鎮魂歌




※三國無双5 司馬懿伝ネタバレありです。ご注意を。


























































自分の足元に横たわる、上司だった人の骸。

とうとう、我が願いは成就したのだ。
これで、天下は我が物に。


部下は帰らせ、一人で宮殿を散策する。


ふと、目に付いたもうひとつの…骸。

「曹丕……殿…」
なにか湧き上がってくる感情。

『その才、この乱世で磨き上げておくがいい。乱世の先、更に曹孟徳の世の先、私と共に世を治めていくためにな』

ふと思い出す、漢中で言われた、彼からの言葉。
ぴくり、とも動かない、体。
その唇からは、もう言葉は紡がれない。
磨き上げた才は、彼には使うことはなく…自らの野心の為に。
しかし、彼に使ってみてもよかった、と思う感情も少なからずはあったような気がする。
…自分の今回の行動に、賛同してくれたならば。
しかし、彼は父についた…。
「曹操…は、ともかく、あなたは…曹丕殿は…」

骸にそっと触れる。手にねっとりとつく、血液の感触。
まだ…少し暖かい。

「…馬鹿めが……」



頬に流れるのは、一筋の、涙。











曹操は最終的には呼び捨てにしてたのに、曹丕だけ最後まで「殿」がついてたのが自分的にすごく気になったんです。そこで考え付いた話。
別展開の話も考えてますが、今回は、ゲームに準じてみました。
暗い、暗すぎる。でも、ゲーム展開がこんなんだったんで…すみません。





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