サモンナイト3“剣製の魔術師”第三十一話
ラトリクスに戻る途中。
!?
森があらされている!?
そう、其処には森がまるで食い荒らされたかのように、無残な姿になっていた。
おかしい、つい最近まで、この場所は普通の森だったのに!?
「アティさん、イスラさんをラトリクスに。
俺は、森の事だからヤッファさんを連れてくる。」
「分かりました。」
アティさんは、イスラさんを庇うようにしながら、足早にラトリクスに去って行く。
俺も急いで、ヤッファさんを連れてこよう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・
「確かに、あんたの言ったとおりだな、この荒れようは、ちと普通じゃねえぜ。」
「ヒドイ・・・アリサマダ・・・。」
俺は、ヤッファさんと何故か其処にいたファリエルさんと(甲冑を身に纏っているからファルゼンさんだが)フレイズさんに事情を説明して、ヤッファさんとファルゼンさんは来てくれるようにし、フレイズさんは、他の護人(キュウマさん)を読んでくれるように頼んだ。
アティさんは、イスラさんをリペアセンターに連れて行った後、アルディラさんを連れてきていた。
「帝国軍の仕業でしょうか?」
「それは一寸考えられないわね。
森の中を荒らしまわる必要が、向うにあるとは思えないし。」
キュウマさんの問に答えるアルディラさん。
確かに俺もそう思う。
「ダガ・・・、ケイカイハ、スベキダ。」
「だな。」
とファルゼンさんとヤッファさん。
「警戒を強めながら、しばらく様子を見る事にしましょう。」
「そうね・・・、今の所、それしかなさそうだわ。」
とキュウマさんとアルディラさん。
「そうだな、何かあったらすぐ動けるようにしましょう。」
「そうですね。」
と俺とアティさん。
もう、辺りは暗くなりつつある。
と言う訳で、一旦解散。
「スコシ、ヨイカ・・・。」
解散する前に、アティさんに話しかけるファルゼンさん。
「ファルゼンさん、如何したんですか?」
「オマエノ、ケンノコトダガ・・・・、アレハ、ツカワヌホウガヨイ。」
ファルゼンさん(ファリエルさん)は何か知っているのか?
「どうしてですか?」
「アレハ、ヨンデハナラヌモノ・・・・、ソンナ、キガスルノダ・・・。」
「根拠の無い事は、口にする物じゃないと思うわよ?ファルゼン・・・。」
アティさんとファルゼンさんとの会話に口を挟むアルディラさん。
「あるでぃら・・・。」
「剣の力は、この島を守るための、大きな助けになりうるわ。
それは、護人として貴方も望んでいる事でしょう?」
「・・・・・・。」
アルディラさんの意見に、黙りって去って行くファルゼンさん(ファリエルさん)。
・・・ここは俺の意見も言っておくか・・・。
「俺は、あのケンを抜かないようにした方が良いと言う、ファルゼンさんの意見に賛成なんだけど・・・。」
「なぜ?貴方達だって帝国軍を打ち破るためには、あの剣が必要なのはわかっているでしょう?」
すごい形相で、俺を睨みながら喋るアルディラさん。
「確かに、あのケンは強力です・・・、があの手の類は何らかの「リスク」があるものです。
だから、極力あのケンを抜かないようにすると言う、ファルゼンさんの意見に賛成なんですよ。」
「・・・まるで、経験があるような言い方ね。」
探りを入れるアルディラさん。
「・・・まあ、そういった事件に巻き込まれたことがありますし。」
それに、俺の「無限の剣製」も重大な「リスク」があるかもしれないと遠坂も行っていたしな・・・。
「・・・そう・・・、アティ、貴方にぜひ、見せておきたいものがあるの。
この島の由来にまつわる大切なものよ。」
「島の、由来?」
「今の話を皆に伝えたら、明日「集いの泉」に来てちょうだい。」
アティさんの問に答えるアルディラさん。
俺を遭えて無視するように話すアルディラさんの姿を見て、何か歪んだ凶気の残照が感じられた・・・。
(続く)
読んだ後は是非感想を!! 貴方の一言が作者を育て、また奮起させます