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陵辱エロゲー世界、それは、美しいヒロイン達が醜い欲望の前に、全身が白濁になる悲劇の世界である。
どんなに強力な力を所有しているヒロインでも、油断をすれば陵辱され、容易く命を散らす残酷な世界なのだ。
だが、陵辱エロゲー世界のヒロインにしか手に入らない宝物がある。
ヒロインとしての人生を燃やすかの如く、ひたすら陵辱されていく彼女達の最後は・・・悲惨だが圧倒的な快楽に包まれているのだ。
どの世界でも味わえない禁断の快楽の宝庫、これが陵辱エロゲー世界の正体である。
西暦20xx年。砂漠化、異常気象、150億の膨大な人口による三連コンボにより、人類は未曾有の食糧危機に見舞われた。
貯蔵してある食料が刻々と減っていく中、人類は低コスト・短期間で成長する虫に着目し、虫の大量養殖が世界各地で行われる。
虫を食べる習慣がない民族や国では、触れるのも嫌な虫を食べるという行為に嫌悪感を露にするが、餓死するよりはマシだと判断され、虫を食べる習慣が強制的に出来上がる。
世界中のほとんどの人々が、動物の肉ではなく、虫を食べるようになった世界で・・・食べず嫌いの青年が一人孤独に餓えに苦しんでいた。
(肉・・・肉を食べたい・・・)
彼の頭の中には、食料飢饉が起こる前に大量に食べる事が出来た動物の肉と、甘いお菓子しかない。
餓えて苦しんでも苦しんでも、虫を食べたくない青年は、自殺する勇気も持てず、餓えて死ぬか、もしくは虫以外の食べ物が口に入る事を無駄に期待するだけである。
(ああ・・・美味しい肉を食べたい・・・美味しい・・・お菓子を食べたい・・・)
虫を食べる勇気さえ持てば、蟻のスナック菓子が簡単に手に入るが、それでも、虫を食べたくない青年は苦しみ続ける。
想像を絶する餓えという苦しみに、水を飲む事で耐えるが、何の問題の解決にもなっておらず、飢えて死ぬまでの苦しみの時間を引き延ばすだけである。
(・・・肉・・・お菓子・・・肉・・・)
・・・絶食生活三日後に、青年は栄養失調で死ぬ事になる。
餓死で亡くなる寸前まで、虫を食料と見なさず、頑張った結果がこれだよ!的な結末を迎えてしまったのだ。
結果が出せない努力の事を、人々は徒労と呼ぶ。青年の努力は、方向性が完全に間違っているため、全てが無駄に終わってしまったのである。
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天国とか地獄とか、人間を堕落させるだけなのに、維持する意味あるの?魂が実在するなら、さっさと転生させればいいだろ。 by パルメ
魂って、神様が管理しないと大変な事になる生物なの?すごいね!まるで家畜みたいだよ! by パルメ
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あの世と呼ばれる空虚な死後の世界。古代ギリシア時代に作られたパルテノン神殿のように大量の柱で構成された荘厳な神殿の前に、死んだ人々が一列になって並び、自分が裁かれる瞬間を待っている。
死んだ人々は、生前の宗教観から、地獄や天国、もしくは大量の処女を抱ける豪邸を思い描き、緊張しながら自分は特別だと思って、一列に並んでいるのだ。
餓えて苦しんだ青年も列に並び、死んでも続く餓えの苦しみから早く解放されたいと願い、頭の中では美味しい肉やお菓子の事しか考えていない。
次々と神殿に入っていく人々が、一人も出てこない事に疑問を持つ事すらもなく、苦しみから解放される事を青年は望む。
幸い、流れる川のように人々は神殿の中に入っていき、毎時間10万人の魂を処理する神々の迅速な仕事のおかげで、青年は死後の世界に到達してから10分ほどで神殿に入ることができた。
青年が神殿に入ると、無数の箱が浮かんでいる真っ白な空間に移り変わる。
突然の事態に青年は少し驚いたが、餓えの苦しみでそれどころではなく、早く苦しみから解放されたいと空間を見渡す。
ひょっとしたら何か食べるものがあるかもしれないと思い、青年は手近な箱に近づいて手に取ると
「10枚の紙を引いてね!すぐでいいよ!」
箱から何故かイラツク声が聞こえた。無意識に虐待したい箱だなと思った青年だが、餓えの苦しみから逃れるために紙を食べるのもありかな?と思って、箱の上に空いている丸い穴に手を入れて、次々と紙を引いていく。
陵辱 エロゲー ヒロイン 不老 不死 巫女 巫女 巨乳 戦闘 ファンタジーの文字を記された紙を青年は引いたが、飢えを満たすために紙を食べたため、内容を一切見ていない。
箱から10枚の紙を引いたが、飢えを満たすために味のしない紙でも食べたいと思った青年は、新たな紙を引こうと丸い穴に手に入れた瞬間
「次は5枚の紙を引いてね!すぐでいいよ!」
虐待したくなるムカツク声が箱からしたのである。
まだ、飢えの苦しみに悩む青年は、その言葉にストレスを溜めたが、飢えを満たす事を優先したため、次々と5枚の紙を引いていく。
付与霊術 鑑定 付与霊術 付与霊術 治療霊術の文字を記された紙を青年は引いたが、やっぱり飢えを満たすために全部食べたので内容を確認していない。
「バトルファンタジーな陵辱エロゲー世界行きだよ!不老不死の巨乳巫女さんになれるとか幸運だね!とんでもない奇跡だよ!」
その箱の言葉と同時に、箱の丸い穴が閉ざされる。
青年はもっともっと紙を食べたいと思って、箱に蹴る殴るの暴行を加えるが、柔らかくて軽くて衝撃を全て吸収するという驚異的な超技術を持って作られた箱を破壊する事ができない。
「ゆふふ、全然効かないよ!この空間から出れば転生できるから、出て行ってね!すぐでいいよ!」
人をイラつかせるような箱の言葉に、青年は怒りを覚えるが、飢えの苦しみから早く解放されたいと思っているため、素直に空間の出口と思われる場所へと走っていく。
出口は真っ白な空間とは対照的な真っ黒な空間が広がっているおかげで、非常に目立っており、100m先に居た青年でも、どこが出口がわかるようになっている親切仕様である。
(飢えから解放される・・・やっと・・・飢えから・・・解放される!)
想像を絶する苦しみとは、あと少しでさよなら出来ると思った青年は、全速力で出口へと走り・・・そのまま真っ黒な空間を通って、転生したのだ。
引いた紙の内容を見ることもなく、誰にも内容を説明してもらえず、青年は転生の輪に入ったのである。
青年が去った後の真っ白な空間には、青年と対峙していた箱が
「クジの説明を忘れてごめんねっ!でも、転生したら記憶をほとんど失うからどうでもいいよね!人間さんの魂は世界から勝手に生えてくるんだよ!」
と人々をイラつかせ、虐待したくなるような言葉を吐いていたのだった。
プロローグ ----陵辱エロゲー世界で生きるヘタレ巫女----
青年が転生した場所は、地球と地形が酷似した陵辱エロゲー世界の日本の寒村に女子として転生した。
女子の生まれた家は、貧乏な家庭であり、労働力として子供を産んでは、成長したら奴隷商人に売り飛ばし、或いは、殺して食料にする価値観を持っている親がいる。
人の命が重いと宣言する事ができる人間は、基本的に裕福なだけなのだ。
そんな貧乏で子供の命は家畜程度にしか考えていない家庭に生まれた元青年、今の名をアイという。8歳の時点で腰まで届く金髪を持ち、発育がいい胸を持っている美幼女だ。
転生の際に、食べ物と早く楽になる事しか考えていなかったために、それ以外のほとんどの記憶を失い、この辛い環境を健気に生きている。
親からは、成長したら高値で売れそうだという事と、人の怪我を治癒する能力を所有しているという事で、栄養のある物を食べさせてもらい、この世界の平均的な女児に比べれば、非常に健康的な食生活を送っていた。
・・・というより、村人の怪我を治癒する代価に食料を貰い、80%ぐらい親がピンハネして、その残りを食べているだけなのだが、子供は親の所有物であるという村の価値観のせいで、文句をいう事もできず、ヘタレに生きているのだ。
前世でも虫を食べずに死んだヘタレは、現在でもヘタレな訳なのである。
そんなヘタレ金髪美幼女アイは、貧しい村の中で一番大きな家を持つ村長の家にいる。腕に深い傷を負った男を癒すべく、傷の部分に手で直接触れているのだ。
この陵辱エロゲー世界では、システムチックな霊術が存在しており、アイの所有している治癒霊術を使えば、一瞬で直せる程度の傷なのだが、アイは霊術どころか、不老不死の巫女の存在すらも知らず、自前の霊力を少しづつ、男の傷に流し込む事で傷を少しづつ癒しているだけである。
この方法だと、傷が完全に癒えるまで、40分ほどの時間がかかり、治療行為をされている側の男は、直接肌と肌が密着しているアイに欲情していた。
アイの着ている服は、地味な布を複数組み合わせた粗末な着物なのだが、陵辱エロゲーヒロインとしての美しい白い肌や、美幼女としての可愛らしさに劣情を感じているのである。
「へへへへ!いい尻しているな!」
「・・・ゲっ、ゲンさん!お尻は駄目なのです!」
男はアイと密着している事を利用して、少女の可愛らしい尻をモミュモミュと揉んでいる。
非力な少女では抵抗する事もできず、治療行為が完全に終了しないと、報酬を払ってもらえない事から、お尻を触ってくる事に対して文句しかいえない。
お尻を揉まれているアイは、快楽こそ感じていないが、このままレイプされるかもしれない可能性を考えると、緊張してガクガクと震えてしまい、余計に何もする事ができないでいた。
(あうう・・・最近、男の人の視線が辛くなってきたのですよ・・・)
最近のアイは、胸の発育が良くなった事もあって、村の男達から欲情の視線を向けられるようになり、わが身の危険というものを覚え始めている。
こういった貧しい寒村では、男と女が肉体関係を持つ年齢が異常に低い事が多く、8歳になればセックスくらい覚えて当然だという認識が普通だった。
だが、当のアイは、前世の記憶がほとんどないにせよ。元の性別が男という事もあって、男に抱かれるという行為そのものに疑問と違和感を持っているのである。
40分の間、お尻を触られたり、Bカップのおっぱいを触られたアイだったが、男にレイプされるという事もなく、報酬である米10合を受け取って、村長の家からでる。
太陽は、まだ真上には昇っていない事から、現在の時間が午前中であり、後1時間ほどで正午になるという事を、今までの生活の経験からアイは理解する。
「・・・この村にいたら犯されるのです。」
そして、村で、このまま生活していたら、大切な貞操が強引に破られてしまう事も理解していた。
自宅へと帰宅する途中の道で、アイは考え事をするが、一人で旅立つという無謀な選択もできず、、無数にある選択肢を思い浮かべるだけである。
選択肢が無数にあるせいで、迷って何も選ぶ事ができず、迷ったまま自宅である木造の一軒家の近くまで少女はたどり着く。
その家は、アイの稼いだ食料で建てられているため、村の中では比較的裕福な階級しか持ってない家である。
家を建築するスペースが有り余っている村であるため、二階建ての建造物は一つも存在せず、アイの家も一階立ての木造建築だ。
自宅の前まで来た事で、アイは下を向いていた顔を上にあげ、自宅の方向を見ると、アイの母親らしき中年のオバサンと、見知らぬ男性が談笑している光景が見えた。
「人を治癒できる能力を持つ女の子だよ?1000万円でどうだい?」
地味な布を複数組み合わせた着物を着ている中年のオバサンが、何かを必死に高く売りつけようと男と交渉をしている。
「実際にその能力を、ワシは見ておらんし・・・8歳の女の子なら100万が相場じゃろ?」
男の方は、村人の着ているボロ布に比べれば綺麗な服を着ており、太っている事から金持ちである事が理解できる。
「あの子は将来、とんでもない美少女になるよ!それだけでも1000万の値打ちがあるよ!・・・ほらっ!あれだよ!」
中年のオバサンは、アイが近くにいる事に気がついて、指で少女を指し示す。男は、振り返って少女の方向に顔を向け、値踏みするかのように、じっくりと少女の顔を見つめると
「・・・確かに高く売れそうじゃ。だが、1000万は高い。800万が妥当じゃろ?」
男は顔に邪悪な笑みを浮かべ、中年のオバサンの値上げ交渉に妥協した。
中年のオバサンの方は、最初に1000万という額を吹っかけて、最終的に500万くらいの金額で買い取ってもらおうという思惑があったために、その額で満足して
「それでいいよ!あの子は、今日からアンタの所有物さ!」
アイは売られた。個人的な不満や愚痴はあったが、献身的に尽くしてきた母親に裏切られたのである。
この時点で、男の正体が奴隷商人だという事がアイには理解できており、少女は異常な事態に愕然としたまま、奴隷商人に手を引かれ、村人の身分から、奴隷へと転落したのだ。
奴隷商人に連れて行かれる途中で、二度と会う事もない母親から送られた言葉は
「育てた恩を返してね!大金でいいよ!」
転生する前のムカツク箱のようなセリフだったという。
奴隷商人に売り払われたアイは、逃亡できないように手足を縄で縛られた後に奴隷商人の馬車へ放り込まれ、馬車とともに生まれ育った村から離れた。
アイを売却する場所へと向けて、移動をしていると思われる馬車の中で、暇を持て余したアイは、奴隷商人の男と会話している。
「・・・酷いのです。最低の親なのですよ。」
親に最後に言われた言葉が少女の心を抉っているが、不作だった農家が子供や嫁を奴隷として売る話をよく聞いていたために、そこまで絶望していなかった。
「お嬢ちゃんも大変じゃなぁ。」
初老に差し掛かった奴隷商人の男は、暇潰しをかねて、アイの身の上話を聞いている。
こういった商売に手を染めている事もあって、この少女が売り払われた先でどのような扱いを受けようがどうでもいいと思っている鬼畜な普通の人間さんである。
馬車での旅は、馬が道を覚えてくれるという事もあり、奴隷商人の男も暇を持て余していた。
「そうなのですよ!村の人達の怪我を治療して、家計を支えたのに、この扱いなのですよ!?」
アイは、何度も何度も、頑張った自分の事と、理不尽な扱いをした親の事を話している。
「売られた先で幸せになるとええのぅ。」
奴隷商人の返答は、どこか他人事のような雰囲気だったが、その言葉を言われた事で、アイの心が少しだけ抉られる。
「どっどこに私を売るのですか!?」
アイの頭の中では、奴隷になった少女が売られた先で、酷い扱いを受ける可能性が高い事を知っている。
貧しい村の中でも、労働用奴隷が存在していたため、奴隷は道具扱いだという事を理解しているのだ。
奴隷商人の男は、少女の質問に答えると同時に、村で聞いた少女の噂が本当かどうか確かめるべく聞き出す。
「・・・お嬢ちゃん。人を治癒できる能力があるというのは本当かのぅ?」
「本当なのですよ!できれば、娼婦や労働用奴隷になりたくないので、お医者さんの家に売って欲しいのです!」
少女は、少しでも待遇が良い場所に売られたいと考え、自分の売却先を交渉しようと、怪我を治癒できる能力をアピールしようとする。
基本的にヘタレな少女ではあるが、このまま娼婦館などに販売されて、悲惨な人生で終えるのだけは勘弁願いたいのだ。
奴隷商人の男は、少女の能力が本当か確かめるために、腰に付いている護身用の短剣を鞘から抜いて、指先を少しだけ斬る。
血が指から溢れるが、その怪我を負った指を少女の目の前に差し出して
「この怪我を治せたら、高い所に売ってやる。どうじゃ?」
「・・・そのくらいの怪我なら30秒くらいあれば、治るのですよ!」
ここがこの先の人生を決める正念場だと判断したアイは、奴隷商人の男の怪我を治すべく、男の手に両手を乗せて、霊力を送り込む。
1秒5秒10秒と時間が経過する度に、奴隷商人の男の指から怪我が癒えていき、指の痛みがとれていく。
「おおお・・・お嬢ちゃんなら高い所に売れるぞ!」
奴隷商人の男は、少女の治癒能力が本物である事を確認できたため、大喜びしたのだった。
安い買い物で、大金が手に入るという幸運を掴めた奴隷商人は、売り払う先を頭の中で検討し、その中で一番高く買ってもらえるだろうと思われる場所を思い浮かべる。
(うひひひひ!こいつは巫女かもしれんぞ!1000万どころか1億すらも軽いわい!)
奴隷の売買という行為で、奴隷を安く買い上げようと思ったら、治安が悪化した場所で行われるため、それなりのリスクがある。大商人ならば、大規模なキャラバンを組むなりして、リスクを最小限に抑え込んで利益を上げられるのだが、個人で奴隷売買をする場合、盗賊に襲われるリスクと、その護衛を雇うコストの問題が発生する。
今回の奴隷売買で、アイを可能な限り高値で売り払う事ができれば、この奴隷商人は個人で奴隷売買を取り扱うというリスクを犯さずに、手に入った大金で、それなりの規模のキャラバンを組むもよし、今までの人脈を使って店を開くもよしと薔薇色の人生が待ち受けているのだ。
「そうなのですか!お医者さんの所に売りつけてくれるのですね!」
販売対象である少女は、奴隷商人が高値で自分を販売してくれると言ってくれた事で、絶望的な未来に少しだけ明るい光が差しているように感じられた。
奴隷といえど、高値で販売される高級奴隷になれば、消耗品としても扱われず、普通に暮らす一般人よりも良い暮らしができるのである。
この明るい会話の後も、奴隷商人とアイは暇潰しに会話し、10日後にウズメノ神社で少女が売却されるまで、仲が良かったという。
馬車が寂れた道を、通っていく。元はコンクリートで舗装された跡があるが、何百年も経過しているせいで、所々罅割れし、普通の砂利道になっている。
この道の先には、ひっそりとした神社が一つ建っており、アイはその神社の門のすぐ側の壁に、寄りかかっていた。
奴隷商人の男は、神社の中で、少女を売り渡すための値段交渉をしており、アイはこれから売られる場所であろう神社の中を見つめているのである。
「・・・緊張するのですよ。」
奴隷商人の男から、この神社がどのような場所か教えられていないアイは、この神社を観察する事で、どういった場所なのか知ろうとするが・・・やっぱり何も分らない。
ひたすら、無駄に観察しては時間を潰しているだけであり、アイは巫女服を着た黒髪美少女が自分の所へと近づいてる事も気がついていない間抜け具合である。
「なぁ、あんたがウズメノ神社に売られる予定の巫女さんなんか?」
「ふぇっ?」
凛々しい黒髪美少女に声をかけられ、アイは驚いて顔ごと声の方へと動かした。
そこには、8歳のアイよりも5歳は年上であろう凛々しい黒髪美少女巫女がおり、笑顔でアイの事を見ている。
黒髪美少女巫女は、アイが自分の声をちゃんと聞いていなかったと思ったのか、口を開いて
「この神社に売られる予定の巫女さんなん?」
同じ事をアイに質問したのである。
「・・・巫女って何ですか?」
アイは疑問の声を漏らす。巫女という言葉の意味がよく理解できていないのだ。
「前世の記憶を忘れたん?虐待したくなるようなムカツク箱に会った事ないんか?」
本当に巫女の意味を知らないと理解した黒髪美少女巫女は、更にアイに質問をする。
質問されているアイは、頭の中で必死に思い出そうと考え込んで、虐待したくなるような箱の事を思い出した。
「うーん・・・そうなのですよ!訳の分らない箱だったのです!」
「その箱の中から引いた紙の内容を覚えとるか?あれって、結構重要なんやで。」
黒髪美少女巫女は、アイが箱の事を思い出したと思って、質問を重ねる。
これで、この陵辱エロゲー世界のお話さんが出来ると安心した黒髪美少女巫女だが、その期待は
「全部食べたから知らないのです!」
予想外の返答をしたアイによって、期待が裏切られてしまったのだ。
黒髪美少女巫女は、どうやって説明しようか少しだけ悩むと、紙の内容を知らなくても、表示できる便利な機能がある事を思い出して
「・・・ステータスオンって言ってみ?それが、あの紙の内容やで。」
普段から全く使わない表示機能の事をアイに教えたのである。
突然、意味不明な事を言われたアイだったが、短い言葉を呟けば理解できると教えられてので素直に
「ステータス オン?」と疑問の声を漏らしながら、呟いた。
少女が呟いた事で、目の前に青い画面が投影され、そこには、このような内容が記されている。
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アイ LV1 EXP0 霊力100/100 消費霊力 小1 中10 大100
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最高の付与霊術師lv3 武器の斬れ味をあげるよ!よかったね!
基本スキル 斬れ味強化 斬撃系武器の威力を上げる。 6%強化 呪文「○○よ!斬れ味を強化せよ!」 霊力消費 大
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治癒霊術師lv1 かすり傷を治せるよ!よかったね!
基本スキル 治療 呪文「○○の身体の傷を癒せ!治癒!」 霊力消費 小
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特技 アイテム鑑定
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「・・・最高の付与霊術師?」
アイがステータスに書かれている内容の一部を読み上げる。
黒髪美少女巫女には、ステータス画面が見えていないのか、少女の言葉に反応して、喜びの声を上げる。
「おお、付与霊術師なんや!前衛巫女のうちと相性ええやん!」
「ふぇっ?この画面って一体何なのですか?」
アイの頭は、意味不明すぎる事態に混乱している。だが、黒髪美少女巫女から帰ってきた言葉は、少女への返答ではなかった。
「他には何が書いてるん?付与霊術だけやと、巫女やっていくの大変やで。」
「・・・治癒霊術師、アイテム鑑定って書いてあるのですよ。」
素直に質問に答えてくれない事を理解したのか、黒髪美少女巫女に言われるがままに、ステータス画面の内容を話す。
そうすると、黒髪美少女巫女は全身で喜びを表現するかのように腕を上げて喜びながら
「治癒霊術最高やん!治療って大金ぼったくれるで!・・・アイテム鑑定も役に立ちそうな名前やなー。」
「あのー質問に答えて欲しいのですよ。この画面は何なのですか?書いている内容もさっぱり理解できないのです。」
喜んでいる黒髪美少女巫女に、アイは、この意味不明な状況を理解するために、説明を求める。
説明を求められた黒髪美少女巫女は、喜ぶのやめて、何も知らないアイに、親切に説明してあげようと口を開き
「そのステータス画面に表示されてるのが、この陵辱エロゲー世界でのあんたの能力や!」
「・・・はいっ?陵辱エロゲー世界?」
聞き捨てならない言葉が入っている事に、アイは不安な疑問の声を漏らす。
疑問の声を漏らした事で、黒髪美少女巫女は喜ぶのをやめて、どう話したらいいのか少しだけ考え込む。30秒くらいの間、重い沈黙が続いたが、黒髪美少女巫女はアイに残酷な真実を伝えるべく、神妙な顔で
「ここは陵辱エロゲー世界で、あんたは、陵辱エロゲーヒロインや。」
短いながらも、残酷すぎる事実を突きつけたのである。
「・・・ほぇっ?」
アイの頭の思考がストップする。黒髪美少女巫女は、そんな少女の様子を見て、未だに内容を理解できていないと思ったのか説明を続ける。
「細かく説明するとな、この世界は、女性を陵辱する妖怪や男だらけのエッチな世界なんや。そんで、あんたは不老不死の巫女さんなんやで。」
「・・・何かの宗教団体ですか?」
陵辱エロゲー世界だと認めたくないアイは、現実逃避した!
黒髪美少女巫女は、現実逃避するアイの肩を両手で掴み、少女を説得しようと口を開いて
「陵辱されたくないなら強くなればええやん!ゲームっぽい感じでレベルアップできるし、前衛巫女のうちがおるでっ!」
「ううう・・・陵辱されたくないのです・・・でも、レベルアップって、どうすればいいのですか?」
黒髪美少女巫女の説得に、陵辱されたくないならば強くなるしかないと理解したアイは、レベルアップの方法を聞こうとする。
だが、その言葉で黒髪美少女巫女が慌てだした。更なる残酷な真実を突きつけないといけない事に悩んでいるのである。
「あー、えーとなー、うーん・・・・レベルアップの方法いうけど、驚かんといてな?」
黒髪美少女巫女の慌てようから、レベルアップの方法はかなり難しいのかと、アイは緊張する。
「レベルアップの方法はな・・・妖怪を殺すと大量の妖力が溢れ出るんよ・・・」
説明している黒髪美少女巫女が一端、話すのをやめて、唾を飲み込み、言葉を続ける。
「そんで、その妖力がうちらの身体に吸収されるんよ。でも、単純に吸収するだけやと、経験値にならへんのや。
経験値にするにはな?男の人の精気・・・ようするに精液が必要になるんよ。」
「・・・ほぇっ?男の人の精液?」
アイの思考がストップしそうになる。そして、ゆっくりと頭の中で理解していき、レベルアップの方法を知った。
「・・・男の人に抱かれる必要があるのですか?これが、陵辱エロゲー世界だという意味なのですか?」
「そうやで。男に抱かれて、精液を身体に付着させたら、妖力と精液に含まれる精気が合体して経験値になるそうや。
物凄く気持ち良いらしいから、病み付きになるらしいで!」
認めたくない事実に愕然とするアイを余所に、何故か黒髪美少女巫女の顔は、嬉しそうである。
アイはその嬉しそうな顔を見ることで、理想的で幸せな答えを見つけた。
「そうなのです!好きな人とエッチな事をすればいいんですね!夫や恋人になってもらう方とか!」
黒髪美少女巫女が嬉しそうにしている原因を、なんとなく悟ってみたアイだったが、次に返ってくる言葉で、また驚愕する事になる。
「あー、言い忘れてとったんやけどな。最初は、それでええかもしれへんけど、レベルアップに必要な経験値が、レベルアップするごとに倍必要なんよ。
いやな話するんやけどな。レベル1からレベル2になるのに、1人の男に抱かれるとするやろ?だいたい、10回くらい抱かれれば、レベル2になるんよ。
でも、その次のレベルやと、20回、4レベルで40回、5レベルで80回、6レベルで160回と増えていくんよ。
精の濃さは人によってちゃうから、個人差はあるんやけどな。」
レベルを上げれば上げるほど、多数の男達を相手にしないといけない仕様に、アイは心の中で泣き、思考も完全にストップした。
そして、辛い現実から逃げるために、思いをたくさん込めて叫ぶ。
「・・・男の人に抱かれて人生終了するのは嫌なのですよ!私は、治癒霊術師として、細々と幸せに生きるのです!」
黒髪美少女巫女は、現実逃避しようとするアイの顔を包み込むように抱いて
「不老不死やから、人生終了せんから安心するんやで!」
救いなのか、逆に不幸なのか分らない言葉で、少女を説得しようとするのだった。
アイは、黒髪美少女巫女の巫女服越しに感じるBカップのおっぱいの柔らかさと暖かさを頭で感じながら
「・・・不老不死?」
陵辱エロゲー世界のインパクトが大きすぎて、聞き流していた台詞を、アイは再確認した。
黒髪美少女巫女は、アイを安心させるために、どんな感じの不老不死なのか説明しようと言葉を続ける。
「うちら巫女はな。16歳で肉体の成長が止まって外見が固定されるんよ。
そこからは、マグマに飛び込もうが、太陽に突っ込もうが、このウズメノ神社で強制的に完全な状態で蘇生されるんや。
呆けの心配もないから安心するんやで、最長でも一万歳の巫女さんがおるんやけど、頭は正常やったわ。」
しかし、その言葉を聞いても、アイは安心する事ができず、現実逃避を再開する。
「・・・陵辱されるのは嫌なので、細々と治癒霊術師として過ごす事にするのですよー。」
「あははは!それは無理やて!」
現実逃避を再開しようとするアイの事をイブキは笑う。アイは、不意に笑われた事に少しだけ苛立ち、黒髪美少女巫女に疑問を投げかける。
「なぜ、笑うのですか?」
その言葉に、黒髪美少女巫女は笑みを深くして
「ここは陵辱エロゲー世界で、あんたとうちは、陵辱エロゲーヒロインなんよ?ほとんどの巫女が、最初はそういう道を選ぼうとするらしんやけどな。
妖怪は霊力を持つ巫女を犯せば犯すほど、力を増すっちゅう、まるで巫女さんを陵辱するために作られたような法則があるんよ。
しかも、巫女さんは、人間とエッチしても妊娠せえへんけど、妖怪とのエッチなら妊娠してまうんよ。
治療する手段はあっても、大抵の場合、妖怪の本拠地みたいな場所に拉致されて、ひたすら陵辱されて、精液を毎日浴びるような生活をする事になるんやで?
妖怪の子供をばんばん産んで、死ぬまで陵辱されて子供を産み続け、この神社にくるはめになるんや。
そうなったら、立ち直るのに膨大な時間がかかるで?毎日陵辱された記憶に襲われ続けて不安な日々を送ったり、捻じ曲がった人格を調整するために、辛い日々を送る事にもなるんや。
それに妖怪って大蜘蛛とか、河童とか、触手さんとか、豚人間とか、蛇とか、たくさんの種類おるから、人間に陵辱される比やないで?
あんたに選択肢はないんや。うちと一緒に修行して強くなるか。妖怪に陵辱されまくる人生を送るかの二択しかないんや。
無論、前者を選ぶよね?うちは、その選択肢以外は許さへんで。あんたが陵辱されて、妖怪を強化されたら、洒落にならへんからな。」
「うう・・・」
現実の酷さに、アイは泣いた。
「泣いている美少女ってええなー。後、名前を言うの忘れとったけど、うちの名前はイブキっていうんやで。これからヨロシクしてや!」
そして、気づいた。目の前にいる黒髪美少女巫女の本性は、どSであることを。
「・・・私の名前はアイというのです。」
律儀に名前を教えられたら、自分の名前も教えるところが礼儀正しい金髪美幼女である。
お互いに名前だけとはいえ、自己紹介も出来た事もあり、イブキは泣いているアイの腕を掴んで、
「男の人に輪姦されると気持ち良いらしいで!一緒に仲良く修行して、たくさん抱かれようや!」
「ううう・・・人生はこんなことばっかりなのですよ・・・陵辱エロゲーヒロインになりたくないのです・・・」
神社の方向へと歩き始めたのだ。アイは修行はともかく、輪姦されるのは嫌なのである。
陵辱エロゲーヒロインになりたくない少女の呟きを聞いたイブキは、少女を引っ張って歩きながら、己の思いを口にする。
「陵辱エロゲーヒロインとしての人生も悪くないと思うんやけどなー。娼婦として犯されたら、気持ち良い事のついでにお金まで手に入るんやし最高やん。」
これが、ヘタレな後衛巫女の金髪美少女巫女アイと、前衛巫女として優秀な黒髪美少女巫女イブキとの始めての出会いだった。
あとがき
妖怪を退治するのに、人間の精液を使うという話を聞いて、
巫女さんが妖怪を退治して、体内に溜めこんた妖力を、人間の精液と合体させて経験値にすればいいんじゃね?というエロゲー設定を考えたから書いてみたよ!
あとがき2 2011/05/29
修正する前のは、精液でレベルアップする巫女さんの話 設定資料集の方にあるよ!
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