サモンナイト3“剣製の魔術師”第十話
呆然としながら、船に戻った俺達は昼食を食べながら、スカーレル達に話す。
「一目で、職業などがわかるなんて、さすがは占い師ですね、・・・何者なんでしょう?」
っとヤードさん。
さあ・・・解りません。
少なくとも、”普通の術師”じゃないな。
魔術師かはともかく、ハッキリ言って魔力保有量は、ぱっと見、遠坂より上だ。
オマケに底が見えない・・・。
それに・・・・
「あら?新しい服ですわね?」
とベルちゃんが、俺の持っていた紺碧色の服と外套を見る。
「そう言えば、シロウさん、その服しか持っていませんでしたね・・・。」
とリゼちゃんが興味深く、服を眺めながら俺に言った。
確かに
「早速、着替えてきなさいな。
その服もいい加減、擦り切れてしまいますわよ。」
と俺に、着替える事を薦めるベルちゃん。
そうだな、気にはなるが・・・。
服には罪は無いからな・・・。
「じゃあ、着替えてくるよ。」
俺は自分の部屋に帰り、メイメイさんがくれた服に着替える。
ズボンを穿き、ベルトを締める。上着を着る。
皮製だと思うが、非常に軽いブーツを履き(これもセット)その上からレッグガードを付ける。(これも軽いな)
左腕にはアームガーダーを着け右腕は腕輪を付ける。
その上に外套を羽織り、で完了っと。
・・・・まさしく、アーチャーの逆で”青尽くめ”だ・・・。
で、皆の所に戻る。
「おお、似合うじゃねえか。」
とカイルさん。
そうですか?
こんな格好、初めてだからなあ。
「本当、お似合いですわよ。」
「はい、かっこいいです。」
とベルちゃんと、リゼちゃん。
「そうですね、動きやすそうですし。」
とアティさん。
「後は、髪とかの身だしなみできれば、バッチリね。」
・・・・何が、バッチリなんだ?スカーレル・・・。
「これで、急いで乾かす必要もなくなりましたね。」
とヤードさん。
「・・・・・、良いな・・・。」
ん?ソノラちゃん?
「ん〜ん!何でもない。
それより兄貴、その店には銃は売ってたの?」
銃?
「そうよ、ソノラは銃の名手なの。
でもこの前、ソノラの銃は海におっこどしてしまってね。」
とスカーレル
へええ。
「いやぁ、流石に其処までは・・・。」
と引きながらも、答えるカイルさん。
「あーー!あたしに銃を撃たせる!!」
それじゃ、危ない人だよ、ソノラちゃん。
で解散。
アティさんとベルちゃん達は、授業があるからと言って分かれた。
カイルさんは、船首部分の修理をするために移動。
へえ・・・。
「魔力自体も結構高いので、キチンと手順を踏めば貴方も使えますよ。」
なるほど。
そして、40分ほど教えてもらう。
そして、俺は船外に出た。
「キゥピー♪」
「ひええええ!!」
ん?何だ?
変な悲鳴が、上がった所に言ってみる。
そこには、リゼちゃんの召還獣の・・・たしか「キユピー」が30センチ位の「妖精」?を追っかけてる。
「なんで、マルルゥを追っかけるですか??」
逃げ回っている、妖精さん。
楽しそうに追っかけてるキユピー。
逃げてるから、追っかけるのでは?
しかし、迷惑してるようだな、止めよう。
「こら、キユピー、妖精さんが困ってるじゃないか!」
そう俺が、言うとキユピーが大人しくなる。
どうやら反省してくれたようだな・・・。
「うう、助かったですよぉ。」
と妖精さん。
「で、貴方は?」
と質問してみる。
「あ、始めまして、マルルゥと言うです。」
と挨拶をするマルルゥちゃん。
「あ、俺は衛宮士郎、よろしく。」
「よろしくです、で、あのですねー、ここに、先生さんって人がいるですか?」
先生さん?
・・・アティさんかな?
「ああ、いるよ。」
「じゃあ、先生さんの所に案内してください、青服さん。」
・・・・おい。
思わずうなだれてしまった・・・。
”青服さん”・・・・。
「その青服さん、は辞めてくれないかな?」
と言うと。
「でもマルルゥ、名前覚えるの苦手なんですよ。
青い服着てるんで“青服さん”で良いですよね。」
決定、青服さん!!
シクシク(泣)
俺は泣きながら、マルルゥをアティさんの部屋に案内した。
(続く)
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