14

「待てよ、ハネちゃん。折角新ステージ用意したんだから、そっちに移動してからやったらどうだ?」
「ん、それもそうか」
 ハネダはうずくまったカイトの胸のチェーンを掴んで立ち上がらせた。
 少年たちの中では頭ひとつぶん上背のあるハネダなので、チェーンを握った手を少し上に持ち上げるだけでカイトは爪先立ちにならざるをえない。
「こっち来いよ、カイトさん」
 乳首につけられたチェーンで引き回されるという屈辱的な姿は順番待ちの少年たちによってビデオに撮られていた。
 教室の一角で机と椅子をとりのけられていた。
 さきほどカイトが浩司に「奉仕」していたとき、横合いで少年たちが作業していた場所だ。
 見ると木の床には細い溝が掘られ、そこにカーテンレールが埋め込まれていた。
 床に置きっぱなしになっていた工具類を足で払いのけ、ハネダはそこにカイトを連れてきた。
「まずはこれだよなぁ」
 革製の足枷を持ってきた浩司がカイトの両足首にベルト状の枷を固定した。
 カイトが抵抗のそぶりを見せたとたん、胸のチェーンでハネダに引き寄せられた。
「なあ、カイトさん。あんたには色々と世話になったよなあ」
「そ、それがどうした。弱い奴が強い奴にいたぶられるのは当然だろ」
「あ、そう……」
 コツッ!
 カイトの秘所からずり落ちかけたバイブの尻をハネダが爪先で蹴り上げた。
「はひゃうっ!!」
 再びバイブが根本まで挿入され、カイトは息を詰まらせた。
「俺の目の前でアケミを犯したの覚えてる? なあ、カイトさん」
「……へっ、あのときお前まだ童貞だったんだよな……」
「あんたにボコボコにされて目の前で好きだった女を犯られたんだぜ? 俺は止めに入るどころか、殴られた痛みと恐怖でガタガタ震えてたよ」
 不意にカイトの顔に残忍な笑みが浮かんだ。
 女にされて囚われてなお、カイトの中にはそういう部分が残っていた。
「他人の女をモノにすんのは格別の快感なんだよ。特にヘタレな奴の目の前で犯ってやんのはな!」
「そしてあんたはあっさりアケミを捨てた。アケミは、妊娠してたんだぜ!」
 一瞬ハネダの目が危険な光を帯びたが、すぐにそれはやわらいだ。今のカイトが強がってるだけなのは誰の目にも明らかだったからだ。
「……俺もカスみたいな人間だけどよぉ、あんたはもっとクズだよな。他人を好きになったことなんてないんだろうからな」
「道徳のお時間か? 反吐が出るぜぇ」
 カイトの吐いたツバが少年の顔にかかった。
 ハネダは平然とちり紙で顔を拭いた。
「お喋りはこのへんまでにしとくか」
 ハネダは両手でカイトの首根っこを捕まえ、頭を下げさせた。
 剥き出しになった胸からチェーンが垂れる。それをハネダは足で踏んづけた。
「ぐあっ!」
 カイトはたまらず両手を床につき、四つん這いの姿勢になった。ハネダの足がしっかりとチェーンを踏みつけていて、カイトはその姿勢のまま逃げることも立ち上がることもできない。
「ちょーっと待ってろよ?」
 ハネダは屈み込むと、チェーンのたるんだ中央の部分を床に埋められたレールのランナーに南京錠で固定した。
 カイトはハネダの意図を悟って青ざめたが、もう手遅れだった。
 胸のチェーンに続き、足首に巻かれた枷もそれぞれ短いチェーンでレールへと繋がれてしまった。
「これでよし、と」
 四つん這いになったカイトの股間から突き出すバイブの底をハネダは指で押した。
「はあぅぅぅっ」
 女性器への刺激から逃れようとカイトはもがく。
 だが、レール上のランナーに繋がれた身では、四つん這いでレールに沿って動くことしかできない。
 這って進むたびに胸が無様なほどゆさゆさと揺れた。
 いつのまにか前方にハネダが回り込んでいる。
 唐突に視界にハネダのペニスが入ってきた。
 ハネダは椅子に座って大股を広げている。
「来いよ。そのお口でペロペロしてもらおうか?」
「うっ、ううっ…………」
 我知らず後ずさろうとして、ハネダに首根っこを掴まれ前方へ引きずり出された。
 そのまま少年の股間に顔を埋めてしまう形になった。
 ペニスの先端が頬を叩き、先走りの露が糸を引いた。
「俺は浩司の奴より厳しく、時間制限は3分といくぜ。レディ・ゴー!」
 カイトは内心の激情を堪え、半分皮をかぶった陰茎をしゃぶり始めた。
「その調子だ、しゃぶり姫!」
 糞! 糞! 糞!
 胸の内で何度もハネダを罵った。それでも舌を休めるわけにはいかなかった。
 手でペニスを支えようとすると体のバランスを保てなくなるので、犬か猫のように舌だけで奉仕することになる。
 ひたすら亀頭と皮に覆われた側面の刺激を続けるうちにペニスがさらに膨張していった。皮がぺろんとめくれる。
 ぴちゃぴちゃと奉仕を続けていると、自分の立てている卑猥な音とバイブの刺激によって次第にカイトのほうも昇りつめていく。
「あと一分〜」
「ううっ」
 カイトは思いきって顔を突き出し、裏筋の奥深くへと舌を這わせた。
 ハネダの腰が浮き上がりぶるりと震えが伝わってきた。
(こ、ここを責めれば!)
 カイトは自分自身が達してしまいそうになるのを必死で堪えた。
 亀頭から裏筋を辿り根本まで舌を這わせ同じ経路を辿ってまた亀頭まで戻る。それを数往復繰り返したところでハネダが短く吠えた。
 生暖かい精液がピュツピュッとカイトの顔に飛んできた。頬をドロリと液が垂れていった。
 息が切れそうだった。
「ふうっ、ふうっ、ふうっ……」
 無理な体勢でペニスをしゃぶったこともあるが、それ以上にバイブの刺激に追い詰められて息があがっていた。
 上半身を支える腕が震える。
 いまにもエクスタシーの波がきそうだった。
 快感に抗うことをあきらめ、カイトは目を閉じた。
「あ、あ…………」
「おっと!」
 ズルリッ。不意に強い刺激とともにバイブが抜き去られた。
「うぅ……?」
 イキそこねた奇妙な脱力感を感じながら、カイトは後ろを振り向いた。
 ハネダがどろどろに濡れたバイブを投げ捨てた。
「フゥ〜〜。さぁて、そろそろメインディッシュ行かせてもらうかな。今日は俺、ムラタ先生に許可貰ってんだよね〜!」
「あ、ああ……近寄んな!」
「カイトさん怯えてんの? へへへ……」
 ムラタの股間は早くも勢いを取り戻していた。
 レールに繋がれたカイトは、否応なく股間をハネダにさらけ出した格好になっている。体の向きを変えることすらできない。
 後方へ突き出した形になってる尻に指先が触れた。
(また犯されるッ!!)
 本能的な恐怖に支配されてカイトは足掻いた。
 必死で前方へと這って逃れる。ジャッジャッと音を立ててランナーがレールを滑った。
「ヘヘヘッ……」
 ハネダはおかしそうに笑っていた。
 ハネダから見ればカイトはジタバタと手足を動かしてほんの一寸向こうへ移動しただけである。
 白く張りのある尻をハネダに向けたまま、カイトは必死になって無駄な努力をしている。
 すぐレールの端へと辿り着いてカイトは呻いた。
 それ以上前進しようにも胸のチェーンが引っ張られてしまい、身動きがかなわない。
 再び尻をさわられた。今度は逃れられない。
 やわらかな尻の肉をもみしだくように掴まれた。そのままハネダが重なってくる。
 メスの獣のような姿勢で犯されようとしていることをカイトは身震いと共に悟った。
 無防備な秘所に熱い欲望の塊が触れた。
 四つん這いの姿勢では腿をとじ合わせたところで男の侵入を拒むことは不可能である。
 ハネダは膝を床につけて体位の調節をした。まるで物のようにカイトの腰を掴み、低い声で言った。
「行くぞ」
「うあああっ、やめろォ! 今すぐ、やめろォ!」
 カイトの叫びを合図としたかのように挿入が始まった。
「うあああ!!」
 侵入者から逃れようとむなしく床を掻きながらカイトは貫かれていった。
 ずにゅっ、ずにゅうう……
 卑猥な音と陰肉の擦れる感触。充分すぎるほど濡れていたそこは、殆ど抵抗無くペニスを迎え入れていた。
 力ずくでペニスをねじ込まれるという信じられないほどに屈辱的な仕打ち。
 自分でも知らない内にカイトは涙をこぼしていた。
 ハネダが快感のあまりため息をこぼす。
「女の裡って、ホカホカとあったかいんだなぁ」
「あっ、はあっ、はあっ……」
 ペニスを根本まで打ち込まれてカイトは全身を小さくわななかせた。
 すぐに大きなストロークのピストン運動が開始された。
 バイブの震動とは異質な肉壁をこすられる刺激。
 ハネダはカイトの腰を掴んで自分が気持ちよくなるよう位置を微調整する。ハネダの行為に、カイトの人格は微塵も考慮されていない。
 快楽発生の装置としてカイトは肉体を犯されていた。それは同時に心も踏みにじられることだった。
 肉棒を突き込まれるたびに喘ぐ自分自身の声に、カイトの男としてのプライドはボロボロと崩れていった。
 何より屈辱的なのは、ダッチワイフ同然に犯されながら、それでいて肉体は快楽を覚え始めているという事実だった。
 カイトの抵抗をあざわらうようにハネダの腕がカイトの腰を強引に引き寄せる。
「ああああっ!」
 深々とペニスが埋まり、男の鼠径部が複雑にクリトリスのあたりを刺激した。
 我知らず快感にのけぞっていた。腕の力が抜け、ぺしゃんと上半身が床に崩れ落ちた。胸のふくらみが床に押しつけられてひしゃげる。
 その体勢でますます尻を高く突き出すようになり、ハネダにとっては好都合なようだった。
 ボロボロと涙が落ちた。
 自分でもどうして泣いているのか、分からない。男の意のままに犯される無力感からか、それとも犯されて感じてしまう肉体への呪わしさからか……。
「おぅ……そろそろ……イキそうだ……」
 乱れた息遣いに混じってハネダは言った。
 カイトの腰を掴む手が力んでいることと、ペニスの根本の張り詰めきった感触がハネダの言葉を裏付けていた。
「ばかやろ……勝手にイクんじゃねェ……」
「…………」
 ハネダはもはや無言になって機械のように腰を振り続けた。
 腰をがっしりと固定されてカイトは身を任せるほかに術はない。なによりカイト自身が深い快楽の崖っぷちに立たされていた。
 激しさを増したピストン運動にカイトの口から微妙な呻き声が漏れる。ハネダへの怒りと、女として本能的に口をついた快楽のうめきが入り混じった声だった。
 白く霞んだ視界で、そのとき凌辱劇を見守るムラタと少年たちの姿をカイトはおぼろげに認識した。
 不随意に喘ぎ声をもらすカイトを指さして意地悪くほくそ笑むクラスメイトたち。
 ムラタは感情を押し殺した仮面のような表情でじっと見守っている。ムラタの瞳の奥でわずかに揺れた感情の色は、それは……。嘲笑でも憐憫でもなく、カイトの知らない不思議な眼差しだった。
 ずんっ。快感の塊が門をノックする。
(またこいつらの前で……イカされるのか……?)
(いやだ。いやだ。いやだ。犯されてイッてしまうなんて惨めすぎる!)
(いやだ……誰か助けてくれ!!)
 無意識のうちにカイトはつぶやいていた。
「……たすけて……」
 それを聞きつけた浩司が鼻で嗤った。
「ハハッ。あんたを助けてくれる奴なんて誰もいないぜ。誰もな」
(誰も……)
 そのときハネダが爆発した。
 カイトの腰をきつく引き寄せたままハネダの腰がビクンビクンと痙攣した。
 体の奥深くに男の精を流し込まれていることをカイトは実感した。
 力で少年達の上に君臨してきたカイトが、いまでは売女以下のダッチワイフのように彼らの性欲処理にいいように使われている。
 いまだ挿入されたままの肉棒の感触がその現実をいやでも教えてくれる。
 一部始終を見ていた浩司がハネダを揶揄した。
「ハネダぁ、おまえ早漏だな。もうちょっとだったのに、カイトちゃんぎりぎりでイキ損ねちゃったみたいだぞ?」
「ハァハァ……んなこと言ったって、こいつの中、良すぎでさァ」
「ま、そうなんだけどな」
 ペニスを挿入したままハネダの脱力した上半身がくたくたとカイトにのしかかった。上半身だけでも男の体は重かった。
「くはあ、気持ちよかった……」
「お、おりろっ。重い!」
「あー?」
 カイトはイキきれなかったフラストレーションに腰を動かしそうになってしまうのを必死で堪えた。
「つれないこと言うなよ、カイトさん」
 ハネダはカイトの背中に体重を預けたまま、カイトの乳をまさぐった。
「はあっ、ああっ、ダメ……だ!」
「うへへへ……」
「くううっ、やめぇっ、あひぃぃ!」
 床に押しつけられていた乳首を探り当てられ、まさぐられると電流が走ったような鋭い快感が走った。エクスタシー寸前まで持ち上げられたことで体が敏感になっている。
 乳首を摘まれると、歯の根が合わずカチカチといってしまうほど感じてしまった。
 ハネダはひとしきり乳首を弄んでカイトの反応を楽しむと、それから重そうに体を起こした。
 ずるりとペニスが引き抜かれる。その摩擦も甘い刺激となって脳天を打った。
 女陰がヒクヒクとわなないているのが自分でも感じられた。そして、それをハネダに見られている。
 いつになったらこの悪夢は終わるのだろうとカイトは思った。
 そのとき膣口に愛液とは違うドロリとした液体が溢れてくるのを感じた。
 もちろんそれは、腹の中に思う様ぶちまけられた若い男の精だ。
 カイトがそれをぬぐい取ろうとするより一瞬早く、バイブが突っ込まれた。
 ズンッと奥まで響く衝撃で思わず女のように甲高い声で叫んでいた。
「ほら、こぼしたら勿体ないだろぉ〜カイトさん? それスイッチオン」
「やめ、やめろって……あああう畜生ぉぉぉぉぉ!」
 ヴヴヴと虫のような音を立てて震え始めるバイブ。モードは最弱に設定されているようで、いままでの刺激と比較すると弱々しすぎるほどの震動が伝わってくる。
 一定間隔で震動を停止しては、また思い出したように動き出すバイブ。それはいまのカイトにとってあまりにももどかしい刺激だ。
 そして、ハネダの手によってパンティとブルマが元の位置に戻された。
 二枚の布の下でくぐもった音を立ててバイブが働く。
「こんなもの!」
 ブルマを脱いでバイブを取り出そうとしたカイトだったが、それより先に寄り集まってきた少年たちによって手枷をはめられ、それを胸のチェーンに繋がれてしまった。
 胸に取り付けられたチェーンと足首の枷で床のレールに繋がれ、カイトは四つ足で這ってレール上を移動する以外の自由を奪われてしまった。
 形の良い乳房を揺らしながらのそのそと這う姿はこれ以上ないほど見世物めいている。
 おまけに埋め込まれたバイブが静かに震えてカイトを責め苛む。
(バイブ……バイブだけでも外さないと、気が変になる……)
 必死で手を伸ばすが、手枷のせいで手が届かない。
 ヴヴヴヴヴヴ……
 容赦なくバイブが動き出す。いっそ、否応なく絶頂に達させられるほどの刺激であったほうがまだマシだった。弱く断続的な刺激はまさに「生殺し」に他ならない。
 なんとかバイブを振り落とそうと腰を動かしたが、ぴっちりとブルマまで履かされたじょぅたいでは、逆にバイブが食い込んでくるだけだった。
「はあああ、くそぅっ」
「見ろよ、カイトちゃんが腰振りダンスしてるよ」
「!」
 はたと顔を上げてみると、少年たちはカイトの必死の努力を嘲笑っていた。
 それでもバイブが静かに震え出すと、その甘痒い刺激から逃れようと、自然と腰がくねってしまう。
 そんな姿態が少年たちにエロティックな興奮を与えている。
 股間をふくらませて自分を指さす少年たちを見て、カイトは自分が場末のストリッパーにでもなったように思った。
 けれど……
「はーい。次は僕の番だよね?」
 と、新たにまた一人の少年がペニスを突きつけてくる。
 カイトは口を近づけてそれを舐めてやるほかなかった。
 完全にストリッパー以下だ。ストリッパーならまだいい。いまのカイトはセックス人形だ。たかがパンひとつのためにここまでいいように弄ばれてしまう。
 四つ足で繋がれたカイトをさらに二人の少年が性欲処理に使った。
 精液を顔にぶちまけられながら、その間もバイブに反応して腰がくねってしまう。
 自分の姿の浅ましさを考えただけで頭が痺れそうだった。
 全ての少年が性欲を満足させると、浩司がポンとカイトの尻を叩いた。それだけでカイトはびくんっと反応してしまう。
「泣きそうな顔でケツをフリフリしてるカイトちゃんも可愛いな。そろそろ時間だけど、また可愛がってやるよ」
「待て! ぬ、抜いてけよ!」
「ん……何を?」
 問い返されてカイトは一瞬返答を躊躇った。
「あ、その……バ、バイブを……」
「ハハッ。女の子の口からバイブなんて聞くと興奮すんなぁ。で、バイブをどこから抜いて欲しいの?」
「く……」
 意地悪く問いながら浩司の手はカイトの胸をいじって感触を楽しんでいる。
「バイブを抜くって、ど・こ・か・ら?」
「あ、あそこからだよ」
「アソコ? アソコじゃ分かんないなぁ」
「くそっ!!」
 カイトは自由にならない手で床を叩いた。
「オマンコだよ! オレの……オレのオマンコから早くバイブ抜いてくれ!」
「アハハハハ!!」
 浩司をはじめ少年たちはカイトが自身で「オマンコ」と口にするのを聞いて、全員が愉快そうに笑った。
(クソ野郎ども……)
 カイトは自分自身でも後悔していた。自分が女になったことを自ら認めてしまったことになるからだ。
「よしよし、良く言えましたね、カイトちゃん」
 と、浩司がカイトの頭を撫でる。
「だけど!」
 浩司はカイトの後ろに簡単に回り込むと、電気アンマの要領でカイトの股間をグリグリと足蹴にした。
「はああああああ!? あっ、あっ、いやああああ!!」
「カイトちゃんのオマンコはもうしばらくソイツをくわえ込んでたいってさ!」
「そんなこと……はわあああああ!!」
 グイグイと大事な場所を踏みにじられて、苦痛と、それに倍するほどの甘い快感が迸った。
「アンッ、いやあ、もうだめぇ、それ以上……うぅぅ……!」
 少年たちの手が一斉に伸びてカイトの乳房や剥き出しの脇腹、背中、そして太股や尻をいやらしく揉みし抱いた。
 股間への責めも続く。
 抗いようもない性的刺激の大波が押し寄せた。
「くふぅぅ……ああああっ!!?」
 堪えようという僅かな理性の抵抗をいとも簡単に押し流し、絶頂の洗礼が全身を浸した。
 どこまでも溺れていくような感覚の中でカイトの全身は脱力していった。
 少年たちの悪意に満ちた愛撫によって、女としての絶頂を味あわされてしまったのだ。
 床にうずくまって動けないでいるカイトのそばにムラタがやってきた。
「……女として、セックス人形になるのも悪くはないと思うようになったか?」
「………………」
 声が出ないので、代わりに首を振って問いかけを否定する。
「まだ心は男のつもりでいると?」
 そうだ。オレは男なんだ。たとえどんなに体にされたとしても!
 声にならない声でカイトはそう叫んだ。
「素晴らしい。その意固地なまでの強い自我を歓迎しますよ」
「あ……?」
「ですがこれからあなたには、確実に性奴隷へと堕ちてもらいます。ええ、確実にね」
 カイトにとっては空恐ろしい言葉を置きみやげに、ムラタと少年たちは部屋を出ていった。
 囚われ肉体を変えられてから、もう何日が過ぎただろうか。
 叔父夫婦もいまではカイトが失踪したことに気付いてるだろう。しかしカイトに暴力を振るわれ、金をせびられていた叔父夫婦はハッキリとカイトを憎んでいた。
 彼らが積極的にカイトを探してくれることはないだろう。
「誰か……誰か助けてくれ……」
 そう呟いた瞬間、ハネダに突きつけられた言葉が耳に甦った。
 ……あんたを助けてくれる奴なんて誰もいないぜ。誰もな……
 絶頂後の疲労に意識を蝕まれるまま、カイトは目を閉じた。
(オレ、友達なんていなかったな、そういえば)
 ハネダに指摘されるまでもなく、助けにくる誰かなどいるわけがなかった。
 眠りに引き込まれながらカイトは呟いた。
(助けなんていらない。オレはきっと自分でここを抜け出してみせる……)
 突っ込まれたままのバイブが再び控え目な震動を始めたが、それよりも先にカイトの意識は闇に落ちていた。

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