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奇譚小函―きたんこばこ―

R-18 二次創作テキストサイト

スパルタクス×ぐだ子

つまさきに愛を綴る

管制室の前で出くわしたその男は、筋肉(マッスル)だった。
2mを超える巨体に拘束具を纏った彼の名はスパルタクス。叛逆の剣闘士であり、カルデアのサーヴァント達の中でも古参の一騎であった。
マスターである少女にも、いつ圧制者と見なして笑顔で刃を向けるか分からない危険なバーサーカーであるが、今の彼はマスクの奥の垂れ目に困惑のような焦りのような感情が見てとれた。

「おお、マスター、良い所に来てくれた。さっそくで悪いが圧制者がいる場所に連れて行って欲しい」

この男の特殊な思考形態を差し引いても唐突な申し出だったが、マスターである少女にはすぐにピンと来た。
……今回のレイシフトは熾烈な戦闘で、スパルタクスも瀕死の傷を負いながらガッツで持ち堪え奮戦した。
しかし、彼が宝具を使う前にたまたま他のサーヴァントが敵にとどめを刺したため、そのまま戦闘終了してカルデアに戻って来たのだった。
当然、宝具として放たれるはずの膨大な魔力はいまだスパルタクスの全身に漲っている。
近づいてよく見ると身体の周囲にパチパチと静電気のような火花が弾けている。宝具発動の際も放出した魔力が凄まじいスパークを起こすが、今のスパルタクスは爆発寸前の火薬庫を思わせた。
全身の負傷を治癒してなお有り余る量の魔力だが、サーヴァント側からカルデアへの魔力供給は不可逆……というよりもバーサーカーにそんな器用な真似はできない。
戦闘シミュレーターを使おうにも、間の悪い事にロマンもダ・ヴィンチも徹夜明けの仮眠中、他のスタッフもそれぞれ貴重な休憩に入っており管制室には最低限の人員しか詰めていない。
職員が戻って来るまでしばらく一緒に待とうか、でももしカルデア内で大爆発したら……と背筋を寒くするマスターは、戦闘以外で安全に魔力を発散させる手立てはないかと駄目元で訊いてみた。
バーサーカーの中でも狂化が規格外レベルの男だけに期待はしていなかったが、スパルタクスの返事は意外なものだった。

「内なる衝動から私を解き放たんとする君の真心、確かに受け取った。マスターの愛を信じ我が身を委ねよう」
「私に任せるって……でも何をしたらいいの? 手合わせなんてできないよ?」
「知っての通り、私は苦難こそを望む叛逆者。解放のためには私を虐げる圧制者を演じてもらわなければならないが……なに、マスターの手を煩わせる事はない」


スパルタクスの名誉のために誓って言うが、彼は嘘はつかなかった。
年頃の娘として色っぽい事を少しは期待しないでもないマスターだったが、しかしその内容は全くもって理解を超えていた。
驚いた事に、スパルタクスは性器を足で踏んで欲しいと要求してきたのだった。
確かにそれなら手は使わないが……よりにもよってそんな所を足蹴にするのはいかがなものか、とためらわざるを得ない。

「うーむ……仕方ない、ちょっと待ってね」

マイルームのベッドに座り、靴を履いたままよりは裸足の方がまだダメージが少ないかもと、ブーツとタイツを脱いで裸足になる。
スパルタクスも、衣服とも言えない格好ではあるが腰の着衣に手をかける。
あの複雑な拘束具をどうやって外すのだろうと単純な好奇心で見ていたら、金属の装甲で押さえつけられていたグラディウスが勢い良くまろび出る様に、ベッドに座ったまま5cmほど飛び上がった。
部位ごとの着脱も可能だと分かったが、だからといってどうなるものでもなかった。

「さあマスター、遠慮は無用。好きなようにするがいい」

スパルタクスはベッドの傍に跪き、いつもどおりの穏やかな口調で促してくる。
雄の昂りをさらけ出しているにも関わらず、その表情にも羞恥や疚しさは欠片もなく、勝手に緊張して狼狽えている自分の方がおかしいのではと錯覚してしまうほどだ。
もしかすると戦闘中から既にこんなふうだったのか、あれっぽっちの面積に収まっていたのが不思議なほどの威容に思わず生唾を飲む。肌と同色の胴部に血管が浮き、先端だけが生々しい肉色を露呈していた。

「ほ、本当に踏んでも大丈夫?」
「ははは! このスパルタクス、いかなる責め苦も受け止める覚悟はできている。まして同志たる君から贈られるものをどうして拒めようか」

微笑むスパルタクスに少し安心する。日頃あれほどの傷を受けても平然としている彼のこと、恐らくここも頑丈にできているだろう……と丸太のように逞しい腿の間に足を伸ばした。
試しにつま先でそっと触れてみると、まるで別の生き物みたいにはち切れそうな熱と脈動が感じられた。
柔らかな足の裏を密着させ、徐々に体重をかける。ぐっと反り返った逸物は弾力でしなり、上から押さえつける力に懸命に抗っているようだった。
足にかける圧力はそのままに、撫でるようにゆっくり上下させると、往復するたびにごろごろした感触が伝わる。

「むう……」
「あっ、痛かった? やっぱりやめる?」

スパルタクスが漏らした呻き声に反応し、少女が慌てて足を引っ込めようとした時、鋭い檄が飛んだ。

「まだまだ! その程度ではこの肉体に傷はつかぬよ! 鞴(ふいご)を踏むように力強く! 親の仇のように執拗に!」
「えっ……!?」
「もっとだ! マスターのその足で私自身を圧制し、文字通り蹂躙するのだ! ファイト!」

性器を踏み躙られている相手にかけるとは思えない台詞に、辛いのではなく物足りなかったのだと理解した。
いかなる苦痛も厭わず、むしろ歓迎するこの英霊らしいリアクションに驚き呆れる。
いまだ葛藤はあったが、半ば自棄になって全体重をかける勢いで踏みつけると、彼の口から出たのは戦いで傷を受けた時と同じ、紛れもない喜悦の声であった。

「おおっ……! いいぞぉ、マスター……!」

悦ぶスパルタクスとは裏腹に、マスターは爆弾処理でもしているようで正直生きた心地がしなかった。
彼の宝具は常時発動型、いわば彼自身の肉体が宝具のようなものだ。この行為でうまく魔力を逃がす事ができれば良いが、まかり間違って暴発などされた日には自分も骨も残さず吹き飛んでしまう。
しかし、途中でやめる気にならなかったのは、スパルタクスの反応をもっと見てみたいという好奇心からだった。
見るからに猛々しく張り詰めた怒張が、足の下でさらなる責めを催促するように震えている。
嬲られるたびに先端から滲み出てくる露は彼女の素足を濡らし始めていた。

(わわ、もう足がべとべとに……まだまだ出てくる……)

徐々にこの行為に慣れてきたマスターは、ぐりぐりと強く踏み躙るだけではなく、踵だけを使って円を描くようにしたり、剥き出しの亀頭を足の指で弄ったりと、色々なやり方を見つけては片端から試した。

「どう? 少しは効いてる?」
「ぬ、うぅ……これしきで音は上げぬよ、ふははは!」

常人離れした耐久力に、片足だけでは埒が明かないと思いつき、合掌するように両足の間に挟んでみる。先走りの滑りも借りて、にゅるにゅると擦り上げた。
電流が走るような鋭い刺激にスパルタクスは一瞬息を詰め、拘束具に縛められた背中を仰け反らせた。

「ふぅうっ……! おうぅ……はあっ、ああっ」

ふと、足元からスパルタクスの顔へと視線を上げる。
鉛色の肌に血の気が差す様子こそないが、全身に玉の汗が吹き出し、狂気を宿した眼は悦楽に蕩け、荒い息をつく口元からは飢えた獣のように涎が滴りそうだった。
二人の視線が交わる。快感と苦痛に苛まれながらも笑顔のスパルタクスに正面から見つめられ、ぞくりとした感覚がマスターの背筋に走った。
歴史に残る大英雄を、それも奴隷解放のため戦った気高き剣闘士を、足蹴にして辱めている。
膨大な魔力を安全に処理するという名目ではあるが、マスターは申し訳無さと同時に、倒錯的な興奮を自覚し始めていた。
あるいはそれこそ「いずれ圧制者となる」とスパルタクスに告げられた宿命の萌芽なのかもしれなかった。
足裏での愛撫はいよいよ苛烈なものになり、粘ついた音を立てて繰り返し男根を踏み躙られるたびに、拘束具で締め付けられた屈強な肉体は屈辱と歓喜に震えた。

「ああぁ……おお……! マスター、出、るっ……!」
「あっ、ちょっと待って! そんな、いきなり……!」
「お、ほおっ、おうぅっ……! んぐおおおおォォォ!!!」

スパルタクスは射精の瞬間も、マスターから視線をそらさなかった。
獣の咆哮そのものの雄叫びを上げて絶頂を迎え、不屈の意志を以ても堰き止めようのない熱の濁流が迸る。
男根が痙攣するのに合わせて後から後から吐き出される濃厚な精が、マスターの素足に降りかかって汚していく。
パニックになったマスターは、反射的にホースの放水を止める要領で男根を足裏で押さえつけたが、射精途中の性器をさらに刺激される駄目押しに、悶絶せんばかりの苦悦がスパルタクスを襲った。

「お、ぉおうっ!!」
「うゎあぁ……! まだ、出てる……!」

びくびくと暴れる男根を踏んでいる足指の間から、どぷっ、と熱いほどの白濁が溢れ返る。
床が削れるほど爪を立て、無意識に腰が浮き、目の前が真っ白になるほどの快感にスパルタクスは脳髄を灼き尽くされた。
霊基によって構成されている身ではあるが、筋肉や神経や細胞の一つ一つから魔力が絞り出され、体外へと放出されていったのが分かる。肩で荒い息をしながら、かすかな虚脱感と快感の余韻に身を震わせた。

(はあ~……すごかった……)

派手に射精する様を目にして、マスターはしばし放心していた。
性的な現象というよりは、ダムの放水や火山の噴火を間近で見たような感じであった。
体液と共に彼の魔力も適度に発散され、安全な範囲に収まったようだ。早くも息を整えたスパルタクスが身を乗り出し、細い足首を掴まれてはっと我に返った。
スパルタクスは精液をまともに浴びせられた足に顔を近づけ、舌を伸ばしてまだ自分の体温が残る白濁を舐め取った。

「!!!」

熱く湿った吐息と隅々まで這う舌の感触に、マスターはさっき間近で射精を目にした時よりも仰天した。
彼女が固まっているのは混乱のせいもあったが、暴れたら今度はスパルタクスの顔を足蹴にしてしまう、という妙な気遣いが働いたためであった。
肉厚の舌が足の指の間に入り込み、そこも丹念に舐められてしまう。粘ついた淫猥な水音が嫌でも耳を犯し、全身から抵抗の力が抜ける。

「あ、あ……そんなところ、汚いよ……やめてぇ……」
「私自身が放った精なのだから一滴残らず舐め取るのは当然だろう? それに君の足ならば汚らわしいなどとと思う道理はない」

これがスパルタクスにとっての叛逆なのか、それとも受け止めてくれたマスターに愛を以て返礼しているのか、混乱する頭では判断がつかなかった。
足で踏まれて射精する以上に屈辱的な行為のはずだが、精液にまみれた足を舐めるスパルタクスは愉悦の笑みさえ浮かべており、耐え難い羞恥に抵抗しているのは舐められているマスターの方だった。
小さな爪の輪郭までも舌でなぞられ、自分の頬がかっと熱くなったのが分かる。タイツを除いてカルデアの制服を着込んだままの全身に汗が吹き出る。

「ひっ、ひ……うぅ……」

口に含まれていた足の指が解放され、濡れた指が外気に触れる感覚にやっと終わった、と息をついたマスターだったが、スパルタクスの射精は足首より上にも派手に飛び散っていた。
今度は脛から膝へと、形の良い脚をなぞるように這い上っていく唇と舌に、再び不本意な性感を煽られてしまう。

「も……もういいから、そんな……」
「君のか細い脚に酷な行いをさせたと思うと胸が痛む、せめて私自身が清める事で償わせてはくれないか」

さっきまで足で性器を弄んでいた相手に眼を潤ませて哀願するマスターだったが、意思疎通不可のバーサーカーたるスパルタクスは一向に止めなかった。
彼なりにマスターの少女を思いやっているのだが、まったく逆効果であった。
……献身的な奉仕、あるいは淫靡な叛逆がようやく終わった時、マスターは頬を真っ赤に染め、押さえた口からは熱い息が漏れていた。
裸の足を汚していた濃厚な白濁は最後の一滴まで舐め取られたが、今は代わりに唾液で濡れ光っている。

「はあぁ……もう、だめ……」
「大丈夫かね、我がマスターよ」

大丈夫でなくした当人の声に、レイシフト以上に疲労困憊のマスターは、怠そうにベッドから体を起こした。
スパルタクスはいつも通りの笑みを浮かべており、いつの間に身繕いしたのか下半身の装備もきっちり身に着けている。目の前に据え膳が横たわっていても手を出すなど思いつきもしないようだった。
叛逆以外では極めて禁欲的な人物だけに、先程までの淫戯との落差がまだ信じられない。しかし頬を火照らせる熱さも、体の芯でくすぶり続ける疼きも、彼から返されたものだった。

「歩くのも辛かろう、私がテルマエまで抱えて行くから汗を流すといい」
「ありがたい申し出だけどやめとく……」

もし途中でスタッフや他のサーヴァントとすれ違ったら、勘の良い者なら何があったか気づかれかねないし、何か訊かれた時に彼が言い繕えるとは思えない。
いつもは大浴場に通っているが、今日ばかりはマイルームに備え付けのシャワーを使う事にした。

「私こっちでシャワー浴びてくるけど、スパルタクスはどうする?」
「むう、普段ならテルマエに直行するところだが……」
「なに、背中でも流してくれるの?」
「同士たる君が望むならば吝かでない」

ちょっとした戯れで口にした言葉だったが、スパルタクスの満面の笑顔に、あっこれは不味い……と思った時には既に遅かった。ゆらりと立ちはだかった巨体が頭上に影を落とす。

「シャワー室狭いから! 二人も入ったらぎゅうぎゅうだから! せめて代わりばんこに!」
「ははははは! 圧制の象徴たる狭い小部屋に、心身を和ます温かいお湯! 同時に味わえるとは素晴らしいな、マスター!」

生まれながらの叛逆者であるスパルタクスが、マスターの命令など聞くはずもなかった。
そんなバーサーカーに手を焼きながらも、はしゃぐ彼を見てまあいいか、と微笑ましく思う呑気なマスターも大概であった。

(END)

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