親密大作戦!
その1
居残り練習を終えた壇と南は一緒に帰り道を歩いていた。
横を歩いている壇の頭の位置が、視界のスミでいつもより高いことに南はふと気づいた。
気になって横目で見ると、壇は歩道の端にある花壇のレンガの上をわざわざ歩いているのだった。
小さい子どものようなその行動に、笑ってはいけないと思いながらも南は笑いをこらえることができなかった。
「・・・ぷっ・・・」
「急に笑ってどうしたですか?」
いきなり隣で噴出した南に驚いた壇は、立ち止まった。
「悪い。高い所を歩きたいなんて、やっぱりまだ1年なんだなと思ってさ。俺も昔はやったなぁ」
同じく立ち止まって、南は少し懐かしそうに話した。
「そんなんじゃないですっ」
「違うのか?」
「違うです。これは・・・」
「これは?」
言いかけて途中でやめた壇の言葉の続きが気になって、南は尋ねた。
「これは、南部長との身長差を少しでも減らしたくて・・・」
小さくなっていく声をなんとか聞き取った南は、赤くなりながらこう答えるしかなかった。
「そっ、そうか」
(2005/11/8)
書かないと周りに言っていたにも関わらず、壇南の続きです。
灯屋の否定は当てにならないようで、いつも否定しながらも実際にはやってしまいます。
嫌よ嫌よも好きのうち?でしょうか。