2001年1月8日

 りなは神妙な顔で大司氏の前に両膝立ちになる。
 彼女は頭から白いベールを被っているだけで、それ以外は全く身につけない全裸の姿である。胸に両手のひらを組んで、まるで目の前にある大司氏のペニスに祈っているかのようにも見える。その彼女の姿に、鮮やかな紅を帯びた薔薇の刺青が花を添える。ささやかでエロチックな花嫁のブーケ。
 りな同様に裸の大司氏は、彼女の頭を優しく愛おしく撫で回す。
「……幸せか?」ぽつりと大司氏は問いかける。「こんな結婚式で、幸せか?」
 静かにこくりとうなづくりな。それから彼女は上目遣いで大司氏の顔を仰ぎ見る。
 彼女の瞳は磨かれた宝石のように少しの曇りもなく澄んでいる。目もとも穏やかにほころんで、大司氏の心すらなごませる。
 そう、これこそ大司氏が望み欲していた女の姿なのだ。りなは見事に大司氏の望んだとおりになってくれたのだ。
 おととい、外に放り出していたのを屋敷に入れて一緒に風呂に入った時、りなは冷えきった裸体で大司氏の胸元に飛びついてこう言った。
「暖めてください。……私を……ずっとずっと暖めていて下さい」
 そう言われた時、大司氏は彼女が自分の愛を求めていることに初めて気付いた。自分達はお互いかけがえのない存在になったわけだ。
 大司氏はりなの体のすみずみをていねいに洗ってやった。髪の毛、首、手、脚はもちろんのこと、尻の谷間や恥裂のすみずみまで。りなはくすぐったそうな声を漏らしながら、大司氏の首に腕を回して抱き着き、何度も何度もお礼のキスをした。
 すっかりりなは大司氏の事が好きになっていたのだ。
 確心を得た大司氏は、思いきって彼女に切り出した。
 それが今日の結婚式。二人だけの質素な結婚式。
 お互いの肌が触れあう、幸せな結婚式。
「私、一生大司さんの『種付けアイドル』になります」
 りなは屹立する大司氏のペニスに頬擦りしながら誓いの言葉を口にした。
「だから、もっとたくさん大司さんのスペルマが欲しいですぅ」
 甘えた口はペニスに吸い付いて、喉の奥深くまで愛おしく飲み込んだ。

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