色がない世界。全てが漆黒に包まれていた中から生命は生まれた。
そして数億年が過ぎ、我々は色というものの存在を忘れかけていた。
そんな中、一人の少女、紫菜(しな)は育っていた。親の血を受け継いで・・・。
そして一人の青年が明けていく空を感じながら、左の二の腕の所についた特徴的なアザを見つめて高台にいた。
20XX年。第3次世界大戦がようやく終結を迎えた年だった。彼は「色の使者」(シキ)だった。
「シキ」、それはこの世から「色」というかけがえのないものを守りきった、あの歴史に埋もれた八人の旅団の名称で、彼はその中の一人だった・・・。