『リシェルVSエニシア 試練の五番勝負』 VS獣の軍団STEAGE 3 VS獣の軍団 「まさか教授まで突破されるなんて……」 予想外の結果にさしものエニシアも気落ちする。鋼の軍団で止められないとなると次の獣の軍団では望み薄か。 「大丈夫だエニシア。次のカサスには僕から秘策を伝授してある」 「秘策?いったい何を」 「まあ、見ていたまえ。今度こそ彼女はここで終わりだ」 「ギアンが自信たっぷりだとかえって不安だけど……一応信用するね」 はたしてイマイチ信用されてない参謀の秘策とは。リシェルにいったい何が待ち受けているのか。 「カサスさん。あんたメイトルパに帰ったんじゃなかったの?」 「姫サマに呼ばれテ、まタ来まシタ。姫様の頼ミ、僕は断れまセン」 人使いの荒い主君を持つと大変ね。と自分のことは棚に上げてリシェルはしみじみと思った。 だが、今は敵。容赦はしない。 「なら、一丁いくわよ。ボルツテンペスト!」 先手必勝。予め麻痺らせて火力で吹き飛ばす定番の勝ちパターン。 正直、前回の鋼の軍団の方がきつかった。だが、相手が特に耐性のない獣の軍団ならば。 「フフン、これで後はゼルギュノスで吹っ飛ばして楽勝。楽勝。ちょろいもんね」 これまで楽勝ぶりからリシェルはすっかり天狗になっていた。だが、それが間違いだったとすぐに気づく。 「……って何よ。嘘ぉっ!」 なんとほぼ、百発百中で決まった必殺のボルツテンペストにカサス達は麻痺を喰らってはいなかった。 とはいえ限界ダメージは食らったので無傷とはいかないが。 「こんナことモあろうかト、防具をモチモチ加工したのデスッ」 「何よそれぇぇっ!!!」 もはや言うまでもないことだがサモナイ4では防具を加工することで耐性をつけることができる。 さしものLV3エレキメデスもモチモチ加工の前ではただの威力26の中範囲攻撃にすぎないのだ。 「リシェルさン!貴女にハ何モ恨ミはありあませンガ、姫様のご命令でス!」 「ああ、近づいてくるなっ!もうっ!えいっ!このっ!このっ!」 流石にレベル50だけあっていくらMAT特化の召喚師とはいえ雑魚ユニット程度なら対抗できなくもなかった。 しかし、数が数である。ゴレムだけでは頭数が足らず、そして忠誠心熱い獣達は必死にリシェルの行動を制す。 彼らの皇に必勝のチャンスを与えるために。 「グルォォォォォォオオ!!!」 狂血の呪いまで発動させるカサス。必殺のブラッディクロウがリシェルを襲う。 危うしリシェル! 必殺の威力を秘めた獣皇の爪。それはリシェルの身体を貫くはずだった。 だが、すんでのところで止められた。しかも片手で。 「グォ!(なっ!!)」 「油断大敵ですよ。お嬢様」 「ポムニット!」 なんとそれはポムニットだった。当初、中立宣言をした彼女がどうしてここに。 「いや、まあ流石にハンデが大きすぎるのではないかと思いまして。それにカサスさんには私も思うところが少し」 「グォォ(ひ、ひいっ!)」 十話で正体バレるきっかけつくったことをまだ根にもっていたのかポムニットはカサスをねめつける。そしてお決まりのあの台詞。 「カサスさん。貴方、お嬢様を殺そうとなさいましたね?」 「グ、グオ(え、違ゥ……別に殺そうとハ)」 「殺そうとなさいましたね?」 にっこり笑って問いかける。何をいっても無駄なことをカサスは悟る。 ベキッ! 薄い板のように獣皇の爪はあっさり握り潰される。 「グォォォォォォォォォォォォ!!!!」 「いけないませんねえ。カサスさん。一度ならず二度までも私のお嬢様においたを働いては」 ポムニットの顔が歓喜に歪む。口ではリシェルのためとか言っているが本心は絶対、程のいいサンドバックを見つけたことに喜んでいるのだ。 ダブルアタック 吸収攻撃 ダブルアタック吸収攻撃 毎ターンの回復量も追いつかず見る見るうちにカサスのHPは削られる。 「グォォォ!!ガルゥゥゥ!!グォォォ!!」 勇敢な獣達は皇を救うためにポムニットに挑む。だがそのいずれも反撃で返り討ち。そのさいちゃっかりHPを吸収されて。 「止めです!ぶっ飛んでくださいましっ!!」 「グアァァァァアアアアア!!!!」 そして炸裂のメイドクライシス。哀れ獣皇は断末魔の叫びと共に遥か彼方へとぶっ飛んでいくのであった。 「ふう。いい汗をかきました」 汗よりもむしろ返り血に塗れながらポムニットはさわやかな笑顔を見せる。 (ポムニット……十話のあたしの発言。ちっとも失言じゃなかったわ……) 悪魔の強さを見せ付ける無敵のメイドにリシェルもたじろぐ。そりゃバケモノとしか形容できんだろ。これ。 「さて、お嬢様。私がお味方するのもこの1回限り。ご油断なさらぬよう気を引き締めてお行きなさいませ」 「ありがとうポムニット。じゃああたし行って来るから。ようし、首を洗って待ってなさいよエニシア!」 リシェルはポムニットに礼を言うと猪突に再び駆け出す。それを見送るポムニット。 「お嬢様、どうかご武運を。そう。せめて姫様とお二人で盛大に潰しあって下さるまでは」 と、悪魔の笑みを浮かべてポムニットは呟いた。 「負けちゃったね……」 「クッ…ここで助太刀が入るとは計算外だった。まあいい。次は僕が出る」 三軍団の敗北を受け、次はギアン。4本編でラスボスを務めたこの男の出番なわけだが。 (大丈夫かな……ギアン……ヘタレだし……) っていうか既にエニシアからもヘタレ扱いだぞ。大丈夫かギアン? 果たしてギアンの運命は? 待て次回 前へ | 目次 | 次へ |
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