511 名前:風と木の名無しさん:2007/01/16(火) 22:27:14 ID:71suZ/iL0
面白い…。
本当に面白い。萌えとか関係なく、ただただ面白い。
続き楽しみにしてます。

512 名前:風と木の名無しさん:2007/01/16(火) 23:20:08 ID:HdUXKIo0O
すげぇ…。
萌えとか通り越し手ハラハラドキドキしとる。

この過去が現在にどう繋がるんだろう…。
激しく続き期待!

513 名前:風と木の名無しさん:2007/01/17(水) 00:30:40 ID:tlcQcWbI0
こういう表現が適当かどうかわからないが、翻訳物のような面白さだ>テュラン

514 名前:風と木の名無しさん:2007/01/17(水) 00:49:04 ID:JlK6TOteO
何この乙の嵐…気持ち悪い。本気で面白いとか思ってるんだろうか…。
もっとレベル高い作品頼むよ!!

515 名前:風と木の名無しさん:2007/01/17(水) 01:08:14 ID:K7lpWDMrO
テュランタン乙!!!
ものすごく萌え&ハラハラする展開で続きが気になるよ

516 名前:風と木の名無しさん:2007/01/17(水) 03:03:19 ID:TBJKzqAH0
 

517 名前:テュランの筏1/9:2007/01/17(水) 12:05:05 ID:FyI39WtK0
十二日目

「動いていない……このいかだは」
それがクリフの出した結論だった。
僕は、呆然としていたのもあるが、頭の回転がおいついていなかった。
説明を求めて、クリフの肩をゆらす。
「星座の位置が全く変わっていない。
季節の傾きを計算に入れても……このいかだは初日の位置のまま移動していない」
床につけた傷だか数字だかつかないものを指で示し、クリフは目つきを鋭くした。
「だ、だって……二週間で助かるって。東の方に島があるって」
「客船が座礁した位置から、確かに東経に諸島はある。他は……全部でたらめだろう。
最初から希望をもたせる為だけに……十四日間という数値を設定したんだ」
僕は……顔面蒼白になっていただろう。
紙のように真っ白な色をして、激しくなりつつある鼓動を聞いていた。
……それじゃ、耐えても何にもならないじゃないか……
ポロポロ、ボロボロとまらず、僕はまた貴重な水分をムダにしてしまっていた。
クリフが目を閉じ、僕の髪に手の平を乗せた。
その温かみをもってしても、僕のこぼれる涙を止める事は出来なかった。

518 名前:テュランの筏2/9:2007/01/17(水) 12:05:57 ID:FyI39WtK0
「そんなにショックを受けるなら……俺の心だけにしまっておけばよかった」
ぽつりとつぶやくクリフに、僕はぶんぶんと頭を振った。
「ううん、そんな事はない。クリフが一人で心に抱え込まなくて、よかった。
心の構えが出来て、よかった。島影が見えなくても、絶望せずにすむ」
少しだけ表情をやわらげたクリフは、動きが止まった僕の頭を、ていねいになであげた。
「……藤吾をどうにかしなくては……いよいよトランクを奪わなくちゃならない。
締めあげ、何を考えているか聞き出さなくちゃならない。
今度は平和的にはすまない。暴力も辞さない」
独り言のように「明日」と唇を震わすクリフ。僕は呆然と、端正な横顔をながめていた。
タープを持ちあげ、太陽が昇る方向へ視線をやるクリフの目が、ふと僕を見下ろした。
「いつまで、泣いてるんだよ」
からかい気味にふわりと微笑むと、タープを持つ手を離せなかった為、
顔をやや斜めに近づけてきて……舌で僕の涙をなめとった。
「ん、あ……」
あまりに突然だったのもある。
クリフの顔がこれだけ接近するのに、身構えが出来なかった事もある。
鼓動は急激にやってきて、急カーブをえがいて最高潮に達していた。
耳まで一気に赤く染まるのも、下半身に血が集るのも、どちらも防げはしなかった。

519 名前:テュランの筏3/9:2007/01/17(水) 12:07:53 ID:FyI39WtK0
深刻な話をしているのに、なんで節操なしなんだ、僕は。
そう自分を叱ると、ますます恥ずかしくなって、紅潮するのをおさえられない。
唇を離したクリフは、不思議そうに、体温の高まった僕の顔を凝視する。
「辛いのか? ……大丈夫だ」
それは不安そうに泣いていた僕が、涙をこらえているのだと思って、安堵させようとかけた声なのだろう。
優しい吐息が、包まれたタープの中をかけめぐり……思い出させた。
強制的に行なわれた口での刺激。僕のがクリフの唇を割って入り、熱い息を絡められた中で、快楽を得た……思い出すな。
けんめいに止めようとしたが、勃起という生理現象は、もう僕の手にはおえなかった。
下半身でむくむくと起きあがる僕のペニスに気付き、クリフは目を丸くする。
見られてしまった! その恥ずかしさで、僕はまた全身の血液を下肢へと流れこませる。
「ごめん、思い出さないでっ……違う、違うんだ。ごめん、ごめん、クリフ」
文章になってない事を、僕はさんざんにわめきたてた。それこそクリフが呆れるまで。
「ごめんっ、違うのは分かってるのに、そんな場合じゃないのも、肌で感じてるのにっ……クリフ、ごめん」
顔を手で覆うのは、こぼれる涙をおさえる意味もあったし、赤面する頬を隠す意味もあった。
ただ、中途半端に燃え立ち、そのまま刺激を与えられずに放置された僕のペニスはたぎり、
マグマの噴火を直前にしながらも、きっかけがなく静まる火山のようになってしまっていた。

520 名前:テュランの筏4/9:2007/01/17(水) 12:08:49 ID:FyI39WtK0
「っ……ううっ」
どうすればいいのだか。このままじゃ苦しいだけだ。
けれど手はふさがっているし、場所を移動しようにも、この半端な持ち上がり状態では、とても歩けない。
爆発寸前の爆発物を抱えたように、僕はただ震えて呻いた。
しょうがないな、と苦笑する音が、頭上で聞こえた。
「辛いのは、そっちだったのか……まったく」
からかうような口調だった。それがかえって僕を救った。
「仕方ないっ……生理現象だし……空気こもって、熱いんだから、この中
……クリフは、突然だいたんな行動に出るし」
それこそ、自分をたなにあげて、クリフを責めるくらいには。
クリフは微笑んだ。きれいな八重歯を見せて。
「苦しいだろ……出しちゃえよ」
あ、と声をあげるひまもなく、暖かな手が、僕のペニスを包んだ。
さっきまで髪をなでていたそれは、口とは違う温度と、やわらかさを持っていた。
ぬくくて、しっとりしている。さらさらで、持っている球面の全てがなめらかだ。
その感触が全てクリフのものだと認識したとき、僕の背に走った電流は、
身体を反らせ、強い力で僕の下半身を前に押し出した。
「ん、う……んっ」
クリフは、ほんの二、三度、囲む手の平を動かしただけだった。


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