ETERNITY ~友情編~













午後の練習が始まると、懐かしい顔が続々と集まって来た。
それぞれ監督に挨拶をすませると、フェンス越しに練習を見ている。




―――どうやって切り出したらいいんだろ・・・?




グラウンドの片隅で栄純が俯く。
当然練習に参加できるはずもなく、栄純は実質マネージャーのような役割をしていた。
外見上ではまだ何の変化もなかったから、先輩達は栄純がブルペンに入っていないのをおかしいと思っているに違いない。



一方フェンスの外では、卒業生が複雑な思いで練習を見つめていた。
誰よりも元気に輝いていたエースの卵を、この夏マウンド上で見ることは出来ないのだ。


改めて『真田憎し』の感情が込み上げる。
集まった全員が同じ気持ちでいるに違いないが、表向きは何も知らない事になっているので、それには誰も触れない。
不穏な空気を察知した現役部員達は、平常心を装い練習をしつつも、内心はハラハラだ。




三者三様の想いを抱えながら、休憩時間となった。
卒業生からの激励の言葉を聞くため、全部員に集合がかけられる。
栄純も輪の中に加わっていたが、監督や先輩が話を始めても、耳に入って来なかった。
話すなら今しかないと思うと、栄純は緊張して指先が震えた。
その横では、降谷と春市が顔色の悪い栄純を心配そうに見守る。



監督やチームメイトに秘密を告白した時は、真田が側に居てくれた。
だからどんなに怖くても、勇気を出す事が出来たのだ。
でも今、隣に真田は居ない。
栄純は目を閉じてお腹にそっと手を当てる。





―――1人じゃない・・・頑張らなきゃ・・・!赤ちゃんのために・・・アイツのために・・・!





「すみません・・・!俺、お話ししたい事が・・・!!」



ギュッと瞑っていた目を開けて、顔を上げたはずだった。



「ア・・・レ・・・?」



視界に霧が掛かったようにぼやけて、頭の中が真っ白になる。
顔面蒼白の栄純の体がグラリと傾き、降谷が間一髪で抱き留める。



「大丈夫・・・!?」



腕の中でぐったりと目を閉じたままの栄純に、降谷が呼びかける。



「沢村・・・!!」
「しっかりしろ・・・!!」
「早く救急車を・・・!!」
「真田の野郎!!」



現場はパニック状態だ。



「落ち着いてください!タクシーで病院に連れて行きます!」



春市の冷静な声がグラウンドに響き渡った。







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