- 251 名前:初仕事5:2006/11/08(水) 20:56:47 ID:a1A2NXpv0
- 「…言われてみれば、そうだね。あんたの言うとおりだ」
僕はおとなしく引き下がった。端から知らん顔のあとの二人は、壁際にもたれて
目をそらしたままだった。それが僕らの最初の会話だった。
それ以来5人の男、今は1人減って4人だけど、みんなしてそっぽ向いて、
壁際にうずくまって一日をやり過ごしてる。
「どけよ」
ツメカミが不機嫌そうな声で僕に言った。
「トイレ行くんだよ。邪魔だよナキボクロちゃん」
いくらでも脇によければ通れるのに。そっち通ればいいじゃないか、と言いたかった。
けど、僕は体をずらしてツメカミのために道をあけた。
あんたの言うとおりだ、といったんは引き下がったけど、ニックネームくらいいいじゃ
ない、と言った僕の言葉尻をひろってツメカミがつけた呼び名がナキボクロ。
他の誰も呼ばない。当のツメカミだって、こうやって僕を邪険に扱うときくらいしか、
その名を口にしない。でもわかる。僕がこうやって、心の中で彼らのことを
品定めしたりしてるのと同じように、彼らも僕をそうやってフィギュアかなんかみたいに
いじくってるに違いないんだ。
壁にもたれて、ツメカミの放尿する音を聞いている。
毎日これといった会話もなく過ごしていても、人間関係というのはオーラのように
人に与える印象だけでも形成されていくらしい。
ツメカミははっきりものを言うし、態度もでかい。怖そうに見えて、その実ちょっと幼稚な
ところがある。さっきみたいにつまんないことで突っかかるし。だから誰もあえて彼に
逆らおうという空気を作らなかった。本人の中には段々と、リーダーとしての自覚が
無駄に芽生えてるのかもしれない。迷惑な話だ。
年だけで言えば、ガチャメは僕らよりだいぶアニキっぽいし、ヒッツレは見るからに
ガキっぽい。
- 252 名前:初仕事6:2006/11/08(水) 20:58:29 ID:a1A2NXpv0
- 僕はといえば、二言目にはウゼえとツメカミに言われるくらい、頼りなく見えるらしい。
小柄でも、なよっぽくもないはずなんだけど。このホクロがよっぽど目だって、そういう
印象を作ってるんだろうか。
「あーウゼえ。お前、存在自体がウゼえ」
トイレから出て、僕の脇を通るときにツメカミは言った。小さな声だけどはっきりと、
僕に聞こえるようにだ。こういうのって、子供同士のいじめの基本だね。いや、
聞こえよがしにイヤミとか悪口言ってくのっておばさんでもよくやる手だ。前の
バイト先でも、そうやっておばさんと若い子がいがみあってた。
ああ、そうか。こういう変化を撮っていきたいってことなのかな、この“実験”は。
「あーっ!またかよっ!」
僕がひとりで勝手な考えをめぐらしていると、いきなりツメカミが怒鳴った。
「ウゼえウゼえウゼえっ!」
耳に指先を当てて、開けたり閉じたり。自分の大きな声と指で、耳をふさいでるんだ。
あの声。ここ3日くらいで聞こえるようになった怪しい声に、中でもツメカミは一番
ナーバスに反応している。
―ああっああっ―
この建物の構造はよくわからない。僕らは全員、事務所と呼ばれる別のビルの
一室から完全に目隠しをされてここにつれて来られたんだ。だから廊下とか
他の部屋がどんなふうになってるのか、知らないんだ。
―あっ……あっ!ああっあーっ!…んっうんっ…んんっ―
よがり声。あきらかにそうだった。甲高く、すこしかすれて、最初はつらそうに
聞こえるけど、そのうち段々と…
―んっんっ……んっ―
ああ。イっちゃったみたいだ。女の声…いや、男?廊下のずっと向こうから
響いてくるらしいその声は、性別さえ定かじゃない。第一、廊下がドアの向こうで
どっち向きに伸びていて、長いのかどうかさえわからないのに。
- 253 名前:初仕事7:2006/11/08(水) 20:59:50 ID:a1A2NXpv0
- 「くっそ」
ツメカミが壁をこぶしで殴る。コンクリート打ちっぱなしじゃないから、殴っても
さほど痛くなさそうだ。でもあんなに強く…ああ、そりゃ痛いよ。
どっちにそろ、腹いせに僕を殴るのだけはやめてほしいね。ほらその目。
今にもその矛先がこっちに向きそうで、イヤなんだよ。
「何見てんだよ。ああ?」
「別に、見てないよ」
「見てんだろうがよ。くそウゼえんだよお前はよ」
「そんな…僕は何も」
「僕は。ボクハボクハボクハ!僕は〜なんてなあ!女々しいんだよてめえは…!」
ああ、完全にアウトだ。何も言ってないつもりなのに、ヤツの神経を逆撫でしちゃった
らしい。今日こそ殴られる。ああ、こういうのが“実験結果”とやらになるってわけ?
僕がいよいよ首をすくめたくなったそのとき。鎌首もたげた蛇みたいになってる
ツメカミの前を、いきなり人影がさえぎった。
ウヘ、というような変な声をもらして、不意打ちをくらったツメカミがのけぞる。
声もかけずにヤツの鼻先をかすめたのは、トイレに立ったガチャメだった。
「てめ、んっだよ!」
苛立つツメカミが怒鳴り散らす。ああ、立ち上がっちゃったよ。
「あ?…ああ、わりいな」
突っかかるツメカミを全然相手にしてない。こいつ、けっこう大人。実際、年もずっと
上なんだろう。このままツメカミにこの部屋の空気を引っかき回されるばっかりじゃ困る。
ガチャメあたりに仕切ってもらいたい、と僕は密かに期待しているんだけど。
今回ここまでです。
- 254 名前:風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 21:07:29 ID:2JoXNylu0
- 初のリアルタイム!
ピリピリした雰囲気が面白いです。
力こそ正義を観察されちゃったりするのかしらー?
続き楽しみにしてます!
- 255 名前:リレー:2006/11/08(水) 21:52:50 ID:XnoqvZRW0
- 御禁制の薬は侍の夢をも侵した。
夢の中で侍はなぜか大蛸にへばりつかれ、ぬめる触手で体中を犯された。
胸の尖りを吸盤で吸われ、陰茎の先を触手の先端で突かれる。
そのたびに粘った音が響いた。尻の狭間を触手でこすられたとき、侍は狂ったように頭を振った。
逃れようと必死にもがいたが、太ももや腹に巻きついた触手は万力のようだった。
「ああっやめろ、やめぬか、ああぁぁっ」
答えはなかった。蛸の黒い目は静かに獲物の嬌態を眺めているだけだった。
静かで冷たい目は従兄弟のそれに似ていた。
- 256 名前:リレー:2006/11/08(水) 21:53:51 ID:XnoqvZRW0
- 「……四十一、四十二。襞の数は立派に上品穴です。加えて肉も多くなかなかふっくらしている。
肌の艶もよろしい。これはよき尻ですな。流石御前、お目が高い」
耳障りな声が侍の夢を打ち破った。侍は目を開けて、眩しさに瞬いた
。素裸で畳の上に敷いた白い絹布に仰向けに寝かされていた。
男が侍の両足を割り開いて、菊門を観察していた。昨晩、侍の尻を剃った男だった。
両手は別の男がしっかりと押さえている。
侍は体を動かすことができなかった。だが、仮に自由があったとしても、動かすことができたかどうか。
相変わらずだるく、股間からはえもいわれぬ疼きが沸き起こっていた。それもそのはず。
陰茎は立ち上がり、先端から露をこぼしていた。
どうにかこうにか首をひねると、片側は障子で、明るい光が部屋を満たしていた。
光は良く鍛えた筋や、滑らかな胸を余すところなく明らかにしていた。侍は、高価な細工ものよろしく鑑賞されていた。
そのことを悟ったとき、侍の体は羞恥にかっと熱くなり、陰茎は一層硬くなった。
「上等品か。善き哉。善き哉。では、男根のほうはどうだ」
甲高い声が降ってきた。声の方角を見ると、一段と高い位置に一人の男が寝そべっていた。
その傍らには従兄弟が身を低くして侍っている。
御前と呼ばれる割には男は若かった。侍と大して違わないように見えた。
何者なのだろうか。侍の見知らぬ顔だった。
「ほう。目を覚ましたか。馬で馳せるその方を見初めてより半年。
その方は余のことを知らぬだろうが、余は明けても暮れてもその方のことを考えておったぞ」
侍が何か言う前に、陰茎に定規が当てられた。
「あっ」
金の定規の冷たさに侍は尻を振ってもだえた。
嫌がることをあえてするのが鬼畜だってじっちゃんが言ってた
バトンお渡しします♥
- 257 名前:風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 22:55:08 ID:qH5+7hf0O
- よき尻
Niceなヒップですな
リレータソ乙。続きはまだかな。
- 258 名前:風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 23:47:15 ID:J1CTR1jg0
- ワンコタン乙!
誰もが可哀想なのだが、自分の哀れさの方向を誤解しているダンがやっぱり
一等可哀想だ。買い手がつかなかったのは、狂いっぷりがばれてるからじゃ…。
初仕事タン乙!
この4人で密室でどーにかなるんでしょうか?
ちょっと怖いけどwktkです!
リレー乙!
この雰囲気ならこうなるだろうなというのがまったく読めなくて面白い!
- 259 名前:リレー:2006/11/09(木) 03:53:37 ID:m/pnnFJ4O
- 「五寸半はありますな」
「さようか」
御前は侍の陰茎の丈を聞き、満足気に微笑んだ。
四十を超す菊座の花襞の枚数も、隆起した陰茎の丈も、
厚い胸板も割れた腹も、引き締まった腰も、
精悍な顔立ちも何もかも、侍の全てが御前を喜ばせた。
御前のにこやかな顔に、侍の従兄弟は密やかに微笑んだ。
(存外、高く売れるやもしれん)。
「お主も悪よのう。縁者であろうに」
「分家の芥など他人と同じゆえ」
妾腹である侍を一瞥し、本家を継いだ従兄弟は、さらりと御前にそう言った。
侍は「他人」という響きに心を軋ませ、従兄弟の怜悧な美貌を見つめた。
冴え冴えとした冷たい眼差しが侍に向けられる。
その眼差しは、品定めの折り、秘部に注がれた不躾な視線よりも、侍の胸を苛んだ。
けれども、胸の痛みはすぐに股間を灼く切なさにとってかわられ、
侍は猛らせた陰茎から先走りを漏らした。
一夜明けても、陰茎は萎えない。疼きは止まらない。
痛い。いきたい。苦しい。疲れた。
張りつめた陰茎。しこった乳首。押さえられている両腕。熱い腰。
突然あらわれた貴人。知らない男達。そして、冷ややかな従兄弟。
限界だった。
(昨日は、一日足りとも欠かした事のなかった乗馬も、
日課の乾布摩擦も何もできなかった)。
(恐らく今日も、俺はただいくことだけを願いながら日を過ごす……)。
叶わない吐精。見えない先。不安と絶望。快感と疲労。
疲弊しきった侍は、啜り泣きながら、いかせてくれと繰り返した。
続きお願いします。
- 260 名前:風と木の名無しさん:2006/11/09(木) 09:18:20 ID:nfHPNMljO
- 初仕事タン乙、リレーも乙
(*´д`)ハァハァ
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