41 名前:風と木の名無しさん:2006/12/06(水) 07:03:19 ID:jrQwsjbz0
やば
荒らしかもしれないのに
面白くてSS読んでしまった

結構面白いや

42 名前:風と木の名無しさん:2006/12/06(水) 13:55:22 ID:SjAdIkKcO
荒らしでもこんなけの作品書けるんだから、職人もっと頑張んなさいよ。

43 名前:風と木の名無しさん:2006/12/06(水) 19:22:19 ID:JVNXOEFcO
自演乙!

44 名前:風と木の名無しさん:2006/12/06(水) 19:48:20 ID:SjAdIkKcO
いいえ、違います。
自演じゃありません。
自演だったらもっと自分を誉め讃えるでしょう。

45 名前:風と木の名無しさん:2006/12/06(水) 20:09:29 ID:A7jEORCW0
こいつ、SS投下以外しなければ愛されただろうに…w

46 名前:プラン 1/10:2006/12/06(水) 22:41:57 ID:W+7ilIPp0
※5つ目にゲロ描写の軽いのがあります。不快な方はスルーしてください。
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「いくら?」

助平親爺の上等文句のような台詞を吐く声が存外若々しいものだったので、
陳腐な誘い言葉と共に尻を一撫でする不躾さに怒るよりかは、少々面食らった。
振り返ってみれば、声の青臭さ同様、まだ下の毛すら生え揃っていないような
あどけない面をした子供が俺の尻を撫でていた。
多少大仰に表現し過ぎたかもしれない。いずれにしろ、俺よりだいぶ年少に見える―――
かろうじて下の毛は生えているだろうが、それにしても15、6そこそこにしか見えない乳臭い糞餓鬼だ。
そんな餓鬼が、脂ぎった性欲過多の助平親爺よろしく俺の尻を上下に撫でさすっている。
いよいよこの国の未来も危ういかもしれない。

「聞こえないのか?いくらだよ」
俺が呆けた顔をしてただ見つめ返しているのが気に入らないと見えて、
餓鬼は次第にいきりたった顔をして俺の尻をつかむ手に力を込めた。
頭の回転も鈍そうだ。可哀想に。
顔も十人並み、頭の回転も鈍けりゃ気の利いた台詞も吐けないと―――
(挙句の果てに深夜のメトロで一回り年長の親爺をナンパときてる)
こいつの将来は先行き明るくないな。
思わずこみ上げた笑みをにやっと口元に浮かべてみせると、何を勘違いしたのやら、
餓鬼が若々しい口元に同じくにやっといやらしげな笑みを浮かべた。
合意の合図だとでも思ったのだろうか、どこまで不器量な―――
「あんたの言い値を払うよ。だから……」
「やらせろって?」
子供らしい仕草で首を傾げてみせる糞餓鬼に一瞥をやり、ジャケットから取り出した煙草に火をつける。
嫌がらせも兼ねて餓鬼の顔に煙を吐きつけてやると、別段嫌がりもせずに鼻頭をひくひくさせながら煙の匂いを嗅いだ。
「コイーバ? 趣味悪いな」
「趣味の良し悪しがわかるほど愛嗜してるようじゃお前も終わってるよ」
別段 洒落てもいない皮肉に素直に笑い声を立てる幼さとは裏腹、餓鬼の手は相変わらず俺の尻をつかんでいる。


47 名前:プラン 2/10:2006/12/06(水) 22:42:28 ID:W+7ilIPp0
メトロの片隅に目をやると、案の定 好色の爺浮浪者がぼろきれの陰から
こちらの様子をじっと盗み見ていた。
これでまた明日からしつこい"性的いやがらせ"が続くだろう。
暴力沙汰を好まない俺には、あの呆け爺を拒絶するのはなかなかに骨の折れる仕事なのに。
いい加減 相手をするのも嫌になって、尻をつかむ餓鬼の手首をつかみ返してやると、
餓鬼の両目が期待の眼差しでこちらを見上げてきた。
尻の手をどかすどころか、ふざけたリズムで尻の肉を揉みしだき始める。
うんざりしてため息をつくと、コイーバ特有の匂いを放って白い煙が立ち昇った。

「俺は臭いぜ?なにしろ、もう二週間は風呂に入ってない。シラミでも湧いてるかもな」
半笑いで吐き捨ててやると、一瞬の躊躇の後、餓鬼の鼻先がひくひく揺れた。
再び餓鬼がにやっと微笑んだ。
「臭くないね。コイーバの匂いが興醒めだけど、勃たない程ではない」
「直接的な表現だな」
「あんたに上品ぶったって意味ないよ」
なるほどね。
餓鬼の鼻先に向かって煙を吐きかけながら、ちびた煙草を指で弾く。
線路上に落ちた煙草はしばらく薄い煙を燻らせていたが、やがて命尽きるようについえた。

「俺のピストラが欲しいのか?それともカロか?」
新しい煙草に火をつけながら冗談交じりに問うと、餓鬼は品のない笑い声でげらげら笑った。
「直接的なのがいいんだろ」
「カロだよ」
「そう思った」
いい加減面倒だ。
ガラス上に亀裂が走って非常に見難い腕時計に目を凝らし、餓鬼に視線を移す。
言うまでもないが、餓鬼の手は常に俺の尻の上のままだ。非常に鬱陶しい。
「一発500ユーロだ。一晩じゃないぜ」
一介の餓鬼にそんな大金を払えるとはとても思えないが、払えるなら払えるで
結構な儲けになる。だめなら引き下がるだろう。


48 名前:プラン 3/10:2006/12/06(水) 22:43:32 ID:W+7ilIPp0
いい加減、俺も疲れていた。さっさと眠りたいのだ。
とはいえ、例のセクハラ爺とは離れた場所で眠らないと。
さっきからいやにぎらついた目でこっちを窺っているのが気味悪い。

俺の予想と反して、餓鬼はようやく肩の荷がおりたとばかり晴れ晴れした笑顔を見せた。
執拗に尻をつかんでいた手を離し、俺の手首をしっかとつかむ。
「決まりだ。行こうぜ」
「払えるのか?後で"お金が足りません"はなしだぜ。先払いだ」
「いいよ。いくらでも払うって言ったろ?」
俺の手首をつかんだままずんずん進んでいく餓鬼に従って歩きながら、吸い終えた煙草をそこらへ弾いた。
餓鬼の足はメトロのゲートを過ぎ、奥へ奥へと進んでいく。
顔見知りの浮浪者が訝しげにこちらを見つめているのに気がついて、いやに決まり悪い思いをした。
こんな餓鬼に買われるとは。とはいえ儲けは助平親爺の倍以上、悪い話じゃない。
せいぜい裕福で物好きな餓鬼に感謝するさ。

「で、何発の予定だ?一発500ユーロ払えるなら、一晩でも相手してやるぜ」
「俺が満足するまで。まず一発500ユーロ先払い、後は延長追加料金」
「ヴァレ」
軽く親指を立ててみせると、餓鬼が俺を真似て悪戯っぽく親指を立ててみせた。
餓鬼の足は足早にメトロの中をずんずん進み、次第に周囲は薄暗くなっていく。
そんなに奥にいったところで、浮浪者は居なくなりゃしないぞ。
むしろ奥の方にこそたくさん住居を構えているのに。俺もほとんどは奥の方の片隅で寝起きしている。
電灯がちかちか明滅しているうらぶれた階段をおり、さらに奥に進んで、
餓鬼はメトロの最端の男子トイレに辿り着いた。
――――確かに、やるにしちゃ最適の場所と言えるかもしれない。
近くに浮浪者も居なければ、警備員も居ない。ただ臭いのが難点だ。

「へえ?よく見つけたな。一般人はまず見つけられないぜ」
「入念に計画したからね」
餓鬼の手が薄茶けたドアを押し開き、ぐいと中に引っ張られる。
「何だ、お前、そんなに俺とやりた――――」


49 名前:プラン 4/10:2006/12/06(水) 22:44:04 ID:W+7ilIPp0
俺とやるためだけに"入念に計画"したという餓鬼の台詞に思わず吹き出した
俺の言葉は、語尾がだらしなく尻つぼみになって消えた。
悪臭漂う薄汚れた男子トイレ内に、予想外の"お客さん"がいらっしゃったからだ。

餓鬼を除いて4人、どれも餓鬼と同じくらいの年齢に見える。
面食らって連中を凝視する俺を、連中はいやに子供っぽい笑みを浮かべて歓声を上げた。
「よし、上手くやったなベト!」
「大したもんだぜ。もう待ちくたびれてんだ、臭いし熱いし」
好き勝手に互いの手を打ち鳴らし、お祭り騒ぎめいた調子で歓喜の声を上げる連中に
親指を振ってみせると、俺の手首をしっかとつかんでいる餓鬼が(ベトというらしいが)
再び助平親爺めいたにやっとした笑みを口元に浮かべた。
「何だいこりゃ」
「俺一人とは言ってないだろ?」
呆れて二の句が告げずに突っ立っている俺の背中を押しやり、バランスを崩した
俺を待ち構えていた連中がしっかと抱きとめる。
反射的に離れようとした身体を別の一人がつかまえ、壁際に押しやった。
つまるところ、俺は壁際に追い詰められ餓鬼どもに取り囲まれる格好となった。
相変わらず興奮した様子で跳ね回っている連中に向けて肩をすくめてみせると、
俺はジャケットから新しい煙草を取り出した。
「複数プレイとは聞いてないぞ」
「だから、俺一人だけとも言ってないと言ったろ」
生意気な口を聞く奴だ。
初め俺の尻をつかんでいた餓鬼(ベトと言ったか)に一瞥をくれると、
ベトはいけしゃあしゃあと肩をすくめて首を振ってみせた。
じりじりと間合いを詰めてくる連中にいやな息苦しさを覚えて、俺は壁際に一歩後退した。
連中は俺を壁に挟んでプレスするつもりか?

「あのな、俺は複数プレイは嫌いなんだよ。趣味じゃない」
「そりゃないや。もう契約は成立したろ?一発500ユーロ、全員分ちゃんと払うぜ」


50 名前:プラン 5/10:2006/12/06(水) 22:45:35 ID:W+7ilIPp0
※軽いゲロ描写!注意!※

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「500ユーロ!?べト、お前それで釣ったのか」
ベトの言葉にげらげら腹を抱えて笑い転げ始めた連中に、愛想よく手を振る。
「もしもし?盛り上がってるとこ悪いが、いくらだろうと複数プレイなら契約ご破算だ。
どっちにしろそんなに金持ちならちゃんとした娼婦なり男娼なり買う事だな。
それだけ金出しゃ喜んで5人分のピストラ銜え込むぜ」
俺の言葉の何が面白かったのか、連中は再びげらげら笑い始めた。付き合いきれん。
軽く上げた手をひらひら振って、優雅に連中の間を通り抜けようとした瞬間
餓鬼の誰かの手が乱暴に俺をつかんで壁際に叩きつけた。あるいは全員の手かもしれない。
「おい、冗談はそこま」
――――でにしろ、という言葉は顔にぶち込まれたパンチと共に霧散した。
それからは なし崩しだ。
誰のものともしれない腕なり足なりが蹲った俺に雨のように降り注ぎ、
突然の連続攻勢にふらついた俺の頭を誰かが強かに蹴り上げた。
鳩尾に叩きこまれたパンチと蹴りは、恐らく同時だったんじゃないだろうか。
パンチと蹴りの合わせ技はかなりのダメージだったと見えて、俺は直後に
胃の中身をそっくりそのまま床にぶちまけた。
蜘蛛の子を散らすとはこの事かとばかりさっと身を引いた餓鬼どもを睨みつけると、
連中はやんややんやの喝采を上げて俺の失態を罵った。
手加減も知らない阿呆の癖に、こういうところだけはちゃっかりしている。
自分の撒き散らした吐瀉物の中に吸いかけの煙草が落ちているのをぼんやり見つけて、
反射的に拾おうとした手を餓鬼どもの足が二つほど、粉々に踏み砕こうとするかのように踏みつけた。
これは効いた。
惨めな悲鳴を上げてその場に蹲った俺を後ろから蹴りつけ、俺は汚い床に這いつくばった。
そんな状況でもしっかり自分の吐瀉物は避ける俺も、なかなかにちゃっかりしているかもしれない。
起き上がる間もなく俺の頭を誰かの足が踏みつけ、長い間掃除すらされていない床に頬なり耳なりが押し付けられる。
正直言って、腹が立つ。暴力沙汰ないしは揉め事を好まない俺が久しぶりに放つ怒りの怒声は、
残念ながらそうそう迫力満点とは言えない代物だった。



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