《あとがき》
たまにはあとがきなどもつけてみようかと。
最後のページに書きましたように、この作品はキリ番のリクエストにより生まれました。
キリ番リクエストについては、こなしていく自信がなかったのでとりたててサイト上では明記してこなかったのですが、せっかく1000番をご報告してくださった方がいたので。
(次は5000番くらいに限定しておきましょうかね)
で、「この中で書きやすいものを」といくつかのお題をあずかっていたのですが、その中の一つの
安土桃山時代の日本。長崎のコレジオやセミナリオで
日本語の辞書編纂や西洋の物語の日本語訳を作っていた
南蛮人宣教師の話
……というリクエストからプロットを練り始め、いつのまにやらその手前に書いてあった
「衝立の乙女」の少年編
衝立に書かれた美少年に恋してしまった書生の話。
この少年が寺の稚児の図だったりするとなお好み。
も混じってきて気づけばこんな具合になっていました。
ちなみに最初、日本史に疎い私は「寺の稚児」を一休さんばりの小坊主かと思っており、
「漠さんはマルコメが好きなのか」と思っていました(すみません)。
また中心になっているのはキリスト教ネタなのですが、今回はタイトルのようにマグダラのマリアのイメージを追いかけてみました。
ストーリー中にもありますように、彼女は処女でキリストを生んだとされる聖母マリアとは対照的に、娼婦として生きてきた女性でした。しかし、イエス・キリストに出会って改心して、女性たちの中では特にキリストに愛される(男女の仲という意味ではなく)人になるわけです。
聖書の中に、「マグダラのマリアがキリストの足に香油を塗り、それを自分の髪で拭いた」というエピソードがあるため、絵画の世界では香油の壷が彼女の代表的なシンボルになっています。
話の都合上、だいぶ極端なフィルターをかけていますので、「神学的に間違っている」と言われてもかなり困ります。見逃してやってください。
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