りと雰囲気の異なる家を見つけた。古ぼけた紫がかった壁に、つるがあちこちに伸び ていて、何とも怪しげだ。 カイン 「・・・・・もしかしてこれか?」
『魔法のことならクレハ屋』
リフ 「・・・・すごい職業に就いたものですね。」 二人でごくりと喉を鳴らして少し重い扉を開いた。
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<魔法屋> クレハドール 「いらっしゃい・・・・あぁ、伯爵か」 カイン 「マリーはどこだ?」 クレハドール 「いま、店の裏で客にタロット占いしてるところですよ。」 カイン 「裏ぁ?大丈夫なんだろうな?」 クレハ 「マリーの占いの宣伝したらやりたいってお客がいましてね。大丈夫、伯爵のご機嫌を損ねるような事は 一切させませんよ」 カイン 「当たり前だ。(・・・ってお前、もう呼び捨て?)」 クレハドール 「まだ何かご用で?」 カイン 「あぁ・・・・・ちょっと聞きたい事があるんだが。さっきこの辺りで、宝箱を拾ってな、開けるとお前によく似た、 奇妙な化け物が入っていたんだ、「カモ〜ン☆ふらぁじゅ」っていう魔法を伝授してもらったんだが・・・・・ どういう魔法なのか、よく分からないんだよ。なんだ、これは。」 クレハドール 「奇妙な化け物とは失礼な。あれは私の分身のようなものですよ。「カモ〜ン☆ふらぁじゅ」は、ですね、女装 の魔法です。」
クレハドールがしれっとした顔でさらっと言うと、カインとリフの顔が固まった。
リフ 「・・・・じ、女装〜?!何をおっしゃっるんですか、クレハドール様!!カイン様をからかわないでください!(鼻血)」
赤面しているリフをよそに、クレハドールはカインに呪文を渡す。
クレハドール 「あぁ・・・これだ。今しがた、あなたに伝授したとの情報が、くれはから届きましたよ。これがその呪文です。
見るとやけに可愛らしいパステル調の巻物だ。クレハドールは説明を続けた。
クレハドール 「正確には、念じた相手の姿に変装できる魔法です。だが、それをうまく使いこなせるのは熟練した魔法使い のみ。もともとホモッ気のある魔法使いが女装用に開発したものだが、後に発展して現在の一般的な変装 魔法になったのですよ。 だが、特に伯爵のように、レベルが低い割に魅力の値が高い方は、うまくコントロールできずに、女装の効力 が強く出るってわけです。慣れるまで何回も練習を重ねるべきですね。ま、いいんじゃないですか?貴方に ぴったりの魔法で。」 カイン 「・・・一言多いぞ。」 さらっと言ってのけるクレハドールにカインはちょいムカっとするが、すぐに後ろの嫌〜な気配に気がついて、ギョっとし て振り返った。 リフ 「・・い〜け〜ま〜せ〜ん、カイン様!!そんな魔法!覚えちゃダメです!不道徳な!(私の前だけならいいけど)」 カイン 「リ、リフ・・・そんなに形相変えるなよ。」 クレハドール 「またまた。貴方もそんな型にハマった考えだとすぐに禿げてしまいますよ。」
お茶を飲みながら再びさらっと言ってのけるクレハに、カインとリフの顔が固まった。
カイン 「そ、それじゃ・・・、失礼したな、クレハドール!」 クレハドール 「あれ、伯爵、妹君を待っていたのでは・・・・・」
カインはリフがキレないうちに慌ててリフを引っぱり、店から出て行った。
リフ 「クレハドールーぅ!!許しません!」 カイン 「まぁ。落ち着け。なかなか面白い魔法じゃないか。せっかくだから試してみよう」 リフ 「カイン様!!」
悪い子を叱りつけるようにリフは言った。するとカインは何かを企んでいる様な、いつもの不敵な笑みを浮かべた。
カイン 「しかし、よく考えてみろ。変装ができれば・・・敵の陣地に進入する時に敵キャラに紛してしまうことだってできるん だぞ・・・?こんな便利な魔法はないと思わないか?」 リフ 「う・・・ほどほどにしてくださいよ・・・」 カイン 「ほどほど?練習を重ねないと思い通りに変装できないってインチキ霊媒師が言っていただろう。」 リフ 「・・・じゃあ、私の前でだけにして下さいよ!」 カイン 「・・・・・何言ってんだ、バカ。・・・・・・・・ぁああ!!マリーの事をすっかり忘れていた!!」 リフ 「・・・・・あ。」
And That’s All・・・? **************************************** ついに宝箱登場。私、宝箱って大好きです(笑) |
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