『緋色の糸』
『蛮ちゃん…』
『あ?』
『紅い糸って信じる?』
『はぁ?何言って?』
バシィィィ!
言い終わると同時に蛮の体に電流が流される。
『銀…』
蛮の意識が真っ白に染まった
「・・・ん?」
「気付いたか?」
暗い部屋の中、自分を覗き込む大好きな金色の髪。
でも、いつのも彼とは違う銀色の瞳。
「て・・め・・雷帝?」
チカチカする意識の中、雷帝が不敵に笑う。
「久しぶりだな…蛮…」
「いつからだ?」
「あ?」
「いつから銀次と入れ替わっていた?」
最後に意識を失ったのは、確か体に電流を流された時…普段の銀次なら絶対にしない事。
「そんな事より…自分の状況をちゃんと把握した方がいいんじゃねーの?」
「!?」
そこで、初めて自分の姿に…状況に気付く。
上着を引っ掛けた状態で下は何も履いていない。
両腕に紅い糸が絡みつき、ベッドにくくりつけられている。完璧に、その腕の動きを封じている。
首、足、腰…体のすべてに紅い糸が絡み付いている。
「な・・・」
「白い肌に良く映えるな…」
「っく!この変態サディストが…離しやがれ!」
体を起こそうと力を入れるが、先程流された電撃のせいか、体がうまく動かない。
「久々に会えたんだ…味あわせろよ…お前の体を」
「っつっく・・・」
深いキスをされ、蛮の体が跳ねる。
「っつ・・・」
ガリ…
「っ…」
蛮が雷帝の唇に噛み付いた。
雷帝の唇から血が滲む…。
「…っち…」
「なめんなよ…」
睨みつける蛮を見て、雷帝が満足そうに笑む。
「それこそ、俺が惚れた美堂 蛮だ・・・」
「…あ!」
両足を高々と持ち上げられ、蛮が声を上げる。
「や・・やめ・・」
「いい声聞かせろよ…蛮…」
「あぁ!っつ…」
蛮自身に舌を這わせ、ゆっくりと口内に収める。
「ち…っくしょ・・・ひぁ・・ああん・・・」
我慢しようとするが、絶えず出てくる自らの喘ぎ声に吐き気がする。
じゅ・・・ちゅく・・・
下腹部から濡れた音が蛮の体を煽っていく。
「いや・・め・・ろ・・銀・・・」
「イイくせに・・もうこんなんじゃねーか?」
「う・・ぁ・・ぁ」
蛮自身から口を離し、指で愛撫してやると、たまらずに声をあげる。
体の中に熱がたまる・・・
解放を求めてしまう・・・
「イきたい?」
優しい声で聞くと、蛮の目がギラリと光った。
「だ・・れが・・うぁ・・あ・・」
その言葉に面白そうにさらに追い込もうと蛮をゆるゆると愛撫する。
「他の場所も味あわせろよ・・」
「んぁぁぁ!!」
手の中で蛮を弄びながら胸の果実を齧る。
「い・・ってぇ・・」
「フン・・」
噛み付いた事で赤くなった胸を今度は優しく舐めまわす。
「あ・・あぁ・・・っつ・・っく」
「我慢するなよ・・・聞かせろよ・・もっと・・お前の声を・・」
「ふ・・っく・・」
体中を貪られ、所々に赤い印をつけていく。
吸われる度に蛮の体が跳ねた。
「お前の体は本当に感じやすいよな?」
片手の蛮は硬く張り詰め、涙を流しつづけている。
あれからじれったい愛撫を続けられた。
蛮はイかせてもらえず、快楽に身を沈め、目は空を泳いでいる。
もうすでに・・声は枯れはて、喉はカラカラだった・・。
「イかせてやろうか?」
蛮から懇願させるような質問に、力なく首を横に振る。
「そういう強情なところは・・男を煽るだけだぜ?」
そっと、蛮の蕾に手を伸ばしゆっくりと中に差し込む。
「っつ!!」
ビクンと体が跳ねた。
そのまま指を進め、内部のわずかな膨らみを探りあてグリグリと責めた。
「ひぁぁぁ・・あ・・ぁぁ・・」
「ココ・・いいんだろ?」
「うぁ・・ぁぁ・・・・」
喉を仰け反らせ体を振るわせる蛮から次の瞬間指を引き抜いた。
「あ・・・」
「名残惜しそうじゃないか?」
濡れた指をペロリと舐め笑う雷帝。
蛮が見ていられなくその瞳をグッと閉じる。
「・・・・・・そんなに『俺』が嫌か?」
「な・・」
「お前は・・・・『俺』より『あいつ』がいいんだろ?」
もう一人の・・・あいつが・・・・・
「ら・・い・・・」
蛮が言葉を紡ごうと声を出すと、それを許さないとでも言うかのように、首に巻きついた糸をひっぱる。
「俺でイクのが嫌なら別の物でイクか?」
「ら・・い・・て・・うぁ!!」
突如として、不快な刺激が蛮の下腹部を攻める。
「な・・に?」
「コレでイけよ・・」
「うぁ・・・ぁぁぁぁあ!!」
蛮の内部に埋め込まれたローターが、音を立て振動する。
「あ・・ぁぁ・・い・・あ!いや・・・だ・・・ぁ・・」
「どうして?俺でイクのが嫌ならコレしかないだろ?」
その瞳いっぱいに涙を溜め、冷たい人の体温の欠片もないその振動に耐える。
「あぁ・・・"ココ"じゃないよな?お前のイイ所は?」
「ひぁぁん・・・ふぁ・・ぁあ・・あ・・あ」
蛮の内部に指を這わせ、蛮のイイ所に当たるようにローターを動かす。
「あ・・あ・・や・ぁ・・も・・・・うぁぁぁぁぁ!!」
白い喉を反らせ、蛮が悲鳴を上げると同時に、パンパンに膨らんだ欲が弾けた。
「ん・・ん・・」
ドクン・・ドクンと何度かに分けて吐き出される欲にあわせて蛮の体が痙攣する。
喉に緋色の糸が食い込み・・・汗と体液で濡れた体に糸がへばりつく。
「やっとイけたな?」
クスクスと冷たい笑みを浮かべる雷帝を蛮の瞳が見据える。
その瞳から一筋涙が零れた。
「どうした?嬉しいのか?」
その涙を熱い舌で舐め取る。
「お・・れは・・」
「?」
蛮が掠れた声をあげる。
「ど・・ちか・・なんて・・えら・・んだ・・おぼえ・・・ねぇ・・・・・」
「蛮・・・」
「ど・・ち・・も・・・・お前・・・じゃ・・・ねーか・・・・な・・んで・・・き・・づか・・ねぇんだよ!」
ガクッと蛮の体から力が抜ける。
雷帝が蛮の体を支えてやると、蛮は息を整えるかのように荒い呼吸を繰り返した。
「蛮・・・」
「・・・・」
「蛮・・・」
「・・・・・・」
「ば・・・ん・・」
逃げようとすれば・・・逃げれたはずだ・・・・・
握力200Kgの怪力を持つお前ならば・・・
どうして・・気付けなかったのか・・・
蛮は・・こいつは・・最初から・・・・・・『俺達』を見ていてくれていた事に・・・・
「蛮・・・・すまな・・い・・」
「も・・こいよ・・」
「・・あぁ・・」
柔らかい笑みを浮かべる女神に覆い被さる。
ゆっくりと、その内部に身を進めていった。
「んっ・・・」
「力・・抜けよ?」
「あ・・・っくぅ・・」
散々慣らされたというのに、やはりその内部は狭く、猛った雷帝自身を締め付ける。
「ふぅ・・・・ん・・」
「っく・・・」
温かい内部にすべて収めると、蛮の口から熱い吐息が漏れる。
「動くぞ・・」
「あ・・あぁ・・」
慣らすようにゆるゆると動きを進めると、蛮の腰が合わせるように揺れた。
「あ・・あぁ・・んん・・・ふぅ・・・」
先程、機械でイかされたのとは違う声が上がる。
明らかに、快感を帯びた声に、雷帝も熱くなる。
「あ・・ぁ・・もっと・・・つ・・よく・・」
「あぁ・・」
「ひぁぁぁぁ!」
蛮からの要望を聞き入れ、強く内部をかき回してやる。
「あ・・あぁ・・あ・っつ・・ひぁ・・・」
「蛮・・・・」
「も・・だめ・・・あ・・ん」
「一緒に・・・一緒に・・」
「あぁ・・んん・・っつ・・あぁぁぁぁ!!」
「−−−−−っつ」
二人が同時に達し、蛮の意識が闇へと落ちていった。
「ん・・・・」
蛮が目覚めると、部屋はまだ暗く、目の前にはその闇にも負けない金色の髪があった。
「・・・・?」
”あぁ・・そうか・・・”
何があったかを理解する。
今は『銀次』なのか『雷帝』なのか定かではないその金色の髪を撫でると、自分の小指に何かがついているのを見つけた。
「紅い・・・糸?」
先程、蛮の体中に巻きついていた糸の一つなのだろう。
その紅い糸の先を辿っていくと、着いたのは彼の小指・・・。
「・・・・・・馬鹿・・」
苦笑いをする。
「・・・ん・・」
「!!」
彼が目を覚ます。
完全には覚醒しておらず、半ば開かれた瞳で蛮を見上げた。
「・・・これは、お前が?」
「ん・・・・居なくなると・・・困るから・・」
「あ?」
「お前が・・居なくなったら・・・俺も・・あいつも・・こわれ・・・ちまう・・」
「・・・・・」
「す・・きだ・・すまなか・・・た・・・」
再び、彼が眠りについた。
「・・・っぷ・・」
蛮が小さく吹き出した。
「こーんなガタイのいい体して・・こんな小さな結び目かよ?」
ゆっくりと、その大好きな金色の髪を撫で上げる。
「”運命の紅い糸”なんて・・ガキじゃあるまいし・・・」
クスクスと笑う蛮。
しかし、その頬には一筋の涙が流れていた。
”お前が居なくなったら、俺もあいつも壊れちまう・・・"
ばーか・・そりゃ、俺のセリフだよ・・・・・
愛している・・・
好きだよ・・・・
お前のすべてが・・・・・
だから・・・俺の前から消えるなよ?
生を継続させない行為・・・
そこに確かな物は何一つなく、ただただ・・夜が明けるのを一つになりながら待つ・・・・
何も残らない行為は、寂しさをも感じさせる・・・
残したいのだ・・・何かを・・・・
消したいのだ・・・胸に宿る不安を・・・・
繋ぎとめるように、細い糸に絡め取られた互いの左手・・・
願うように・・祈るように・・・心の臓に続く互いの手を紅い糸が優しく絡め取る・・・・
それでも、この気持ちだけは本物・・・
互いを愛しているこの気持ちだけは・・・・
漆黒の髪を揺らし、ゆっくりと日向の匂いのする男の胸に頭を預けた。
美しいバイオレットの瞳がゆっくりと閉じられる・・・。
やがて穏やかな寝息が聞こえてきた。
一瞬の永遠を夢見て・・・・今日も、朝を迎える。
コメント
信貴 怜さんとの夫婦共同企画!『縛りエロ!』りっちゃんが担当したのは『雷帝×蛮の鬼畜エロ』
鬼畜に・・・なってる?(笑)愛しの妻に満足して頂けたかどうか・・・(T_T)ドキドキ
でも、楽しかったよ♪私の我侭聞いてくれてありがとね♪
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