第13章
白夜がうららかな陽気の中昼寝をしてるとき、赤影、青星の方はどうなったのだろうか・・・。それはまた次の章で。
白夜はぐっすり眠っていた。自分のサブを探してくれている赤影たちを後目に、気持ちよさそうに寝ている。
それから小1時間が経過しただろうか。いまだ白夜は起きず。
その時ゆっくりと近づく人影があった。そろりそろりと、一歩一歩踏みしめるように。徐々に距離が近づいてくる。頭にはシーフのようなものが巻いてある。
白夜は自分の間合いにその人影が一歩踏み込むと、すぐに飛び起きた。
「誰だっ!」
白夜がギロッとした目つきで叫んだ。が、その顔はすぐにゆるんだ。その人影は近づいてくる。
「名前はなんだ?シキ。」
そう白夜は問いかけた。
「へぇ〜、こんなところで出会うとはな。」
その人物はちらっと時計を見た。
「異常事態が起こり始めてから、もう三月か・・・。ようやく最初の一人に出会えたな。俺の名前は『黄閃慶色(きせんけいしき)』。変な名前だけど、気にすんな。」
「『黄』ってことは、属性は電気か?」
「ま、そんなとこだ。これからよろしくな。」
黄閃は手をさしのべた。白夜もその手を握り返した。これで彼らは4人のパーティーとなった。
黄閃慶色。髪は短く、額の所にシーフを巻いていて、いい体つきをしている。背も高く、頼れそうな存在だ。
「ところで黄閃、どうしてここへ?」
白夜は何か確かめるように訪ねた。
「ん〜・・・。これといって理由はないな。何となくだ。」
「そうか。何か声を感じたとか、そういう事はなかったか?」
「いや・・・。なかったな。」
「そうか・・・。」
そういうと、白夜は携帯を取りだし、何かをメモするように文字を打ち込んだ。
「そんな事を知って、何をするんだ?」
「いや・・・。なんでもない・・・。」
そういうと、白夜は携帯をパチッと閉じた。
「あ〜あ。こいつは予定外だったな。これで真面目にクレバス探さなきゃいけなくなっちまった。」
「ん?どういうことだ?」
「あぁ、こっちのこと。じゃあ行くか。」
「行くかってどこに?」
「クレバス探してその後仲間の所。」
「仲間って、仲間がいるのか?」
「あぁ、赤影と青星ってやつ。赤影が男、青星が女。青星が俺らのリーダーだ。」
「OK。わかった。二人の性格は?」
「まぁ、会ってみろよ。そーすりゃわかるさ。」
白夜と黄閃は二人並んで元来た道を歩き出した。