〜第14章〜

森の中、崖の一歩手前でティアラに一命を助けられた青星には、また新しい問題が起こっていた。携帯が冷たく、警告音を発していた。それは、辺り一面人影がうごめいている今の状況を示していた。

「全員反応がある・・・。こんなに多かったら、みんなブラックかしら・・・。」

青星は携帯を取り出すと画面をのぞき込んだ。青星の青い点を中心に、周りを黒い帯状の点が囲っている。

「う〜ん・・・、どうしよう。」

その時人影が一斉に近づいてきて、姿を確認できる状態になった。青星の後ろは断崖絶壁の崖。下ではごうごうと水がうなってる。

「まさに背水の陣ね・・・。ここはへたに待ち受けるより・・・」

そうつぶやくと青星は、ティアラとともに敵の一角に突っ込んでいった。ブラック達があわてて身構え、闘志むき出しで、戦闘にはいるかと思われたその時、

「Climbing water!(巻上がる水柱)」

そう叫ぶと、青星の足下から、大量の水が湧き出し、青星の体を持ち上げていこうとした。そして青星は自分の出した水に乗ってブラック達の頭上を越えていこうとした。が、

「縛念!」

ブラックの一人がそう叫ぶと、今まであり余るほどに湧き上がっていた水が一瞬で消えていった。支えを失った青星の体は、もろに地面にたたきつけられそうになった。刹那、

「Satnding water!(溜まり水)」

青星の下に小さなプールのようなものができ、青星は大きな水しぶきを上げて突っ込んだ。何とか地面との直撃は免れた。そして水はすぐに地面に吸い込まれていった。

「あなた・・・誰?」

全身びしょぬれの青星が、髪から水をしたたらせながら敵を見た。

先ほど叫んだであろう、ブラックの中でもひときわ目立つ格好をしたブラックが一歩前に出た。

「俺はブラック直属26審将、『B/h』という者。シキ第2色『青星』と見た。いざ尋常に勝負せよ!」

敵のブラックは実に堂々としていた。敵なのに。

「あ〜あ。ど〜しよう・・・。」

「青星!聞いているのか!戦うか、戦わぬかはっきりしろ!・・・といっても、多分戦わざるをえんだろうがなぁ・・・。」

B/hがそういうと、彼の横にいたブラックに目配せをした。その時青星は気づいた。B/hの手に握られた布。

その部下が奥に引っ込み、青星の目の前につれてきたのは・・・

「赤影・・・」

青星は思わず声を漏らした。赤影は両手両足を縄で縛られ、ブラックに引きずられていた。赤影は気を失っているようだった。

「さて、お仲間さんがここにいるわけだが、君はどうするのかなぁ・・・。ま、無理にシーフを外す必要なんてないからね〜。」

B/hはうすら笑っていた。

「・・・」

青星は首に巻いていたシーフに手をかけた。

とその時、B/hに飛びかかった二つの影があった。B/hが十数メートル吹き飛んだ。

 

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