- 121 名前:柿手:2006/12/10(日) 19:10:45 ID:bClso21M0
- 「態度ですか?」
戸惑いを含んだ清一郎の言葉に、男は頷いた。
「おまえから我に口付けをしてみせよ」
清一郎の瞳が驚愕で見開かれた。「それは……」
「受けた礼には礼でかえすもの。国は変われどその法則は共通のはずだ」
男の言葉に、清一郎は顔を赤らめた。
「どうした? まさか口付けをしたことが無いわけでもあるまい?」
清一郎にそうした経験がないことを見越した上で、男はわざとからかっているらしい。
そのことに気づいた清一郎の頬が、今度は怒りで朱に染まった。
挑むように男を睨みつけると、清一郎は男の肩に手を置いた。
「わざわざお見舞いいただきまして、ありがとうございます」
震える声でそう告げると、清一郎はぎこちない仕草で、男の唇に自分の唇を重ねた。
わずかに触れた後に清一郎はすぐに唇を離そうとしたが、男の腕がそれを許さない。
深く味合うように、男の紅い唇が清一郎の唇を何度も吸い上げる。
清一郎は耐えるように目を瞑り、男のされるがままになっている。
そんな清一郎の態度に、男は苦笑しながら唇を離した。
「健気な態度だが、そんな顔をされては誘われていると勘違いしてしまうぞ」
俯いて口を拭っている清一郎に、男は目を細める。
「挨拶で交わす口付けは、頬と相場が決まっているのだがな。
まさか唇にくるとは。日本人は奥手にみえて、なかなかに大胆だ」
からかうように呟くと、男は清一郎を舐めるようにじっくりと見つめた。
「神域で育ったもの特有の清逸な血の芳香」
「穢れを知らぬ体と、病に臥してなお歪まぬ高潔な精神」
「人を疑わぬまっすぐな心根と、恐れを知らぬ気の強さ」
男は喉を鳴らして笑った。
「これほどまでに調教しがいのある餌も久しぶりだ」
抗うように暴れる清一郎の体を強引に抱き上げ、男は立ち上がった。
「退屈しのぎによい玩具だ。礼を言うぞ」
事の成り行きを震えたまま見守っていた平太を一瞥すると、
男は清一郎を抱えたまま悠然と家を出て行く。
追わなければと思うのに、平太の体は硬直して指一つ動かせない。
男の腕の中で平太の名を呼ぶ清一郎の声が、どこか遠くに聞こえた。<続>
- 122 名前:風と木の名無しさん:2006/12/10(日) 19:15:07 ID:rb9tmnq3O
- 柿手さん、リロったんですが被ってしまいました
ごめんなさい
- 123 名前:風と木の名無しさん:2006/12/10(日) 22:55:08 ID:JrP6ioDAO
- 柿手たん雰囲気出てて好きだ。続き楽しみに待ってます
- 124 名前:風と木の名無しさん:2006/12/11(月) 10:45:26 ID:Q1Bd4y2qO
- 和もので吸血鬼?
- 125 名前:風と木の名無しさん:2006/12/11(月) 12:09:43 ID:n6C1/Knl0
- たぶん。
よく見るよ。
- 126 名前:風と木の名無しさん:2006/12/11(月) 15:49:20 ID:UdxKmB8M0
- 柿手タソ萌えたよ…!!なんかもうwktkしすぎちゃうよハァハァ…。
姫抱っこで拉致られる、追っ手にはあらかじめ怪しい術??
ツボど真ん中ですた…!
- 127 名前:風と木の名無しさん:2006/12/11(月) 16:23:19 ID:IxGdyG/NO
- 柿手たんの吸血鬼イイ!これからどうなるのか楽しみ
- 128 名前:風と木の名無しさん:2006/12/11(月) 23:23:51 ID:+vS1dVuGO
- 初仕事さん、もう来ないで下さい
- 129 名前:風と木の名無しさん:2006/12/11(月) 23:24:35 ID:+vS1dVuGO
- ↑間違えました。代理さんです。
初仕事さん、すみません
- 130 名前:風と木の名無しさん:2006/12/11(月) 23:43:27 ID:/Eua3gZu0
- >>128-129 死ね
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