タケシー大好きビジュ 9ベルフラウは、アティの腰から濡れた顔を上げて声をかけた。 「先生、だいじょうぶ……?気分はどうかしら?」 「……あ……う、ん……もう身体は大丈夫……みたいです」 肉体が極度の疲労状態であっても平常心でさえあれば、もともとダークレギオンの憑依による肉体の支配などは起こるようなものではなかったのだ。 「ありがとう……ベルフラウ」 もう私は大丈夫です、とアティが口にする前にベルフラウが囁いた。 「……ねえ、先生。今度は……私にも……して欲しいですわ」 「えっ……」 アティが問い直す前に、ベルフラウが身体の向きを変えて、横たわるアティの顔をまたいだ。アティの目の前に、ベルフラウのそこがくる。 頬を紅くしたアティが眼を丸くする。 「ベルフラウ、あ、あの」 ポタリ、と温かい雫が、戸惑うアティの唇に落ちた。口の中に、初めて知る味が染みこんでくる。それはベルフラウの狭間から滴っていた。 「わかる?私もこんなになっているの……」 「う、うん……」 「貴方にしてあげてたら……私も変な気分になっちゃって……責任とってくれる、わよね?」 そう頬を赤らめて自分を求めてくる少女に、アティは自分の肉体が求めていた先ほどまでの欲望とは別の新たな思いが身体を駆け巡った。 私、まだおかしいのでしょうか……? もう自分の身体は何ともないはずなのに……。 この子がたまらなく愛しい――。 「……わかりました。ベルフラウ……いっしょにしましょう?」 ベルフラウはその返事を聞くと上体を下げ、再びアティの腰に顔を沈めた。ベルフラウの上の唇とアティの下の唇が、また触れ合う。 「あっ……ん」 アティはベルフラウに応えるべく、両手をベルフラウの丸く小さなお尻にまわし、顔を持ち上げる。ベルフラウのそこは滴る液と処女を失った血が滲み合っていた。それが、まだためらっていたアティを決断させた。 「ん……」 口づけすると、ビクッとベルフラウの腰が跳ねた。一度は逃げようとするが、すぐにアティの愛撫を求めてすりよってくる。 二人はお互いの愛おしさだけで、もう側で見つめているビジュの視線などは頭に入らなかった。 「あむ、んんん」 アティが舌を差し入れると、閉じたそこが開き、芳醇な液があふれ出た。舌を伝って、アティの口の中に流れ込む。 これが、ベルフラウの……ベルフラウのもの……。 アティ自身も腰から押し寄せてくる熱い甘美の大波に、身体をうねらせた。二人は、お互いのくねる腰や太腿をしっかりと捕まえ、唇と舌で快感を与え続ける。 「……んあっ……はふ、ベルフラウ、気持ちいい?」 「はぁっ……すごく、気持ちいいわ……あ、ん……貴方は?」 「……はっ、あ……ベルフラウの舌、とてもいいですよ……んんっ」 「貴方の唇も……くふっ、……か、感じて……はぁ……」 アティは自分に贈られた快楽を、ベルフラウに返そうと夢中で舌を動かし、ベルフラウの一番敏感な場所を探り当てた。そこは充分に勃起して、与えられる喜びを待ち焦がれているように、アティには見えた。 きれいだった。 愛らしかった。 ベルフラウのものすべてが、愛しくてたまらない。 「あああっ!ふあっ!」 アティがそこへ舌を這わせると、ベルフラウの声が上がり、どっとアティの顔が濡れる。 背中を波打たせて、ベルフラウも同じく充血しきったアティのそこを唇でつまんだ。 「あっ、く……ああっ!」 アティも蕩けた叫びを上げ、ベルフラウの顔を濡らす。 アティとベルフラウの間には、喜びと快感の輪ができていた。相手が気持ちいいと思うことをすれば、必ず自分に返ってくる。相手を愛撫すればするほど、自分も気持ちよくなれる。二人の間で快楽が循環していた。 それでも、アティはまだ満足できなかった。意思に反してとはいえ、もう処女ではないのだ。 「お願い、ベルフラウ……もっと奥まで……」 アティの喘ぎに、ベルフラウは遠慮しながら人差し指を、アティの濡れた中にゆっくりと差し入れた。アティのそこが、自分の指を飲み込んでいく様子を、ベルフラウは息を詰めて見つめる。 先生の身体の中はこんなに気持ちいいんだ……。 指に伝わる不思議な心地よい圧力と感触に、ベルフラウは陶酔してしまう。 「ベルフラウ……そのままでは……いやです。……動かしてもらえますか?」 「わ、わかったわ」 ベルフラウは指を遠慮しながら前後に動かし始めた。濡れた音が、耳を刺激する。 「あっ、ふあっ!」 アティは激しく首を振りたくった。ベルフラウの指から与えられる快感を飲みつくそうと、前後左右にうねりまわる。その激しさに、ベルフラウも心を引きこまれた。 「……ベルフラウ、んくっ、もっと強く……奥まで、入れて」 「わかったわ、先生……好きなだけ感じて。……私の指で……んんっ!」 ベルフラウも敏感な入り口に、アティの指を感じた。知らずに声が高くなる。 「入れて……先生も!」 アティも目の前の濡れたベルフラウの中に、人差し指を差し入れた。 先の攻撃的なものとは違う、癒すような指の愛撫。 優しく、ゆっくりと。 ベルフラウの腰が跳ね、キュッとそこが閉じる。その感触が、アティを震わせた。 「あんんっ、……ふあ……は、ふっ」 「……っ、うあ……はあっ、……ああう」 アティもベルフラウも、言葉を紡ぐことはできなくなっていた。そのかわりに指を動かすことで、互いに気持ちを伝え合う。 「んっ、んんっ!」 「くん、んっ!」 二人はお互いに一番敏感なそこに口つけた。指の動きもやまない。迫るそれに我を忘れたアティとベルフラウの声が、高く低く辺りに合唱する。 「はぁ、ふあっ、ベルフラウ……私……またっ」 「あふっ、せ、先生……先生っ、……私も……もうっ」 「わ、私……また……あっ、……あああぁぁぁっ!!」 「私も……んあっ……んあああっ!!」 二人は迎えた絶頂に、互いの顔と手をぐしょぐしょに濡らした。 アティは胸を上下させながら倒れていた。そのかたわらに、ベルフラウも裸身を横たえている。二人は夢を見るように静かにまぶたを閉じて、息を静めていく。 ビジュはそんな二人を眺めながら思考していた。 やはり自分があのガキを犯してやるべきだったのだろうか。 そう、ベルフラウをこのままにしておく気はビジュにはなかった。膨れ上がった怒りの矛先がベルフラウへと向かう。 犯してから殺すか。 殺してから犯すか。 「どっちにしろ、目の前でやってやれば、あの女も楽しんでくれるだろ……イヒヒヒッ」 ビジュはその自分の導き出した邪悪な答えに笑むと、それを実行すべく腰を上げた。 ビジュはベルフラウをアティの目の前で完全に壊すつもりだった。 ――だが、そのビジュの手がベルフラウに下ることはなかった。 「……そこまでにしておいてやれ」 低い男の声と鋭い殺気がビジュの背中を突き刺した。 その殺気にビジュは飛び跳ねるように身体を翻す。 「……っ!?誰だっ!?」 向かい合った先に立っていた人物は一人の初老の男。 「手前ェは……」 ビジュはその男を知っていた。 自分を殺しかけた組織の人間の一人――。 無色の派閥の剣士、ウィゼルだった。 つづく 前へ | 目次 | 次へ |
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