浅人7

左手の指で触れただけ。そう、触れただけであった。
浅人が自身の濡れそぼった秘部に触れただけで、全身に駈け巡る甘美な快感。
(な、なんで・・・?)
昨晩一人でした時も、その前より遥かに気持ちよかった。だが、今のはまるで段違いだ。
「や、あ・・・!」
体を仰け反らせながら、しかし手は秘部から離れる事はなく、その筋に沿ってゆっくりと撫でている。
この「ゆっくりと」というと部分が男浅人の些細な抵抗なのだが、しかしそれは女浅人にとっては極めて邪魔であった。
『早ク欲シイ・・・モット気持チヨクナリタイ』
(嫌だ・・・止めろ、止まれっ・・・)
二つの意思が真っ向から対立し、反発している結果がこれであった。
そんな様子を見て、岸田の苛々が増していく。
(ちっ・・・糞野郎が、とっとと堕ちちまえば早いのによ)
岸田が本当に望んでいるのは、淫らな浅人を見ることではなかった。
「男浅人を葬る」事こそが、真の目的なのである。
そして、それも最早時間の問題だった。
至極中途半端な力加減で続けられていた浅人の自身への愛撫は、躰にとってはただの焦らし。次第に体が快楽を求め、意思に逆らい始める。
 くちゅ
「んはっ・・・!」
指が秘部の真ん中で止まった。上下の動きから、前後の動きに変えようとしているのだ。
「はあ、ああぁ・・・!」
目を見開き、口を半開きにして涎を垂らしながら、沈んでいく指を待ち構える浅人。
(駄目だっ、だめ・・・)
最後の抵抗は、もう躰への強制力はもっていなかった。
 つぷっ
「ふああっ!」
中指が第二間接まで挿し込まれた。それだけで、背筋を折れんばかりに伸ばし、背筋が微かに痙攣する。
その指から与えられる快感を余すことなく貪ろうと、膣が締まり襞が蠢く。
「あふっ、やあっ!」
口からは否定の声。しかし、明らかに艶のある喘ぎ声になっている。
そして、それを証明するかのように、浅人は入れた指を動かし始める。
「ん・・・ふっ、くあっ!」
激しく抜いたり挿したり。挿し入れたままかき回すようにしたり。襞の一枚々々を捲り、擦るように。
どんな動きをしても、浅人の躰には快感を与える。否、躰が快感を与えるように指を支配しているのだ。
(ど、どうして、こんなに・・・)
気持ちいいのか、と意識せずにはいられなくなっていた。そしてその瞬間に、目の前にいる男の言葉が甦る。
『ひょっとして・・・俺等に見られて、感じちゃったのかなぁ?』
 きゅんっ
「ひぁっ!」
突然、下半身に強い疼き。それまで以上に行為を求める欲が増す。
(見られてる・・・それだけで、感じてる?変態か・・・俺、は・・・)
それを自分の中で認識した瞬間、疼きは凄まじい速度で浅人の心にまで侵食していく。
段々と浅人の思考に靄がかかっていく。気持ちいい、というその事実だけがはっきりと浮んできた。
昨晩と同じ様に、気がつけば指は二本に増えていた。秘裂を割り、淫らな液体がぐちゅと音を立てる。
「ふあ、あ、あ、ひぃ」
目は既に焦点が合ってない。屋上を見つめている瞳から、雫が滴り落ちる。悦びの涙か。
(気持ち・・・いい)
『ソウ。コレハ気持チノイイコト』
(気持ちいいことは・・・罪じゃない)
『ソウ。何ニモ変エガタイ真実』
(俺・・・このままでいいのかな・・・?)
『イイノ。コノママ・・・堕チテ』
浅人の中で、何かが、崩れた。
「あ、あああぁ、あぅん!」
途端に全身を更なる快楽が包む。背筋を走り、躰が震え、腕が痙攣し、足を限界まで開く。
余っていた右手は、その豊かな胸を揉んで、否、握り潰していた。痛覚でさえ、浅人の躰は、脳は、快感として享受する。乳首は既にシャツの上からでもはっきりと、勃っていることがわかる。
「・・・ふ、ふふ」
歪んだ笑い声。その場にいる誰もが、気付く事の出来なくなった狂気の象徴。
「ふふひ、ふひひゃはあひふひひぁひゃはひひゃひゃひゃ!!」
背を仰け反らせ、とても愉快そうに・・・岸田は笑っていた。
まるで、地獄の使者のように。
「そうだ、俺はお前のその姿がみたかったんだよ・・・前田浅人ぉぉぉ」
厭な笑みは消えることなく、膝をついて浅人の顔を覗き込む岸田。
「俺はなぁ、浅人ぉ。お前みたいな男は大っっ嫌いなんだよぉぉ。でもなぁ、今のお前みたいな気の強い女は大好物なんだよぉ。そうして淫らにヨガってる浅人ちゃんを見るのもなぁぁ」
「あふ、ひゃう!ひん!」
岸田は手を出さない。しかし、浅人の自慰は止まらない。最早、浅人の岸田は見えていないのだろうか。
「ほぉぉら、変態浅人ちゃん?自分で言ってごらん?自分は変態です、ってなぁぁぁ」
空いている左胸の、屹立した乳首をぎゅっと摘んでみせる。
「ひぃぃぃっ!!わ、私はぁ・・んぅ、皆に見・・られて・・・感じてる・・・変態、ですっ・・・
ふあああっ!」
少し前の浅人では考えられないようなことも簡単に口走る。それでも、躰の中を言い知れぬ快感が走る。
今、浅人の中で重要なのは如何に気持ちよくなるか、それだけであった。
「ふひ、あひゃひふひあひゃふひゃはははぁぁ!!」
地獄の使者が、笑う。嘲笑う。
「ひぎっ、あ。あああぁぁぁぁ!!!」
全てを吹き飛ばすように、浅人が絶頂へと昇っていく。
その光景に見惚れていた部員達が、部員の一人がいなくなっていることなど、気付く筈もなかった。

さて、皆さんは覚えているだろうか。
浅人と野球部の『勝負』の時、沢田、種倉、舞浜の他に、もう一人『裏切り者』がいた事を。
エラーを強制されていた筈の一年で、たった一人、真面目にプレーをした、一年の二塁手の事を。
「はぁ、はぁ──」
その一年は走っていた。たった一人、悪魔の雄叫びで目を覚まして。
(何で、何でこんな事に・・・!)
青年は泣いていた。自分は野球がしたくてこの学校に入り、この数ヶ月間頑張ってきた。
なのに、あの有り様はなんだろう。先輩だけでなく、同学年の仲間でさえも前田先輩を虐めることしか考えていないなんて。
間違っている、でも、何かされるのは嫌だ・・・青年の心は臆病で、とても人間的であった。
体力には自信があった。中学の時は高校を目に入れて陸上部だった。高校に入って野球部で鍛えられ、その足腰は尋常な程鍛えられている。
そんな足で必死に走り、昇降口で靴を脱ぐ間も惜しみ、一気に目的の場所へ。
扉を開き、開口一番、彼は教師達に叫んだ。
「前田先輩がレイプされてます!・・・助けて!!」

「あ、あふ、あ・・・」
手が、止まらない。さっきから二回イった。それでもまだ、気持ちよくなりたいと手を動かす。
だが、それではもう足りない事を、浅人の躰は脳に訴える。
「あぅ・・・もっと・・気持ちよくなりたい・・・」
呆けた表情で、浅人は岸田の顔を見た。いや、岸田だけではない。それを通り越して、部員達へも。
「ひひ・・・いいぜ、こうなる事を待ってたのさぁ・・・おい、お前ら!」
岸田の一声で、グッと輪が縮まる。浅人を取り囲むように、部員達が並ぶ。
「存分に犯してやれ。たっぷりとセーエキ掛けてやりな。──ただし、処女は俺が貰う」
下品な笑みを浮べ、更に輪が縮まる。それを確認せずに、岸田はGパンのチャックを下ろし、その岸田自身を取り出す。それは、既に天に向かって反り返っていて、赤黒いグロテスクなものと化していた。平均より太く、長い。
「ひひっひ・・・イクぜ、浅人ちゃぁぁぁん・・・」
「あ、ああ・・・」
恐怖は、なかった。足を拘束していた棒は既に取られている。自ら秘部を開き、足を開き、それの受け入れを心待ちにしている。
岸田の肉棒が膣口につく。そして───
 ずぷぷっ、ぶちっ
「っっ!!あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!!」
ミシミシと背骨が軋む音が聞こえる程背筋を仰け反り、浅人はそれの侵入をあっさりと受け入れた。
容赦無く一気に奥まで貫かれた結果。処女膜の千切れる音がはっきりと浅人に聞こえる。
「い、痛ぁっ!やぁ、だ、あぐっ!」
愛液で濡れきっていた膣も、流石に初めての男性を受け入れるとなると離しは別らしい。頭をぶんぶんと振って痛がり、身を捩る浅人。長い髪が岸田の頬に当たるが、そんな事全く気にする様子はない。
「直に気持ちよくなるぜ・・・我慢しろぉ・・・お前の膣、凄ぇ締め付けてくるぜぇ・・」
狂ったように腰を打ち付ける岸田。肉と肉がぶつかり合う音と、卑猥な水音がそこを支配する。
妖しげな気配と空気が漂い、一人、また一人と理性を失っていく。岸田の狂気か、浅人の淫乱か。
「やめ、抜い、て・・・あふっ、きひぃっ!」
手はしっかりと岸田の腕を掴み、突かれるままに腰を振る浅人。口では痛みを訴えているが、既にその秘部は岸田の肉棒をしっかりと咥え込み、貪るように襞を蠢かす。まるで、そこだけが別の生物のように。
声も、すぐに喘ぎ声と変わっていく。
「そんな事言ってる割には、凄ぇ締め付けじゃねぇか。もう素直にヨガっていいんだぜぇ?」
「あうっ、んあっ!だめ、イク、また、イクっ・・・!」
限界点だった。神経が焼き焦げるような感覚。意識が遠のき、現実味が消えていく。
「俺ももう限界だ・・・中に出す、ぜっ!?」
辛うじて聞こえてきた言葉は、浅人の脳では上手く変換されなかった。
「はぁぅ!あ、イ、クっっ・・・・!!」
 ビクン!
 どくん、どくん、どくっ、びくっ・・・
「あ・・・は・・・」
意識が、途切れる。躰の中に熱き印を刻み込まれながら、絶頂と同時に。
最後の最後、ブラックアウトしゆくし視界に、一筋の光を見ながら。

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