サモンナイト3“剣製の魔術師”第二十六



「やはり、人質にされているな・・・。」

「姉さま・・・。」

見えるのは帝国軍が20名ほどとアティさんと護人4人、それにフレイズがいる。

ベルちゃんは、あの何時ぞやの刺青顔の男に刃を突きつけられている。

その脇には、隊長らしき女性と大男、向かい側にアティさん、左にファリエルさん、右にヤッファさん、後ろにアルディラさん、そして一寸離れた所にキュウマさんがいる。

此処からじゃ、声は聞こえないが、どうやら刺青顔の男はベルちゃんを人質にして脅しているようだ。

あいつ・・・、とことん下衆だな!!

俺はまず刺青顔の男を狙撃する事にする。

「え、シロウさん此処からじゃ、弓は届きませんよ?」

とリゼちゃん。

確かに普通の弓なら、この距離(約400メートル)は無理だろう、しかしこの弓はアーチャーの弓だ、そして俺は・・・。
  
「同調、開始!!」(トレース・オン!!)

自分の体を強化し、更に感覚も強化その上で狙いを定める。

後は・・・タイミングだ・・・。

そう今はベルちゃんと奴はくっ付いていて、下手をするとベルちゃんに当たるかもしれない・・・。

弓を引き絞りながら、チャンスをうかがう・・・。

いたぶる様に、アティさんに召喚術をぶっ放す、刺青顔の男。

く・・・、我慢だ・・・・。

あ、ベルちゃんが叫んだ瞬間、赤い光が走ってオニビが出現!?

チャンス!!

俺はオニビの力によって、吹っ飛ばされた刺青顔の男に矢を放つ!!

「・・・・!?!?」

肩に命中!!

「す・・・、すごい・・・!!」

まだまだ!!

引き続いて、戦闘に突入したアティさん達を援護するように、後方の帝国兵を狙撃する!!

その間に、カイルさんたちもアティさんたちと合流する。

よし、帝国軍は浮き足立っている!!

その時、帝国軍側から、大男が飛び出してアティさんに殴りかかる!!

!?くそ!!俺の矢が命中しているはずなのに倒れない!?

アティさんと力の押し合いになる!!

くそ!女性のアティさんが圧倒的にフリじゃないか!?

その時、アティさんの体は緑色に光って、銀色の髪の姿に変わる!!

アティさん、あのケンを使ったのか!?

大男がケンの力に耐え切れず、吹き飛ばされたようだ!

そのケンを見た女隊長は、どうやら撤退命令を出したようだ。

引いていく帝国軍。

「ふう・・・。」

どうやら、何とかなったようだな・・・。

「さあリゼちゃん、皆の所に行こう?」

「はい・・!」

俺とリゼちゃんはアティさんたちの方に向って歩いた。




その後は、アティさんが、「ベルちゃん、リゼちゃんと3人で話させてください」と言ったので、彼女達はアティさんに任せた。

「どうやら、話し終わったようだぜ。」

カイルさんの言う通り、3人が俺たちの所に戻ってきた。

「どうやら、解決したようね・・・。」

とスカーレル。

・・・そうだな、3人ともスッキリしたいい顔をしている。

「そういや、シロウ!見てみて!!」

どうしたのソノラちゃん?

「じゃん!」

俺に銃を見せるソノラちゃん。

「銃を売ってくれるようにしたの、シロウなんだって?」

いや、俺はたいした事してないよ。

「そんな事無いよ!ありがと!シロウ!!」

がばっと、俺に抱きつくソノラちゃん。

て、ええ!?

「「ああーーーー!!!」」

その俺とソノラちゃんを見て叫ぶベルちゃんと、リゼちゃん。

「・・・・・・(怒)」

・・・・なんか、怒りのオーラを出しているファリエルさん・・・。(汗)

「ま、めでたしめでたしだな!!」

「そうですね。」

カイルさん、アティさん、見てないでヘルプミー・・・。

「諦めなさい♪」

「さ、帰りましょう。」

とスカーレルとヤードさん。

「諦めな、坊主。」

「心中、お察しします、シロウ殿。」

「さあ、ラトリクスに帰りましょうか。」

ヤッファさん、キュウマさん、アルディラさん・・・。

・・・俺が何をしたああああああああああ!!!!!!

夕日をバックに、俺の絶叫がこだました・・・(泣)

(第四部完)





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