サモンナイト3“剣製の魔術師”第四十五話
そう言った瞬間、後ろにいる帝国兵が一斉に動き出す。
だが・・・・遅い!!
「停止解凍、全投影連続層写!!」(フリーズアウト、ソードバレルフルオープン!!)
空間から現われる8組16本の”蒼炎・紅風”。
「”蒼い炎、生まれし時、紅の風が舞う!!”」
その上で、帝国兵の足元に突き刺さるように調節して、解き放つ。
「壊れた幻想!!」(ブロークン・ファンタズム!!)
空き刺さった所で俺は、無理やり幻想を壊す。
爆発!!
吹き飛ぶ帝国兵。
まあ直撃ではないので、よほどの事は死なないだろう。
「な!?貴様!!」
切りかかってくるアズリア!
く!? 今準備している投影では、受けられない!?
「貴女の相手は私です、アズリア!」
アティさんが俺を庇って小剣を抜き、アズリアの剣を受け止めてくれる。
よし、この隙に!
「投影、重装。」(トレース、フラクタル)
交代しつつアーチャーの弓を投影する。
その上でねじれた剣、カラドボルクを投影する。
「I am the bone of my sword!!」(我が骨子は捻じれ狂う!!)
そして俺に向けての呪文を唱える。
「“偽・螺旋剣”!!」(カラドボルク!!)
やはり、密集している帝国兵の足元に放つ!!
突き刺さった直後に幻想を解き放つ。
「壊れた幻想!!」(ブロークン・ファンタズム!!)
爆発!!
その後は、敵が散開してしまったので、通常の弓を投影して弓を射掛けていく。
もう一人の難敵、ギャレオはカイルさんとガチンコの殴り合い。
召還師系のアルディラさん、ヤードさん、リゼちゃんはまず、帝国軍の数に対抗するために、ポアソ達、俗に言う”ユニット召還獣”を召還する。
その後は、ひたすら攻撃、回復召喚術を掛け捲っている。
さすが、修行の成果だ、以前と段違いの魔力保有量だ。
これには帝国軍も抵抗のしようがない、おまけに接近戦をしようとすると、まずベルちゃんと俺の弓の攻撃、その上で、ユニット召還された召還獣と、スカーレル、ファリエルさん、ヤッファ、キュウマさん達が壁になって食い止める。
30分もすると、帝国軍は、アズリアとギャレオ以外ほぼ戦闘不能状態になった。
「なせ、勝てない・・・、戦う覚悟もできていない甘い理想ばかり、口にしてるような相手にどうして・・・?どうして、この私が勝てないのだ!?」
「覚悟が無いってのは、間違い見てえだぜ、隊長さんよ・・。」
呆然としながら、叫ぶアズリアに辛うじてギャレオをダウンさせたカイルさんが、マントをはためかせ接近しつつ返答する。
「確かに、先生は争いごとに関しちゃ甘すぎる、覚悟なんてなっちゃいねえ。
だがな、その代わりにコイツは別の覚悟を持ってるんだよ。
どんない苦しかろうと、損をしようと、自分が正しいと思う事を貫いていく覚悟をな。
その点は、シロウも同じようだがな。」
む・・・、俺はアティさんほど優しくないと思うぞ。
「50歩100歩だ。」
む・・・。
カイルさんにやり込められてしまった・・・。
「まあ・・・、認めてやるぜ、不器用なあんた達のその生き方・・・。」
腕を組み、仁王立ちして、喋るカイルさん。
正直、この戦いに入るまで、カイルさんたち一家は、アティさんの考えに批判的だったしな。
結果オーライか?
「バカな・・・、そんな物で、納得できるか!?」
忌々しげに叫ぶアズリア。
「納得してもらう!何故ならあんたらは、敗者なのだからな!!」
「そうです、決着はついたはずでしょ!?」
その叫びに、声を荒げる俺とアティさん。
そこへ
ヒュルルーーーーー
何か飛んでくる音・・・。
そして、突然炸裂!!
く・・・、大砲か!?
(続く)
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