サモンナイト3“剣製の魔術師”第二十五


護人の3人にソノラの銃器販売許可を頼んでから2日後、なにやらアティさんが忙しそうにしているのを見かける。

「如何したんです?」

と尋ねてみると。

「実はミスミ様に、スバル君たちに勉強を教えて欲しいと頼まれまして。」

との返事。

しかし、教えるにしても教材が無いんじゃないですか?

「それが、メイメイさんに話してみた所、「メイメイさんにお任せ♪、にゃははは♪」とか言いながら、全部そろえてくれたんです。」

・・・・は?

全部って・・・、黒板とかも?

「はい。」

メイメイさんって・・・・。

「で、今日は初の授業なんです。」

むんっと、気合を入れながら喋るアティさん。

「そう言えばシロウさん、カイルさんから聞きましたか?」

一転して、俺に真面目な顔をして話しかけるアティさん。

「もしかして”結界”ですか?」

「はい。」

”結界”、カイルさんから聞いたんだが、ジャキーニ達に本当に島から出られなかったのか確認したそうだ。

答えはYES、まあ、カイルさん曰く「入れたんだから、出られる方法もあるはずだ。」との事。

確かに、現状(船の修理も完成していない)悩んでもしょうがないが、入ることはできて、出ることができないなんて・・・、アリ地獄みたいだな・・・、やっぱり何か作為を感じるのは、気のせいなんだろうか?

「では言ってきます!」

気合を入れなおして、船を出て行くアティさん。

それと

「じゃあ、行ってきますわねシロウ。」

「行ってまいります、シロウさん。」

アティさんの後を追うように出て行く、ベルちゃんとリゼちゃん。

二人とも、アティさんの授業受けるの?

「当たり前ですわ、先生は私達の家庭教師ですのよ。」

とベルちゃん。

じゃあ、初日だからトラブルが起るかもしれないけど、我慢するようにね。

「・・・極力、努力しますわ。」

「分かりました。」

っと言いながらベルちゃん、リゼりゃんは船を出て行った。

一寸心配だなあ・・・。

そう思いつつ、2時間ほどヤードさんが貸してくれた、召喚術の本を読む。

「シロウさん!!」

そこに船の外から、リゼちゃんの叫び声が聞こえる。

何かあったのか!?

急いで外に出ると、其処には涙を溜めたリゼちゃんが居る。

「どうしたんだ、リゼちゃん!?」

「ベル姉さまが・・・!!帝国軍に・・!!」

な!?ベルちゃんが捕まった!?

確か授業中じゃなかったのか!?

くそ!カイルさんたちは今メイメイさんの店に行っていて、動けるのは俺だけか!?

しょうがない!メイメイさんの店にはキユピーに行ってもらうとして、俺はリゼちゃんに案内してもらいながら一緒に走り始める。

「実は・・・。」

走りながら、説明をするリゼちゃん。

リゼちゃんの話では、どうやらスバル君たちが悪ふざけをしていて、アティさんが気を取られまくっていたのが原因らしい・・・。

・・・我慢してって言ったのに・・・。

そう思いながら、心象世界からアーチャーが使っていた弓を引っ張り出す。

矢は・・・普通の矢で良いな・・・。

「こっちです・・!!」

む・・・、西の森の向う、断崖があるところか!?

・・・間に合うか!?

走りながら見渡すと、少し北側に丘が見える!!

よし!あそこなら狙える!!

「リゼちゃん、こっちだ!!」

俺は断崖が見渡せる丘へ、急いで上った。

(続く)





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