サモンナイト３“剣製の魔術師”第三十九話
廃坑の中を走る、俺、アティさん、アルディラさんの３人。
「Ｇｙｅｅｅ・・・」
奥からジルコーダの声が聞こえてくる。
やがて大きめの空間に出ると、クノンがジルコーダたちに囲まれている。
・・・ち！この位置からだとデカイやつ（カラドボルク、ブロークン・ファンタズム）は、クノンも巻き込んでしまう。
まずは、囲みの一角を崩す！！
俺は、俺とクノンの直線状にいるジルコーダに狙いを定めて召喚術を発動させた。
「打ち砕け光将の剣！！」（シャインセイバー！！）
「I
am the bone of my
sword！！」（体は 剣で できている！！）
５本の剣によって切り裂かれ、死体になるジルコーダ。
よし！包囲網は崩れたぞ！
クノンと合流する俺達。
「クノン！大丈夫か！？」
「どうして・・・、ここに・・・。」
俺の声に呆然とするクノン。
「その肩、怪我をしてるじゃないですか！？」
怪我をしてるクノンに気づき、声を上げながら慌てて駆け寄るアティさん。
「どうやら、無事のようね。」
「アルディラ様まで？」
目を大きく開いて驚くクノン。
３人の会話を聞きながら、”蒼炎・紅風”を構えつつ、周りの状況を確認する。
数は・・・後６体か。
アティさんは回復の小天使「ピコリット」を呼び、クノンの傷を癒す。
！？
ジルコーダが此方に攻撃してきそうだ。
「アティさん、アルディラさん！！」
警告を発する俺に、武器を構える、アティさんと、アルディラさん。
「クノン、貴方も手伝ってちょうだい。」
「分かりました、アルディラ様。」
アルディラさんの声に、クノンも構える。
「くるぞ！！」
「Ｇｙｅｅａａａａａ！！」
飛び掛ってくるジルコーダ達に俺は”蒼炎・紅風”を投げ付ける！！
「”蒼い炎、生まれし時、紅の風が舞う！！”」
”蒼炎”を中心に”紅風”がまるで舞うかのように高速回転する！！
ジルコーダの頭部に命中！！
「壊れた幻想！！」（ブロークン・ファンタズム！！）
ドム！！
爆砕するジルコーダ。
「鬼神将ゴウセツ！！」
バーサーカー並の巨体を持つ鬼の将を召喚するアティさん。
「ゴウセツ、鬼神斬です！！」
「グアアアアァァァァァ！！！」
”斬”
ジルコーダを一刀両断するゴウセツ。
・・・アティさん、何時の間にあんな凄いのと誓約したんだ！？
「召喚！フレイムナイト！！」
アルディラさんは”ロレイラル”からフレイムナイトを召喚する。
「フレイムナイト、ジップフレイム！！」
両腕に装備されている火炎放射器から高温の炎を出し、ジルコーダを炭にかえるフレイムナイト。
その隙にジルコーダが襲い掛かるが。
「アルディラ様、危ない。」
クノンが間に入り、自分の腕を伸ばし、手刀をぶつけて牽制する。
「パラ・ダリオ、来てください！！」
その間に、次の召還獣を召喚するアティさん。
これも高位召喚だ！？
「パラ・ダリオ！悠遠の獄縛です！！」
ピキン！！
パラ・ダリオの目（なのかな？）が光り、二体のジルコーダが石になる。
残りは一体！！
「投影 開始！！」（トレース オン！！）
俺は、アティさん達の成長に驚きつつも、自分が使える中で、一番破壊力があるバーサーカーの”石の斧剣”を投影する！！
「投影 装填！！」（トリガー オフ！！）
「全工程投影完了・・・是、射殺す百頭！！！」(セット・・・ナインライブズ・ブレイドワークス！！）
最後のジルコーダは、斧剣の斬撃によって九つに分断された。
・
・
・
・
「アルディラさま、アティさま、シロウさま、助けていただいてありがとうございます。」
無表情ながら、一寸嬉しそうに見えるクノン。
「そんな、同じ島の仲間じゃないですか、お互い様です。」
とアティさん。
俺も同じ意見だぞ。
「そうですか・・・。」
ん？クノンの頬が緩んだような？
そう、本当に薄らとクノンが微笑んだように俺は感じた。
「あ、所でアティさん、さっきの戦闘での、あの強さは？」
帰り道、俺はアティさんに質問した。
「ああ、シロウさんが倒れた後、私達は「無限界廊」で特訓したんです。
これから先、もっと激しい戦いになるかもしれませんし、私達一人一人がレベルアップしないと、と思いまして。」
なるほど・・・。
こりゃ、俺もうかうかしてられないぞ。
早速、明日でも「無限界廊」で特訓しようと思った。
（続く）
読んだ後は是非感想を！！ 貴方の一言が作者を育て、また奮起させます
