サモンナイト3“剣製の魔術師”第十八話
例の一件の後、カイルさん達は積極的に、島の住人と交流をしだしている。
ただ気になるのは、ベルちゃんとリゼちゃん姉妹だ。
アティさんとギクシャクした感じが、続いている。
これには俺も参った・・・。
なんせ、この件は、彼女達が何とかしないといけない問題だ・・・。
まあ、潤滑油として立ち回るのが精一杯か。
俺は、その件で頭を悩ませながらも、昼は「風雷の郷」に行き、キュウマさんと剣の稽古をしたり。
あるいは「狭間の領域」に行ってファルゼンさん(ファリエルさんの事は秘密)と話したり、剣の稽古をしたり(誰も居ない時はファリエルさんの姿で稽古をする。ファリエルさん曰く「ファルゼンさんの姿の時と、本来の姿の時では戦い方が違うので、両方のタイプと稽古できてお得ですよ。」だそうだ。)
後はヤードさんの所に行き、召喚術の勉強。
遠坂とイリヤでの、半年間のスパルタ授業が良かった所為か、召喚術を発動できる集中力は申し分ないとの事。
お陰で、何とか初歩の召喚術を使用できるようになった。
特に、俺の属性が”剣”の所為か、シャインセイバー、ダークブリンガーは使いやすかった。
しかし、一回の召喚に使う魔力がべらぼうに高かった・・。
何せ、シャインセイバーを発動させるだけで、コストが50も消費するからな・・・。
因みに”干将・莫耶”を投影するコストは5・・・・。
10倍も違う!?
無論、この半年で全ての魔術回路を開け、魔力を蓄積する訓練を積んだので、現在の俺の魔力保有量は、200近い(それでも遠坂の保有量の4分の1程度だけどな・・・)
・・・それでも3発使ったら打ち止め・・・。
燃費が悪いなあっと思っていたら。
1回の戦闘後、直に魔力が回復するから問題無いそうだ・・・。
は!?
ヤードさんの説明から察するに、この「リィンバウム」は俺達の世界よりマナの濃度が濃いらしい。
・・・なるほど、っと言う事は・・・・。
”アンリミテッド・ブレードワークス”(無限の剣製)を発動できるかもしれないな・・・。
召喚術の使い方の後、この召喚術を生み出す「制約の儀式」も教わったんだけど・・・。
「・・・・・。」
「・・・・・。」
「何ですか?・・・・これは?」
渋い声のヤードさん。
・・・確か俺は、回復の小天使「ピコリット」を誓約するはずだったんだけど・・・。
そう、俺は、ヤードさんの言うとおり「誓約の儀式」を行った。
で、出て来たのは・・・・。
”ピチピチ”
何故に魚!?
しかも、何か足がついてるし・・・(汗)
「・・・「制約の儀式」は、シロウさんはまだしない方が良いですね・・・。」
はい・・・、そうします。
こんな感じで、数日は勉強にいそしんだ。
そして、例の一件から10日ほどたった朝。
「・・・・!!!」
朝の稽古が終わり(カイルさんとの格闘訓練)朝食を摂り終えた後どうしようかと思ったとき、隣の部屋から叫び声が聞こえてきた。
・・・この声は・・・ベルちゃん?
「貴女は、何より私達の家庭教師として雇われている身です!
まず第一に私達に教える事が大事でしょう!?」
「・・・忙しいことは判っています。
ですけど先生は私達の先生でしょう!?
教えてください!!」
!?大人しいリゼちゃんまで、叫んでいる。
「・・・ごめんなさい、私一寸好い気になっていたようです。」
その姉妹の叫びに、答えるアティさん。
すごいな・・・、キチンと謝っている。
「じゃあ、早速ですけど、授業をしましょう!」
・・・どうやら、仲直りできそうだな・・・。
俺は、このアティさんの声を聞いた後、外套を着けて、外に出た。
続く
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