09淫汁濡れの花嫁
頭だけ見れば、まるでお姫様のようであった。この日の為に、美露のウェーブの髪は整えられ、水に濡れているかのように艶やかなジェルを塗り込められている。その髪をレースの白いベールと淡い色の花飾りでデコレーションして、端正な彼女の顔を一層輝かせた。
しかし、彼女はドレスを着ていない。ラメ入りの白いレースの手袋と小さなハートの模様の入った純白のニーソックスを着けている以外は、すっかり充血して尖ったピンク色の乳首や陰毛のない恥丘を覆うものは何一つない裸同然の姿だった。
美露の身体にはローションが塗られており、髪同様に濡れたような艶を持たせていた。彼女の身体のなだらかな凹凸や丸みが光の具合でさらに強調される。
「……箱に入ってたメモの通りにやってみたけど……似合ってる、かな?」
恥じらいを見せながら、美露は俊司にこの淫靡な「ウェディングドレス」の着こなしを評価してもらう。
「思ってた通りだよ。すごく似合ってる。でも……」
俊司は彼女を手招きして側に来させると、その手を腹のあたりに持っていく。
「やっぱり。ここのあたりが塗り込められてないね。ローション持ってきてごらん、やってあげるよ」
ローションを取りに振り返る美露の背中も、尻にかけてムラなくローションで潤んでいた。
箱からビンを取り出して俊司に手渡す。
彼は透明な中身を少しビンから出して手に取ると、それをさっき触ったあたりに塗り込めた。
「あっ」
「このお臍のあたり、しっかり塗らないと駄目だよ」
「う……ひっ、んぅんっ!」
ローションのまとわりついた彼の指先が、美露の臍に潜り込んで奥で動き回る。
「んあっ、うんんっ」
くすぐったいわけでもなくかゆいわけでもない、しかしなぜか体の奥にずんずんと響く微妙な感覚に美露が翻弄される。芋虫のように体をよじらせて喘ぐ。
本当は臍の中までローションを塗るつもりが、美露の喘ぐさまが面白くてついつい俊司はそのまま臍の中に指を入れ続けていた。
「あああ、やめてったらぁ、うあんっ」
ウェット感のある口紅を塗った唇が、彼女の涎で濡れそぼるのを見て、ようやく俊司は指を抜いた。
「ほおら、これで完成だよ。やっぱり美露さんは名前どおり、濡れている時が一番きれいだよ」
「嬉しい、すごく嬉しい……」
消え入りそうな小さな声で美露はうっすら白粉を塗った頬を赤らめながら言った。
「小さい時から、お嫁さんになって自分に似合うウェディングドレスを着るのが夢だったの。思っていたのより随分違うけど……でも凄く気にいったわ。ありがとう」
「それで、挙式なんだけど……」と美露は俊司の姿を見て一層顔を赤らめる。「やっぱりメモに書いてあったとおりにやるんだね」
「もちろん」
椅子から立ち上がった俊司の股間からそそり立つ肉茸は、すでにその先から透明な汁を滴らせている。
ローションに塗りたくられた彼女の肩を撫でて、彼は言った。
「じゃあ、しようか」
「はい……」
静かに、美露は俊司のそばに両膝をついて立つ。両手は胸の谷間の上に重ね、彼の顔を見上げる。
赤い唇を動かしはじめる。
「私、美露はいつも男の精液を身体に取り入れることしか考えていないインランな女です。いつも男のチンポのことを考えてはオマンコをヌルヌルにしています。でも、最近ヴァギナの中にくわえた俊司さんのチンポが頭から離れません。
こんなはしたない牝ですが、これからも俊司さんのそばで妻として奉仕していきたいです。俊司さんの精液でいっぱいの子宮に誓って、一生この愛を俊司さんに捧げます」
美露に言うに恥ずかしい言葉を言わせて俊司の肉茸は感極まったようにビクっと上下に揺れる。それが、彼女の顔に当たる。
当たった亀頭に、美露は舌先を伸ばす。
あつくたぎった肉茸のかさが舌の上にずっしりとした質感を伴って乗りかかると、美露を腰を浮かしてそれをくわえにかかった。
「ふ、んむっ……ぐむっ、んんっ」
口角から唾液を漏らして、美露は俊司の肉茸を喉の奥深くまでくわえこんでは吐き出しをくり返す。だんだんとそれは早く激しくなり、いつしか逆ピストン運動となっていた。
乳を前後に揺らし、尻もまた前後に揺すって、髪を振り乱し健気にフェラチオに励む美露の頭を両手で撫で回す俊司。その彼の手に呼応するように、口の中の美露の舌が、彼の裏筋をたどたどしく舐め回す。
「んっ、んっ、んっ、んっ、んっ、……」
「ああ、凄くいい……いいよ美露さん……。あくぁ、い、イクよ、で、出る、飲んでほらっ、出るっ!」
美露の頭をぐっと自分の腰に押し付けて、陰嚢に溜まった精液を勢い良く口の中に放出した。
「ぐむうっ!」
一度目の射精は容赦なく彼女の喉に流れていく。むせ返りそうな精液の濃厚な匂いが、喉から鼻腔をくすぐる。
だが何とか舌を肉茸の先に絡ませて射精に備えると、流れ込んでくる精液を思いをこめて喉に流し込んでいく。
まずは、自分のため。まったりと舌に絡ませてしっかり味わってから喉に流し込む。
次は、子宮の中で育ちはじめたであろう子供の為に。俊司のことを伝えんばかりに、身体の奥に届くように力強く飲み込む。
あとは、俊司のために。最後まで精液を口の中に溜め込むと肉茸から唇を離し、舌と指を使って精液を転がして遊ぶと、口から少し精液を垂らしてごくりと音を立てて飲み込んだ。
「――んはぁ」
さわさわと自分の腹を撫で回しながら、美露は俊司の肉茸の裏筋に愛おしくキスをする。
「おいしかったかい?」
「うん、おいしかったよ。――もう、もう私のお口もすっかり俊司さんの虜になっちゃった」
また肉茸の筋にキスをする。萎みかけていた肉茸が再び元気を回復していくのが見て取れる。それを見て美露も脳の真ん中をくらくらさせるくらいの恍惚とした喜びを覚えた。
じゅんと潤ってさらに熱くなる性器の叫びが、彼女の思考の全て。
「ああ、もう……我慢できないぃ、俊司さん、して。思いきり私の子宮を突き回してっ。それで沢山の精液を注ぎ込んでっ。それからそれから……」
「まだ式は続いているんだよ。ほら、立って」
足をふらつかせながら頼りなげに立つ美露の肉襞はすっかり愛液で濡れそぼっていた。
ウエストのくびれに、俊司は金色のネックレスを着ける。臍の下に細い鎖で釣られた小さなハート型の金属板が美露の淫乱ぶりを示さんばかりに小さくせわしく揺れる。
「結婚指輪よりこっちのほうがいいかなと思って。良く似合ってるじゃない。さ、僕の首にも着けて」
差し出されたネックレスを俊司の首に着けると、美露は感極まったのか目から涙を流す。
「これで私達、夫婦になっちゃったんだ。あれだけいやがってたのに、私。結局こんな……」
「いやなのかい?」
「ううん、本当のところ私、これを望んでいたのかもしれない……」
「アソコがウルウルするくらいの、幸せな結婚を?」
美露の尻から手を回してその指先で潤み切った肉襞をつつきながら、俊司は大きな自分の肉茸を彼女の腹に押し付ける。
「ああ、いや……でも、そう。そう! 私、私これが幸せっ!」
俊司の腰に手を回して身体をすりつけて抱き締める美露。肉茸も彼女の柔らかい肌に抱かれて
その熱くたぎる硬い肉茎を沈めていく。
「前のヨシくんにもこれをしてほしかったのかもしれない……。私のやらしい裸が二度と忘れないくらいに、この熱いオチンチンで突き回してほしかったのかもしれない」
そう言った後で、美露は俊司の身体にまんべんなく頬擦りしていくかのように、彼を抱いたままゆっくりと腰を落とす。
頬に彼の肉茸が当たると、飢えた犬が餌にありつくかのようにキスの雨を浴びせる。
「ああ、オチンチン、オチンチン熱い。欲しいよぉ、俊司さんはやくこれちょうだいっ!」
たまりかねたようにねだると、彼の返事を待たずに美露は肉茸をくわえこんで、汁粘る音をしきりに立ててねちっこいフェラチオを始めた。
レースのカーテンにぼかされた白く淡い日光が、二人を暖かく包み込む。
床に長座する俊司の上体を両腕と両膝で固く抱き締めながら、美露は必死に腰を上下に振り立てる。波打つ臀肉が、子宮を穿つ魅惑的な衝撃を代弁している。
「ふっん、うんっ、んんっ! ……すごいぃ、いいっ、いいっ」
ヴァギナ全体で優しく肉茸を包み込みながら、身体をよじらせて鳴く美露。
俊司も、大きなぬいぐるみを貰った子供のように彼女を両腕に抱き締めていた。
(俺の、嫁)
くぐもった薔薇の香りを美露の髪から嗅ぎとりながら、すっかり自分のものになった美露の身体の火照りを感じ取っていた。
(美露さん、僕の嫁になったんだ。こんなに僕のことを求めてる)
それが嬉しくてしょうがなかった。抱き締める腕にさらに力を入れて彼女の身体を引き寄せる。やわらかい乳肉の中に熱く尖る彼女の乳首を感じ取ると、俊司は堪え切れなくなって腰を動かす。
「あ、あああっ、つんつんいいっ! もっとつんつんしてっ!」
「うん、うん、いくらでもつんつんしてあげるよ。それで、いっぱい精液中に入れてあげるからね」
「ふああああぁっ、熱いの、熱いのほしいっ、たくさん熱いのちょうだいっ」
「沢山出すよ、出すよぉっ! 嬉しいの?」
「うんっ、うれしいよぉおおっ!」
俊司の頭に腕を回して抱き締める美露。それが彼には、本当の「お母さん」に愛を込めて抱かれているような気分になった。少なくともチンポ好きの淫乱娘の浅はかな抱き着きとは明らかに違うと、俊司は思った。
(今、一番美露さんのことが好きだ)
人より魅力ある部分がこれといってない自分をこんなに抱き締めてくれて、スペルマを求めてくる愛しい人。
ちゅうちゅうと音を立てて乳首をしゃぶる俊司に、快楽にうわついた彼女の声がささやく。
「はぁはぁ……濃ゆい精液で妊娠するって考えただけで、おっぱいも熱くなっちゃうのぉ! ふううううううんっ! 俊司さん、俊司さんのオチンチンみたいに、私もおっぱいぴゅるぴゅる出してみたいっ」
(あぁあ、この人すごく妊娠したがってる!)
それがひどく嬉しくてたまらない。
(美露さんにちゃんと答えなくっちゃ。美露さんが僕好みになってくれたんなら、僕も彼女のしてほしいことをかなえてあげなくちゃ――)
「あああ、イクっ、イクよ美露さんっ! 熱いの一杯だしてあげるぅう!」
腰をくねらせて激しいグラインドをして見せながら俊司は熱っぽく叫んだ。
「出すの? ああ、出して出して出してぇっ! それで私イクのぉお!」
「ふぐううううっ――!」
子宮の壁を強く撃つ射精。美露をさらに満たしてやろうとする俊司の肉茸は、次から次に精液を放つ。
二人のいまわの叫びは一つになり、妖しく絡まりながら淡い光の中にシンクロしていく。
「私、がんばるね」
俊司にマングリ返しのポーズをとらされた美露が、精液を滴らせた自分の肉唇を手袋をはめた手指で広げながらそう言った。
「すごくお腹が熱いよ……。俊司さんのせいだよ。私のアソコこんなにエッチにしちゃって」
自分の陰唇を愛おしく眺めながら夢見心地に話す彼女の声は、おのろけ話をする普通の花嫁そのものである。
いくら変態的な格好をしていても、どれだけアブノーマルなセックスプレイをしていても、美露はやはり普通の女性なんだと、改めて俊司は思った。彼女はただ、形こそ違いけれ、自分同様に愛に飢えていただけだったのだ。
そう考えると俊司は、マングリ返しの体位で恍惚とした表情を浮かべた濡れた身体の花嫁がとても愛おしくなる。
「プレゼントはまだあるんだよ」
優しく彼女の尻を撫でながら、俊司は美露にそのプレゼントを見せる。
白く太いバイブであった。張った筋から浮き出た太い血管、大きく開いたカリのエラや官能的な鈴口の形まで、極限まで勃起した男根の形を詳細に再現していた。
「すごいだろ。これねぇ、実は絶好調の時の僕のチンポから型どったんだよ。きっと美露さんも気にいると思う」
と俊司が嘘を言っても美露が疑い一つなく信じてしまうくらいリアルにできている。
「ああ、すごい。入れてくれるの? 早く入れて……」
淡く色付けた甘ったるい声でねだる美露。しかし俊司は、バイブの尻のスイッチ部に二、三の鈴を結び付けたテグスを固く結び着けてこう答えた。
「これは美露さんだけの玩具じゃないんだよ。これで遊ぶ時はお腹の赤ちゃんを喜ばさないといけないんだよ。これを入れた時はひとりアヘアヘ言ってないで、ちゃんと赤ちゃんに話し掛けてあげるんだよ」
白いバイブが、濡れそぼった美露の肉襞をよりわけて、奥へ奥へと入っていく。
奥まで入った時には、美露は身悶えんばかりに心地よい表情を浮かべてはぁはぁと喘ぐ。
「ほら、ちゃんと赤ちゃんに教えてあげないと。おもちゃ、どこに入ってるの? 美露ママ何して遊ぶの? 赤ちゃんにちゃんとそのこと言わないと、バイブのスイッチ入れてあげないよ」
「あああぁ……、ママ、ママ今からアソコに入れたバイブでエッチなことして遊ぶのぉ! 鈴チリンチリンいわせて遊ぶのっ! 一緒に……一緒に遊ぼうね」
俊司に言われたわけでもないのに、美露はふるふると腰を揺すり始めた。バイブから垂れた鈴がチリンチリンと澄んだ音を立てて鳴りながら、ときおり彼女の臍の下に当たる。
自分の陰部を下から眺める美露にその光景はあまりにいやらしすぎた。
「すごいよ……ママったらこんなにすごい……エッチすぎるぅ!」
丸見えの尻の穴をヒクヒクとひきつらせながら、すっかり美露は尻を振るのに一生懸命になっている。
ようやく俊司がバイブのスイッチを入れてやった。
「ほあああああぁっ! ああいい、あああぁ!」
俊司の肉茸を型どったというバイブが小刻みに震えはじめると、美露は声をひるがえらせて喘ぐ。しかし鈴を鳴らすために腰を振るのだけは忘れない。
「うああぁ、ママ……あかたん……ママ、ママ、ああイキそう、イキ――イクっ、イクっ。イックうううううぅ!」
ひっくり返した尻をビクビクンッと前後に揺さぶると、そのまま彼女の身体から力が失せたようにぐったりとなった。
白いバイブをくわえこんだ濡れそぼった美露の肉唇は、ぴくぴくとヒクつきながら窓からの光に照らされて輝いている。それを見た俊司は先ほどのセックスの感触を思い出す。
(ほんとうに美露さん、濡れている時がきれいだ……)
彼の肉茸が再び立ち上がる。根元で再び沸き立ち始めた愛欲のマグマを、彼女の中に注ぎ込みたくなった。
さあ、バイブを抜こう。代わりに自分の肉茸で突き回して、永遠のプレゼントを注ぎ込んであげよう。
美露の陰唇に俊司の手がのびる。 |