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 神経が集中し、女の子にとって非常に感じやすい部分の一つ――クリトリス。
 充血して膨らんだ状態であっても、心のそれは大きな米粒ほどにすぎず、まさに若芽という呼び方がふさわしい。
「はぁ、ん…ん、ん、あん、ああ……んうぅ」
 龍鬼は、そんな『おチビちゃん』を、しつこくも丁寧に弄びつづけている。唇を器用につかい、まわりの皮膚を押し上げるようにして剥きだすと、舌で包みこんで保護しつつその上から軽く噛んで、根元からしごくように押しつぶす。
「んふっ…ん、あ、いや…あ、あ、ひうぅん」

(きもちいい…きもちイイよう……ちんちん? おちんちん…みたい?)

 全身を駆けめぐる、熱く甘い疼き。
 股の間に在るモノが『キモチイイ』こと自体は、かつて男のときにも経験があった。けれど、いま、『女の子』で感じる感覚は、それとはかなり異なるものだ。
 下腹部の『熱源』が生む気持ちよさは、いくらでも高まってとどまることがない――そう思えるほど。
 射精のように明確な『頂点』も無いまま、肉蕾は淫らに綻び、容易には底の見えぬ快楽を生み出しつづける。

(いやぁ…きもちいいの……きもちいいよぉ。でも、でもぉ)

 とても、とても恥ずかしい。

 自分と龍鬼は男同士なのに、『恥ずかしいところ』をイタズラされて気持ち良くなってしまうことが、心には無性に恥ずかしく感じられる。同時に、イタズラされているのに拒むことのできない自分が情けなくて、それが堪らなく悔しい。
 恥ずかしくて、情けなくて、悔しくて――心は追い詰められていく。
 心のこころは、すでにもう男であった頃とは比べ物にならないほど弱く脆い、不安定な状態だ。
 湧き上がる快楽に溺れながら、それが、さらに幼く無垢なものへと変わりつつある。
「ん、んあ……あ、あ、あぁん、いやぁ! いやぁあん!」
 溢れ出す涙を、悲鳴を、止めることができない。
「……ごめんね。こうでもしないと離れてもらえそうになかったから――でも、辛くはないよね?
気持ち良いよね? すぐに治してあげるから、もうちょっとだよ」
「やめてぇ、やめてくださぁい……いや…いやなのぉ。もう、いやぁ」
 言葉をかけるために龍鬼の『攻撃』が止み、おかげで少しだけ落ち着いた心は、ここぞとばかりに『お願い』する。だが――。
「うん…うん、でも――でもね? ほら、ほら、こんなに」
「あ…? あ、あっ……ん、んはぁ♪」
 龍鬼は、割れ目の内側、ピンクの粘膜を一気に舐めあげ、花びらを開くように舌を押し付けた。
 心の反応を確かめるためなのか、左右の花びらとその頂点に位置する蕾をくりかえし舐める。
「ほら、気持ち良いよね? こんなに、気持ち良いのに、口で治しちゃ駄目なのかな?」
「ふぅんっ、ん、んあ……あ、あ、やぁん」
 答えることができずに、ただ身体を震わせている心。
 はじめから答えを聞くつもりは無かったのか、はたまた、もう聞くまでも無いだろうと判断したのか、龍鬼はそのままさらなる『攻撃』に移る。
 むっちりと膨らんだ大陰唇に、唇を押し付ける。先程の、心の方からしがみ付いてきた体勢に近い。
 心の外性器は、大陰唇がかなりしっかりと発達しているため、普通の状態では『一本線』にしか見えず、見た目はまるで幼女のようだ。今は充血しているおかげで、その割れ目はわずかに綻び、桃色の秘肉が少しだけ顔をのぞかせている。
 龍鬼は『ふーふー』したときに見た、美しい『お花』の様子を思い浮かべつつ大陰唇を割り開いて、熱く潤んだ媚粘膜に口付ける。
 未発達でうすく小ぶりな小陰唇と、それに囲まれた粘膜をそっと擦りながら口を開き、ある程度まで開くと、こんどは逆に閉じていく。愛液でぬるつく媚肉を食むように、モゴモゴと何度も唇を蠢かせるうち、淫蜜と空気とが混ざり合って泡立ち、ぷちゅぷちゅとイヤラシイ音が響きはじめる。
 泡立った蜜を、ぢゅるぢゅると大きな音を立てて啜った。
「いやぁん……や、いやぁ」
 淫らな音に羞恥心を煽られたのか、心は両手で顔をおおって『イヤイヤ』をする。
「美味しいよ。心のここ、すごく美味しい」
 蜜に塗れた『お花』にかぶりつき、小さな花弁と蕾をいっしょに口中へ含むと、強めに吸引しながら、舌ではじくように舐めまわす。
「だめ……だめ、いやです…だめぇ」

(たべられちゃう? ボク…たつきに、たべられちゃうの?)

 押し付けた顔を揺するようにして、むしゃぶりついてくる龍鬼のようすに、心は、自分がこのまま本当に食べられてしまうのではないかと思いはじめる。
 いまの心は、すでに小学生どころか幼稚園児くらいにまで『戻って』しまっているのだ。龍鬼の行動も、彼が何を考えてこの行動をとっているのかも、その意味するところをほとんど理解できていない。ただ、この状況の始まりが、「ムズムズして、熱くて、頭がヘンになりそうで、このまま病気になって」しまうのではないかと不安で堪らなかった身体を、彼に治してもらうためであったことを覚えているだけだ。
「いや、いやいやぁ…たべちゃ、たべちゃだめぇ」
 逃れようとして身体をくねらせる心の『食べる』という言葉と、その言い様があまりにも可愛くて、龍鬼はついつい意地悪したくなってしまう。
「どうしようか? 美味しいから、食べちゃおうか? 食べちゃっていいかな? よし、食べちゃおう」
 花びらを唇ではさみ、モゴモゴと食んだり、舌を這わせたりを繰り返す。秘裂を何度も舐めあげて、溢れでた愛液を啜る。
「あ、あ…いやぁ! いや! いや! やめて、やめて……たべないでぇ」
 龍鬼の舌が、唇が、心のやわらかな『お花』と淫らに遊び戯れ、幼いこころには耐え難い羞恥と恐怖、それらに倍する快楽をもたらしていく。
「やっ、やぁ、ああぁ……んぁ、いや、や、いやぁあん!」
 くねくね踊っていた心の腰の動きが、ぴたりと止まる。
 目を見開いたまま身体を硬直させ、震える心。その『入り口』に、龍鬼の唇が押し付けられている。
 キスをするように――龍鬼の口と、心の『下の口』とが、まるで口付けでもしているかの如く、しっかりと重なりあっている。
「はっ…あはぁ、は、はぁあ、あ……ああ、あん、んん、ンンンン♪」
 龍鬼の唇がわずかに開き、舌が粘膜に触れ、探るように蠢く。
 肉のバリケード――柔軟な粘膜が盛り上がって胎内への入り口を塞いでおり、経血を排出するための小さな穴が開いている。
 心のそれは縦に裂けた形状をしていて、まさに『割れ目』だ。粘膜が少し奥まった位置にひっこんで、穴を中心にした歪なリング状に盛り上がっている。まわりが少し『抉れている』ような感じ――とでも表現すればよいだろうか。
 入念に舌で探ってみて、龍鬼は概ねこのように理解した。

{やっぱりこれが、これが処女膜…なんだろうか? 心は……まさか心が、誰かに『汚された』なんてことあるわけがない……だから、やっぱり心は処女のはずだ}

 昨日から今までずっと心の身体に触れ続け、隅々まで入念にチェックしているが、今一つ確証が持てない。
 龍鬼は一応、童貞ではないが、だからと言って経験が豊富とも言い難い。処女と寝た覚えもないので、どういった状態であれば処女といえるのかも分からない。
 もしかすると、これまでに相手した女のなかには、その時が初めてだった者もいたのかもしれないが、そんなことをいちいち確かめているわけもない。
 もとより彼は、心以外には愛情を抱かないし興味すら持っていないのだ。
 『心ではない誰か』との『行為』は、『仕事』の関係上のやむを得ない『処置』にすぎなかった。
 それは要するに仕事の一環であり、龍鬼にとっては、苦痛以外の何ものでもなかったのだ。

{少しは『勉強』しておくべきだったのかな……}

 今さらこんなことを思い悩んだところで意味などない――龍鬼は迷いを打ち消そうとする。

{もしも、仮に、たとえ心が処女でなくたって、それが何だ。心は心だ。何も変わらない!!}

 心は処女なのか否か――正直なところ気にならない訳がない。ましてや龍鬼にとっては、この世で唯一こころから愛する人のことなのだから、尚更だ。それでも、今、この場では判断できないし、判断すべきことでもないだろう。
 何よりもまず今やるべきは、心の『お願い』を聞いてあげること――『治して』あげることなのだ。
 気を取り直し、龍鬼は、心を愛することに意識を振り向ける。
 ふたたび柔らかな粘膜を、舌先で探る。表面の盛り上がったカタチを確かめるように、さらに念入りに。
「あっ、あっ…あんん、ん、んふ、んふぅ……んん、ンンンンン! ンンンン♪」
 びくびくと全身を震わせて、心は悲鳴を噛み殺している。
 やはり『ココ』は相当に『感じる』らしい。見たところでは、クリトリスとほぼ同じくらい敏感に反応している。
 それに、この粘膜の『バリケード』は、とても柔軟だ。『こなれている』とでも言おうか、舌であればほぼ間違いなく、痛がらせも傷つけもしないで胎内を探ることが可能であるのを、龍鬼はすでに何度か試してわかっている。
 とはいえ、それはほんの少しの深さ、せいぜい2cm程度だ。それ以上は急激に細くなっていて、舌をいくら窄めても先へは進めなかった。
 龍鬼は知らない。
 正真正銘の処女でありながら、心の『秘所』が何故このように柔軟で『こなれて』いるのか、その理由を。
 それが、心に対して、二人の姉――恋と愛によって、さらには主治医である玲那によって行われてきた、女の子として人生を『楽しむ』ための『教育』の賜物だということを、龍鬼は知らない。

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