「ジロー起きろよ!おい!」
「…うるさいなー…何だよー…」
「外見ろよすげーぞ!雪!!」
「うっそマジ!?」
「マジマジ!」
「わーすっげぇ!…白ッ!!」
「…はー…仰山積もったなぁ」
「かまくら作ろう、かまくら!」
「いいなそれ乗った!侑士も行こうぜ!」
「や、俺は遠慮しとくわ」
『なんで!?』
「俺あんま雪好きやないもん」
「なんでさー?」
「やって寒いし冷たいし。滑るし。電車止まったりするし。ええ事ないやん」
「夢のねぇ事言うなよ侑士ー」
「うっさいわ。現実あっての夢やろが」
「しかも寒い、とか言ってじじくせー」
「しゃあないやろ、俺寒いのあかんねん」
「夏は暑いのダメとか言ってた癖に」
「ひよわなだけじゃん」
「失礼なやっちゃな、繊細て言えや」
「まーいいや!子供の心を忘れたハゲの侑士なんかほっといて行こうぜジロー!」
「おいこら!ハゲとか言うな!!」
「侑士んちのじいちゃんハゲだもんな」
「あーじゃあオシタリもハゲるね」
「決め付けんな!おかんの方のじいちゃんはフサフサやし!」
「もーいいよ、岳人行こー!」
「そうだった!かまくらが呼んでるからじゃーな、ハゲの侑士!」
「ハゲー!」
「しつっこいわ!自分らがハゲろ!アホ――!!」
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