Happy time Happy days 2ぽちゃん。肩まで浸かる身体。水面は波紋を立てる。その波紋を目で追って改めて感じる。 (相変わらず無駄に豪華だよなあ……) 一面の床と壁に敷き詰められた大理石。湯の吹き出し口にもレリーフの装飾。その広さも十分すぎる。 数人が同時に入っても狭さを微塵も感じさせない。浴槽の端から端まではそれなりに距離がある。 これは風呂というよりもちょっとした温水プールとでもいった方が適切だろうか。 「ライさ~ん。そんな隅っこの方でどうかなされたましたかぁ?」 すると響くのはメイドの声。ポムニットはライに声をかけると、今度はくるりと反対側の端を向く。 「おじょうさまもそんな端によらないでもっとぴったりとくっつきましょうよぉ♪」 陽気な誘いに対して呼ばれた当人、リシェルはなにも答えず湯船にうずくまる。 恥じらいがあるのか拗ねているのか、おそらくはその両方か。 (オレも似たようなもんか……) そんなリシェルを眺めながらライはひとりごちる。ライもまたこの突拍子もない現状に戸惑っていた。 ポムニットから飛び出したいきなりの混浴宣言。それに有無を言う猶予すら無くこの風呂場まで連れ込まれた。 抵抗は意味を持たない。この悪魔メイドの暴走時の凄まじさは身を持って思い知らされている。 瞬く間に引きずり込まれ、身包み剥がされてこの浴槽に放り込まれた。ある種の陵辱だ。泣きたくなる。 (しかしよりによって一緒に風呂とはなあ。この二人と……) ひとりごちながらライはちらちらとリシェルとポムニットの姿を伺う。思い返せばかなり古い記憶だった。 まだ子供の頃、ルシアンも交えて三人で泥まみれに遊んだときのこと。大目玉のポムニットに叱られながら 三人ともに風呂場で丸洗いされた思い出が。思い返すとどこか微笑ましくなってくる。 (ほんとあの頃はガキだったよな。そんな風にされても別にあんま意識することなかったし……) ならば今は?ふいに自分で問いかける。答えは自明だった。身体は本当に正直だ。見事に反応してしまっている。 (どうしようもなさすぎだぞ……オレ……) とはいえそれが悲しい男の性というもので。なんとか悟られまいとつとめているが多分バレバレだろう。 「ライさん♪」 「のわぁっ!」 物思いにふけるうちに、ライはポムニットの接近を許していた。射程範囲内。手を伸ばせばすぐの距離。 そんな間近にポムニットがいる。否応にも視界に入る艶姿。水面に半分だけ隠れた一糸纏わぬ裸体。 「……っ!ぬわっ!!」 「あらあら。駄目ですよぉ♪逃がしませんよぉ♪」 咄嗟に後ろを向いて逃げようとする。だがポムニットのほうが上手だった。あっさりと後ろから捕まる。 ほよよん。なんだか柔らかな感触のオマケつきで。 「あ、あのぉ……ポムニットさん。なんか背中に当たってるんですけど……」 ふよふよと弾性の触感を背中に感じながらライはおそるおそる尋ねる。 「ええ。当てていますもの♪」 すると即答だった。確信犯のメイドはこれ見よがしに背中に押し付けた凶器を擦り付けてくる。 ヤバイ。これはなにかが非常にヤバイ。 「あらあらライさん。ここもこんなに硬くなされて……」 追い討ちだった。硬直したライの一部にポムニットの魔の手は伸びる。さすり。たおやかな掌が竿を撫ぜる。 そこからくにくにと器用な指先がそれを愛でるように。 「うぁ……あ……」 「いけませんねえ。このようなもの……メイドとして見過ごしてはおけませんねえ……」 そうしてうなじに息を吹きかけながら艶っぽくメイドは囁いてくる。悪魔の囁きだ。これを聞いてはいけない。 (耐えろ……耐えるんだオレ……) 必死に自制を促す。されどムスコを人質に取られ、あまつさえ背面からすりつく魔性の感覚。 「うふふふ。ライさんのココ……こんなにもピクピクして……」 「あぁ…ぁ…くぅ……」 駄目だった。挫けそうだった。このまま身も心も悪魔の誘惑に堕ちて……そう思った矢先、 「調子に乗るなぁぁああ!!この変態メイドぉぉっ!!!」 「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」 ここぞのタイミングで鋭い突込みは入った。ポムニットの頭上に落ちるリシェルのドリルハリケーン。 限界ダメージ192の一撃がAT極振りのメイドの脳天を容赦なく抉る。ギュイーン。ガリガリガリ。 なかなかにスプラッタな光景であろう。響くドリル音と轟くメイドの断末魔の叫び。悲鳴が止んでしばらく、 ライが振り返るとそこには頭から血を流しながらプカプカ水面を漂う無惨な物体があった。 「うわぁ……」 思わず声が洩れる。ほんとに生きてるのかコレ?と、だがそればかりに気をやる暇はライにはなかった。 「う~~~~~~!」 「うぅ、リシェル……」 気がつくとリシェルが傍に寄っていた。そして目いっぱいに涙を溜めて低く唸りながら睨んでくる。 まるで妻に浮気の現場を押さえられた夫のような心境にさせられる。これはなんとも気まずい。 (不可抗力……っつても聞くわけないか……) 死刑宣告に判を押されたような気分でライは溜息を吐く。それでもなんとか取り繕うとはする。 「あのなリシェル……これは…その……って!?うぉっ!!」 そう言いかけた瞬間、ライの胸に何かが飛び込んできた。思わず目を見開く。気づくとそれは密着していた。 「お、おい……リシェル?」 それはリシェルの身体だった。縋りつくようにペッたりとはみつく。背中に回した腕でギュッと抱きしめてくる。 ライの胸に埋めた顔はヒクヒクと鼻を啜っている。そしてしゃくり上げながらリシェルは呟く。 「っ……めなんだか……らぁ……んたは……しの……んだからぁ……」 嗚咽交じりのか細い声。ろくに聞き取れるものではない。それでもライには伝わる。密着した肌を通して。 (ほんと……コイツは……) 息を吐きながらライはリシェルの頭に手を置く。ぽんぽんと軽く撫でながら背もさする。 抱きしめたリシェルの身体。華奢でいて手触りは柔らか。こうして抱きしめていると一層にその愛らしさがよく分かる。 愛でるようにその背を、頭を何度もさする。当然のごとくお互いになにも身につけない生まれたままの姿。 伝わるほのかな熱と、聴こえるお互いの鼓動がなんとも心地のよい安らぎを与えてくれる。 そうやってしばらく抱擁を続ける。そのうちにようやく落ち着いたのかリシェルの嗚咽も小さくなる。 そんな頃合で。 「…なか……ったげる……」 ライの胸に顔を埋めたままでリシェルは呟く。上手く聞き取れなかった。けれどライは聞き返さず、 リシェルが再び口を開くのをただ静かに待つ。するとリシェルの手がライの背をさする。 「背中……洗ったげる……」 ポツリと呟かれる言葉。今度ははっきり聞き取れた。ライは息を吐きながら目を細くして言う。 「ああ。頼むな……リシェル」 ライはリシェルを愛でるように撫ぜながら、優しい声音でそう呟いた。 (しかし、これは緊張するな……) 湯船から上がって、その傍の洗い場で腰掛台に座りながらライはひとりごちる。丸々と晒す背面。 背中がスースーする。けれど湯冷めはしない。それは身体の芯になにかポカポカと火照るものがあるから。 「こっち覗いたりしたら承知しないんだからね」 「分かってるって……」 今更なリシェルの台詞にライは相槌を返す。言われるままに後ろは振り返らない。ただ耳を頼りに様子を伺う。 (おっ、なんか泡立ててるな) わしゃわしゃと石鹸の泡立つ音が聞こえる。背中を洗う準備をしてくれているのだろう。 こうしてリシェルに背中を流して貰うのはひょっとしたら初めてではなかろうか?ライの記憶する限り。 (あんときは丁度立場が逆だったよなあ……) 思い返すのは以前、リシェルと一緒に風呂に入ったときのこと。そのときはライの方が背中を流す役だった。 そのうちにこみ上げる劣情を抑えきれなくなって、ついリシェルに迫りそのままコトに及んでしまった。 そしてめでたく”ケダモノ”の称号を得た。ちょっと反省。嘆息する。 (今度はオレが洗ってもらう方なんだよな……これはこれで……) ライの気持ちは自然におぎおぎとしていた。頭の中でウサギがぴょんぴょんと軽快にステップを踏んでいる。 万感の期待を込めてライはリシェルを待つ。まだか。まだかと待ちわびる心はうきうきとしている。 そうしてしばし待つ。けれど一向にリシェルの手がライの背に触れる様子はなかった。 (んっ?……変だな……やけに時間がかかってるような……) ライは首をかしげる。あるいはリシェルもあのときの自分のように興奮のあまり手が出ないのかもしれない。 とりあえず声をかけてみる。 「お~い。リシェル」 「…………はぁ………あふっ……」 返事はない。代わりに少し荒くなった呼吸の音が聞こえる。どうやらビンゴだったみたいだ。 (カワイイやつめ……) 軽く息を吐きながら胸の中で呟く。こうしてみると待つ時間も楽しみだ。しばらく満喫しよう。 ライがそう思った矢先。 「っ!???」 不意打ちだった。刹那、ほのかにむにゅっと柔らかい感触がライの背に伝わる。 「ぬぁ……ぁぁぁ……」 ライの声は震えていた。背を走りぬけるなんとも言いがたい感覚に。ぬめっと石鹸の泡にまみれたなにか。 それがライの背中にぺったりとへばりついている。必死に肩にしがみ付いてくる手。伝わる生暖かな温もり。 それらがライに教えてくれた。自分の背中に今、密着しているものがなにであるかを。 「ちょっ……おまっ……リシェルっ!………ぬほっ!」 まとわりつくそれの名をライは呼ぶ。その瞬間、さらにぐいっと強く肌を押し付けられる。 噴出して悶えるライ。するとリシェルは石鹸まみれの自分の身体をライに擦りつけながらボソッと呟く。 「……言ったじゃない……背中洗ってあげるって……」 「だからってオマエ……ぬぁぁぁああ!そんな風に擦りつけてくんなぁぁっ!!」 「いいじゃない!別にっ!あたしがなに使って洗っても!んっ……はふっ……」 「首筋に息を吹きかけるなぁぁぁあああ!!」 ライの叫びにも動じず、リシェルはそのまま石鹸まみれの身体をスポンジ代わりにライの背を洗う。 その都度、リシェルの滑った柔肌がライの背を伝う。控えめな膨らみ。それがライの背でむにむにと潰れる。 少し弾力のある硬い感触。これは乳首だろうか。それだけではない。ライの臀部の割れ目付近にも押し当てられている。 いわずもがな。リシェルの肉の割れ目が。ぺとり。濡れた感触が尻肉を伝う。その触感にライは身悶えする。 (ぬがぁぁぁ!ヤベぇ……これはヤバすぎだぞ……) 予想外のリシェルの行動にライの頭の中は白くなる。先程、似たようなことをポムニットにもやられた。 これはその意趣返しか?けれど破壊力はこちらが数段に上である。密着率が違う。生々しい感触も余計に敏感に伝わる。 それになにより。時折、うなじに吹きかかるリシェルの吐息。それがライの脳を一段と白紙にさせる。 (ヤベぇぇぇぇ!!理性が…理性がっ!理性がぁぁぁぁああ!!駄目だぁぁぁああ!吹き飛ぶぅぅぅうう!!」 ヒトとケダモノの狭間。ライの意識はそこで激しくせめぎ合う。 「あはぁ……はふっ……あたしがちゃんと……キレイにしたげるんだから……」 そんなライを他所にリシェルは一心不乱に身を擦り付ける。ライの海綿は臨界に達する。 限界近くまで膨張した分身。それが暴発するまでリミットはあと僅かのところで。 「あらあら。大変なことになっちゃってますね」 「っ!?ポムニットさん!!」 するとライの真正面にいつのまにか復活したポムニットがいた。ポムニットはねめるような目つきで肥大する ライの前立腺を見つめて、その先端に指を伸ばす。 「ひっ!……っくぅ……」 膨張する肉茎の先端。ポムニットの指が触れるとそこはピュッと粘り気のある汁が滲み出ていた。 いわゆるカウパー液。ライのガマンの証。 「わたくしのときよりも敏感に反応しちゃってますね。うふふ。ちょっと妬けちゃいますね」 そういってポムニットは指先でつんつんライの亀頭をつつく。たまらずライは喘ぐ。流石にリシェルも気づく。 「ポムニットっ!!」 気づくや否や、リシェルは逆上して背中洗いを中断し、サモナイト石を取り出す。瞬くうちに閃く召喚術の光。 それはポムニットを包み込み直撃するかに思われたが。 カキン! 「なっ!?」 ものの見事にそれは弾かれた。スペルバリア。サプレスの憑依召喚術。ポムニットがあらかじめ自分にかけていたのだろう。 「うふふふふ。甘いですよ。おじょうさま。ブロンクス家のメイドに一度見た術は二度と通じません。これは最早、常識!」 「うぬぬぬぬぬ……」 そしてどこぞの鳳凰座の聖闘士のように勝ち誇るポムニット。リシェルは低く唸る。 そんなリシェルにポムニットは呼びかける。 「それよりもいいんですか?おじょうさま」 「なによ!いったい……」 反射的に噛み付くリシェル。ポムニットはその顔をフッと見つめると視線をずらしながら言う。 「さっきからライさん……とてもお辛そうなんですけれど……」 「あっ…………」 ポムニットにつられる様にリシェルの視線もライの方に向く。視界に捕らえるライの姿。 どこか唖然としていた。けれど、その一部分は今もピクピクと過敏な反応を示している。 はちきれんばかりにパンパンに張って、筋目がビクンと脈打っている。 「うわ……」 見事に屹立した肉茎。思わず見とれてリシェルは口を開く。するとリシェルの視線に気づいたのか ライは気恥ずかしそうに赤くなった顔を伏せる。 「だ……大丈夫…?」 「いや……結構ギリギリ……」 尋ねるリシェルにライは顔を伏せたままで答える。その表情はどこか苦しげだった。 ともすれば暴発しかねない自身の劣情を抑えるのに精一杯で。 「はぁ……おじょうさまが意地悪なさるからいけないんですよ。ライさん。御可哀想に……あそこあんな風にして……」 するとリシェルの耳元で溜息混じりにポムニットは囁く。瞬間、リシェルの背はビクッと反応する。 「これは責任をとらなくてはいけませんねえ。おじょうさま。うふ♪」 そして小悪魔っぽく微笑みながらポムニットは続ける。リシェルは当惑し、あわあわと口を開く。 「せ…責任って……」 「決まってるじゃないですか♪ライさんを楽にしてさしあげることですよ」 囁きは続く。その囁きが促すもの。それはリシェルにも分かる。分かっているからこそ躊躇う。 「……でも……」 リシェルはポムニットの表情をチラチラ伺う。これが自分とライの二人きりのときならばこんな風に躊躇はしない。 けれど今はすぐ傍にお目付け役のポムニットがいる。そんなリシェルの迷いを察したのかポムニットはクスリと微笑む。 「ふふふ。今日だけは特別に許してあげちゃいます♪それに今更ですよ。おじょうさまったら……先程はあんなに……」 「うわっ!わっ!わぁ!」 さっきまでの自分の行為。そのあまりもの恥ずかしさにリシェルは赤面する。穴があったら入りたいとはこのことか。 そんな慌てふためくリシェルをポムニットはなだめすかしては優しく促す。 「さあ、おじょうさま。頑張ってライさんを楽にして差し上げましょうね。わたくしもお手伝いいたしますから」 「っ……………うん……」 そうしてポムニットの言葉にリシェルはようやくこくりと首を縦に振る。 (…………なんなんだ……いったい……?) そしてライはバクつく心音に苛まれながら口の中に溜まった唾をゴクリと喉の奥へと押し込んだ。 つづく 前へ | 目次 | 次へ |
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