束縛


※無双5司馬懿エンド捏造妄想小説です。
痛いです。要注意


























執務が終わった司馬懿がいつも向かう場所がある。

誰も知らない地下室。
地下室に似付かわしくない豪華な扉を腰につけた鍵で開ける。


「仲…達…」
その部屋の中にいるのは、死んだ、と思われていた曹丕。
部屋は豪華ではあるが、地下なので窓はなく、光は蝋燭のみで薄暗い。
「…ほとんど召し上がっていませんね」
細工の細かい貴人が使う机に並べられたこれまた豪勢な料理。しかし、手をつけられることなく冷えきっている。
「こんな状態で、食欲など、出ぬ」
寝台で体を曹丕が動かす度にじゃらり、と、鎖の音がする。
「父や…甄や…他の曹一族と同じように、何故しなかった」
その言葉に、何を今更、と言った感じでくっ、と口元で笑い、そばにあったライチを摘む。
「貴方は…私のために…生きてもらわねば困るのです」

口移しで、茘枝を曹丕に食べさせる。
舌で実を曹丕の口の中に滑り込ませる。
「…っ…」
少しの抵抗ののち、曹丕から力が抜ける。
そのようにしたのは司馬懿自身。
「石田とやらに聞きました。茘枝は、未来のこの国の皇帝の寵妃が好んだ果物とか…」

貴方に、ふさわしいかと。
そう囁き、首筋に舌を這わせる。
石田、と聞いて曹丕の体が強ばる。
「あれを…まだ…忘れずにいるとは…」



ダレモ  アナタノココロニ スマワセナイ
アナタハ  ワタシダケヲ ミテ  カンジテ クレレバイイ




天下を手中に、など口実。
あなたがいてくれればそれで。



『司馬懿…そな…た…が欲しいのは…天下では…なく…わ…が…き…』


わかっていたのが、あの方が一番愛した女だったとは。
いや
同じ思いを抱いていたからこそわかった事か。



「私は…あなたを…」





アイシテイマス



終




曹丕監禁別バージョン。こっちは主導権は司馬懿。
痛いなぁ…でも、5の司馬懿エンドを見るとこういうのしか思いつきません。ごめんなさい。

中国の皇帝の寵妃とは、楊貴妃のことです。念の為。もちろん曹丕たちより先の話。
曹丕はたしか茘枝はあんまり好きじゃなかった…ような気がする。葡萄のことみたいに詩に残してたような…




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