クレームドカシス

傷の舐め合い−1(薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク/水×土)

あの晩、要に連れてこられた時から、土田は度々ここを訪れるようになった。
――僕たちは、わかりあえる様な気がしないか?
ここの主は、そう言ってここへ来るようにと誘ったのだ。
他愛の無い話をしたり、食事をしたり、そして時には肌を合わせることもあったが、不思議と嫌な感じはしない。
むしろ癒されるような...そんな感覚。
ここは、水川の土蔵。
狭く急で薄暗い階段を上ると、棚いっぱいにぎっしりとつめられた書物独特の匂いがする。
ところが、今日はそれに酒の匂いが混じっていた。
「やあ、土田君よく来たね。出版の記念に頂いたんだけど、付き合わない?」
「かまわんが、誰か来る予定だったのでは無いか?」
少し減っている一升瓶と二つのぐい呑を見て、土田が尋ねた。
「来る予定...か。君がね、来てくれるんじゃないかと思っていた。」
土田に対し甘えているのだろうか? 水川は愁いのある笑みを浮かべた。
「そうではあるまい。」
土田は酒を受け取りながら問いただした。
「......本当は誘いたかった人がいるんだけど、言い出せなかったんだ。彼が待っているのは僕じゃないとわかっているからかな。でもね、君が来てくれてよかったと思っているよ。」
水川は正直に白状して酒を煽った。
土田も返す言葉が見つからず、ただ酒を呑むだけだった。
「君には本当に甘えてばかりだね。甘えついでに、土田君の酔ったところを見てみたいなぁ。」
そう言うと土田の器に酒を注ぎ足した。
「俺は酔ったことが無いから。」
これは嘘ではない。自分が酔うより先に回りが酔いつぶれてしまい、酒など飲んでいられない状況になるからだ。
「たまには酔ってみるのもいいもんだよ。それに、酔う為に必要なのは酒とは限らないからね。例えば...」
水川は内緒話でもするつもりなのか、人差し指で近くに寄れと合図をした。
酔っ払いの戯言かもしれないが、土田自身できるものなら酔ってしまいたい気分でいたので、耳を貸すことにした。
近づいて水川の口元に耳を寄せる。
「そう、例えば、こんな行為なんてどう?」
耳に唇が当るか当らないかの距離で、艶やかな声で囁く。
同時に長くしなやかな手は、しっかりと土田を抱き寄せている。
反応を確認して、水川は尚も続けた。
「滅茶苦茶になるまでしたことは無いだろう? 酔いしれてみるかい?」
言うなり耳朶を甘噛みし舌を這わせる。
反射で顔は逃げようとするが、体は水川に預けられたままでいた。
後から抱え込むように座りなおし、首筋に口付けを繰り返しながら、シャツの釦をはずしてゆく。
胸元に手を滑り込ませ、上質な筋肉のついた引き締まった身体を堪能する。
胸の突起を掌で触れ、指で摘まみ、少しずつ快楽へと導いてゆく。
土田の身体が熱を帯びはじめ、呼吸が変化する。
水川はうっすらと開いた土田の唇を指で刺激した。
口付けを求めるように、土田の舌が水川の指を絡める。
「いいよ」
軽く上を向かせて、甘く舌先を触れ合わせ、次第に口腔の中へと侵入していく。
歯列をなぞり、上顎をくすぐり、舌を絡める。
「......んっ...」
土田の背筋を甘い疼きが駆け上がった。
水川は土田の胸の辺りで戯れていた手を止め、ベルトをはずし下肢を覆う布地を取り去った。
内腿を掌で撫で、背中に唇を落とし舌でくすぐると、土田が仰け反って甘い声を漏らす。
水川は口付ける動作はそのままに、内腿から、右手を下腹に、左手を胸にと、それぞれ滑らせた。
土田が安堵とも失意ともつかぬ切なげなため息を吐いた。
「焦らされるのは、嫌かい?」
察して水川が問いかけると、羞恥で土田の顔が赤らむ。
水川は下腹を撫でていた手の位置を更に下へとずらし、すっかり勃っている敏感な部分にそっと触れる。
土田が仰け反って反応を示す。
水川は、高みまで引きずり上げるように、掌で包み込んで上下に刺激を繰り返した。
「......くっ...あっ...」
鋭く甘い刺激に、土田は水川の着物の裾を握り締め嬌声を漏らす。
首筋に舌で更なる快楽を加えられ、堪らず水川の掌に白濁とした液を放った。
「まだこれからだよ。」
耳朶をかじるように、水川が囁いた。
NEXT>>>




「薔薇でほろ酔いシリーズ」第5弾です。
水×土、成人向けです。
「まだこれからだよ。」と言った水川先生のとおり、続きます。
このままでは話が半分ですし、土田君を滅茶苦茶にして差し上げなければいけませんから。(笑)
≪2003/06/11≫


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