5話 対決の時は想い人と一緒


 ほのかは俺の手を握り、二度と離すまいか、強く、もっと強く握り締める。
 俺はそんなほのかにずるずると引きずられるように、歩いていた。
「埼君。着きました」
 え?
 なぬ?
 嘘だろ?
 目の前にどかんと大きな家があった。
「ここは?」
「私の家ですけど」
 ほのかはようやく俺が驚いていることに気づいた。
「埼君には敵いませんね。まさか知らない人がいるなんて、思いもしなかったですから」
「結城? 結城……結城……?」
「あの時、知らないで私に近寄ってきたんですか?」
 あの時というのはもちろん中学3年の時のことだ。
 俺がほのかに勉強を教えた時のこと。
 ほのかの科白が間違っていることを指摘したかったが、今はそんなことよりこれがどういうことか知りたかった。
「どこかで聞いたことがある名前なんだけど」
「今頃気づいたってわけでもないですね。本当に知らないなんて」
 ほのかは少しショックを受けているようだった。
「とにかく家に入って。それから説明してあげるから」
 豪華だな、と門から家までを歩く。
 というか、これが庭なのか、ってぐらい広い。もちろん俺の感覚で広いと言っているわけで、本当に広い庭には敵わない。だが、普通、これほど広い庭を持っている家はいないだろう。
 ここに来た理由の緊張より、この家の豪華さに驚いて、そのせいで緊張してしまっている。
「いらっしゃい。埼君」
 ようこそってことらしい。
「おじゃまします」
 家の中に入った。

 外見も凄かった。中もやっぱり凄かった。
 とにかく見たこともないぐらいに綺麗にされていて、驚いている。
 ほのかの部屋にいる俺はとても落ち着かなかった。
 ここにいる理由など、そんなことをずっと考えている。
「埼君。何か飲みます?」
「ああ」
「うん。なら、少し待ってて。すぐに用意するから」
 こんなファンシーな部屋に俺はいる。
 ほのかは見た目通りの女の子らしく、可愛げのある部屋だった。だが、それが逆効果。落ち着こうにも、こんな部屋では逆にそわそわしてしまう。
 あんなことをしてくるほのかだから、まともじゃないだろうと踏んでいたのに、こんなにも女の子らしいところを見せられてしまうと余計に意識してしまう。
 とにかく落ち着かないので、立ち上がろうとした時、ほのかが戻ってきた。
「どうしたの?」
「いや」
「立っていないで、座って」
 テーブルに紅茶とお菓子が置かれる。
「これも、食べてもいいよ」
「うん」
 うわぁ。かなり緊張しているのが自分でもわかるのだから、相当酷いものだ。
「で、私、結城ほのかなんですけど」
「ああ」
「社長の娘さん」
「は?」
 …………。
「げっ!」
 今更だった。

 全国的には有名じゃないが、地元では有名すぎるほど有名だった。
 結城という名前の会社、それ関連の子会社がこの地域を支えていると言ってもいい。ちなみに俺の親はそれとは全く関係ない……わけじゃないか。よく『結城のばっきゃろ〜』と言っているのを思い出した。
 父さん。今、目の前に結城の娘がいます。俺はどうしたらいいんでしょう。
 あ。そうか、だから、奈津美はほのかにいつも通りの実力行使を使わなかったんだ。
 思い出されるほのかの科白。
『手加減してくれたのでしょう』
 そういう意味だったのか。

「本当にここで暮らしているの? 埼君のお姉さんもそうだけど」
 もしそのことを知っていたら、奈津美なら初めから殴らなかったかもしれない。ああ見えて、弱気な部分があるから。そう思うと、さやかなんて怖いもの知らずだった。
『私が手を下すわけじゃないから』
 さやかは気づいていた。だけど奈津美が恐れて何もしなかったら私がやってやる、っていう意味合いを含んでいた。
 知らなかったのは、俺と奈津美だけか。
「でも、そのお姉さんは殴っている途中で気づいたみたいだけどね。私、有名人だと思っていたのに……少しショック」
「普通、社長の娘の顔なんて知らないだろ」
 はっきり言えば、社長の顔も知らない。
「そうだけど、私、自分からあの結城の娘、って言っていたんだけど」
 だから、みんな知っていたんだ。
 ああ。どうしよう。結城に目をつけられたら最後だって聞いたことがある。いや、もう十分に目をつけられている。
「気づかなかったことは別にいいよ。本当の私を知らないで近寄ってきた人は今までいなかったから、今思えば楽しかった。それに私、ばかだったし、親もそんなことなんて気にしない人だったから、私もばかなままでいいかな、なんて思っていた」
 ほのかははっきり言って、成績はよくなかった。でも今は優秀すぎるぐらいだろう。
「でも、成績はあがったね。頑張ったから」
 だんだん本題に入りつつあった。
「ひとつだけ言ってもいいか」
「いいよ」
「近寄ってきたのはほのかだろうが」
「細かい男は嫌われる」
 全然細かくない。
 俺としてはとても重要だった。
 あの時、勉強を教えてくれ、と迫ってきたのは紛れもない結城ほのかからだった。
「私、頑張ったんだよ」
「ああ。頑張ったな」
 …………。
 ほのかは残り僅かな紅茶を飲み干した。
「はあ」
 艶かしい声だった。
 俺も紅茶を飲む。すでに冷めてしまっていた。
「入れてきますね」
 ほのかは立ち上がった。
 どこかふらふらとしていて、危なっかしい。
 俺のコップを取ろうと俺の隣まで来た。
 そして今度は座り込んだ。
 制服姿の俺とまだ着替えてないので制服姿のままのほのか。
 俺はこのままコップを取るかと思ったのだが、いきなり唇を奪われた。
 触れるだけだったが、俺の動悸は異様に速くなった。
「ごめんなさい」
 なぜかほのかは謝っていた。
「こんなに効き目があるなんて、思わなかったから」
 今度は強引に唇を奪い、舌を侵入させる。
 こんなに積極的迫ってくるなんて、思いもしなかった。
「やっぱり成績がよくなっても、私、ばかなままだった」
 ほのかは俺を押し倒す。抵抗するわけにもいかないので、そのまま倒れた。ほのかは俺の上に座り込む。
 これはまさか。
 マウントポジション。
「ねえ、埼君」
 俺を見下ろすほのかは不適に笑みを浮かべている。
 少しだけ後ろに下がったと思ったら、前かがみになり、俺の体に擦りつけるように前後に動かしている。
 ま、マジ?
 一人だけ乗り気になっていた。
 順番なんて全く無視だ。
「いいよね」
 だが、拒否などできなかった。
 初めて同士というのは、やっぱり不慣れというのが一番の問題になる。
 やり方というより、緊張がまず先に出てしまって、相手に触れようとしても手が震えてしまう。
 それなのにすでに理性が吹き飛んでいるほのかはすでに快楽を得ようと俺を誘う。
「初めては埼君にして欲しいから」
 ほのかはゆっくりとベッドに移動する。
「本当にいいのか」
 それこそ本当に今更だった。
「うん。お願い……早くして」
 普通、相手に触れて、少しずつ盛り上げていくものだと思っていたが、こうも先に相手が勝手に準備万端になってしまうとそれはそれで残念だった。
 だって、俺はこれが初めてだから。
 奈津美が本気で俺に迫ってきたことはあったりする。だが、相手の体に触れ、相手のものをいじる。結局、その程度で終わってしまっていた。
「脱がすよ」
 いちいち言わなくてもいいと思ったが、やっぱり口に出して、了承を取った。
「うん」
 制服のリボンの外す。シュルシュルっと簡単に取れた。
「埼君」
「なに?」
「じれったいから、自分で脱ぐね」
 ほのかは体を起こし、あっという間に脱ぎ捨てた。
 すでに俺が愛撫するまでもなく、蜜があふれ出ている。 
「ほのか」
 女の子なんだからムードぐらい大切にしよう、と言いたくなった。それなのにほのかはやることしか考えていない。ほのかの手は俺のものをズボンの上から触れている。
「埼君」
 俺はベルトを外し、ズボンを脱ぐ。
 そしてトランクスも脱いだ。
 俺のいきりたったものをほのかは優しく触れる。
「埼君」
「ほのか」
「んんっ……はあ……」
 キスをする。そして目だけで合図をする。
 すでに俺が愛撫するまでもなかった。
 ほのかは頷く。
 俺は自分のものをほのかのものに近づける。
 そして入れようとした。
「ああっ……」
 ビクっとほのかは体を振るわせる。
「一気に入れるから」
 じわじわやるよりいいだろうと思い、一気に挿入した。
「……っぁ……いっ……」
 痛みで顔を歪ませた。
「大丈夫か?」
「うん。思ったより痛くないから。それより動いて」
 俺はゆっくりと腰を動かす。
「あっ……ふぅっ……ああっ……いっ……」
 気持ちいい。
 こんなにもいいものなんて、知らなかった。
 初めはほのかのことを考えていたのだが、段々と動きが激しくなっていく。
「あっ……んっ……ふぅん……ああっ……」
 ほのかもすでに痛みなんてないらしい。
 俺は容赦なく、突き上げる。
「ああぁ……あっ……いいよ……もっと……あっ、だめ……もう……」
 俺も限界だった。
「埼君……ああっ……」
「俺も」
「ああああっ」
 もう限界だった。
 その時、ほのかは俺の背中に手を回し、俺を抱きしめる。
 俺は引き抜こうと腰を引いたのだが、ほのかは足を絡ませて逃げられなくする。
「ちょっ、ほのか」
 まずい。このまま中に出してしまう。
 そうは思っていても、我慢できるわけがない。
「あああああああああああああっ!!」
 大きな嬌声と共に、俺も果てた。
 どくどくと容赦なく、ほのかの中に流し込む。
「はあ……はあ……」
 俺はほのかの上に覆い被さる。
「ほのか。いいのか?」
「埼君のなら、いつだっていいよ。もちろん何回でも」
 ……やばいだろ。
「ごめんね。埼君。まさかこんなに効き目があるなんて思わなかったから」
 ほのかはさっきより少し余裕になったようで、ちゃんと理性というものがある。
 いきなり押し倒されたりする心配はなさそうだった。
「効き目?」
「薬、わかりやすく言えば、媚薬のこと。はあ……あずさのをこっそりと頂いたんだけど、これほど気持ちよくなるなんて」
「あずさ?」
 初めて聞く名前だった。
「私の妹。知らないの?」
「いたんだ。知らなかった」
 こんなものを持っている妹もかなりイカレているに違いないと思った。
 ……妹?
「妹って言うとほのかより年下……」
「年下じゃない妹はいない……こともないけど、大体年下でしょう」
「ってことは中学生か」
「大正解。……もしかして興味あるの?」
「いや、イカれた中学生だな」
「私もそう思う」
 ほのかは軽く息を吐いた。
「こんなことなら埼君の飲み物にも入れておくべきだった」
「だまし討ちだけはやめてくれ」
「そんなことはしないから安心して。……」
 ほのかの意味深な沈黙が気になった。
「どうした?」
「初めてはとても痛いって聞いたんだけど」
「ああ」
「全然痛くなかった」
「痛くなかったのなら、いいんじゃないのか?」
「私としては重要なんだよ。あの痛みを感じたかったのに。これっぽっちも痛くなかった。やっぱり薬を飲んだのがいけなかったみたい。痛かったのは入れた時だけだったから」
 媚薬で理性が吹き飛ばされていたのだから、こうなるのも仕方ないかもしれない。
「埼君。もう一回ぐらい平気だよね」
 ほのかは俺を下にして、見下ろしてきた。
「第二ラウンド開始だよ」
 俺のものを握り締めたかと思ったら、いきなり擦り始めた。ものの数秒で勃起し、それをほのかは自分のところへ導く。
「ほのか。ちょっと待って」
「ああっ……はぁ……さっきよりいいかも」
 ストンと腰を下ろしたほのかはすぐに動き始める。
 話を聞けよ。
「んっ……ふぅ……ああっ……」
 ほのかは俺に胸に手を置き、腰を振る。
「はあ……ああっ……んっ……」
 ほのかは腰に力が入らないのか、徐々に動きが鈍ってきている。
「お願い。動いて」
 俺はほのかを突き上げるように腰を動かす。それにあわせるようにほのかも動き始めた。
「ああっ……んっ……気持ちいい……初めてなのに、こんなに……気持ちいいなんて」
「ほのか」
「いいよ。埼君。中に出して」
 思った以上に限界が速かった。
「あっ……あああっ」
 また精液をほのかの中に流し込む。
 …………。
 ………。
 ……。
 …。
 俺を殺す気ですか。
 ミイラになりかけている俺はすでに動く気力がなかった。
「5回ぐらいでへばるなんて……」
 正確には6回だったが、訂正する気力がなかった。
 そんなことを言うほのかだったが、満足はしたようで俺にキスをする。
「やっぱり薬は怖いね」
「頼むから、一人で盛り上がらないでくれ」
「なら、今度は一緒に薬を飲む? 何なら飲み物にこっそり仕込んでもいいし」
「それだけはやめてくれ」
「冗談だから、そんなに怖がらないで」
 ほのかは俺に軽くキスをした。

 シャワーを浴び、家に帰る準備をした。
 さっきまでほのかは必死に引きとめようとしていたが、どうやら諦めてくれたようだ。
 俺はほのかの家族と会いたくないから、すぐに帰りたい。
 時刻はすでに8時になっている。
 それなのに、ほのかの家にはまだ俺たちしかいない。
「本当に帰るの?」
 少し寂しそうにしているが、これ以上引き止める気はないらしい。
「ああ」
「もう少ししたら、あずさだって帰ってくるのに」
「俺はその前に帰りたい」
「残念。いつもならもう家にいるはずなのに、今日に限って遅いから」
「それは好都合だ。今のうちに帰る」
「わかったから」
 ほのかは微笑み、俺を抱きしめる。
「埼君。明日、一緒に遊びに行こう」
「いいけど」
「本当! なら明日、10時に駅前にある喫茶店で」
「ああ」
 最近、俺って流されるまま流されている気がする。

 ぞっとする思いで、家に帰ってきた。
 家の鍵はかかっていない。何の抵抗もなく、ドアが開いた。
 いつもならしっかりと鍵をかけている奈津美だが、今日に限って違った。
 そうか。俺は鍵なんて持っていない。だから、開けておいてくれたのか。
 家の中は真っ暗だ。明かりはひとつもついていない。
 俺は玄関の明かりをつける。
 少しだけ落ち着いた。
「姉さん?」
 返事はない。
 嫌な予感がしていた。
 もう後戻りは出来ないことが起こる気がしてならない。
 とにかく俺は自分の部屋に戻った。
 階段を上がる。自分だけの足音が聞こえる。
 あまりにも静かだった。
 自分の部屋のドアを開けるとそこに奈津美がいた。
 外から入る僅かなのみ。そんな光だけの部屋だった。
 俺が入ってきたことを確認した奈津美はゆっくりと近づいてくる。
 奈津美は俺を抱きしめた。
「彰人。風呂に入ってきたの?」
 気づかれている。
 もう何をしてきたか、なんて言わなくてもわかっている。
「今、帰ってきたばかりだよね。どこで風呂なんて入ってきたの?」
 奈津美がいくらその答えをわかっていようとも、答えられなかった。
「どうして言ってくれないの?」
 淡々としている奈津美が怖い。
「教えてくれないんだね」
 奈津美は俺に柔道の技をかけるように足を払った。完全な不意打ちだったので、そのまま綺麗に宙に浮いた。
 ドン。
 倒れた俺の上に奈津美は座り込み、着ていたものを脱いでいく。
 上半身だけ裸になった奈津美の目が潤んでいた。
 どうしてこんなにも切羽詰っているのか、俺にはわからなかった。
「もう我慢できない。耐えられない。いいよね。彰人。私のはじめてを受け取って」
 俺の返事など待たずに、奈津美は始めた。
「姉さん、俺は……」
「してくれないの?」
 俺が拒否しようとしているのが、わかったのか、奈津美は悲しそうな顔をする。
 俺はその顔に弱かった。
 だからと言って、こんなことをしていい訳がない。
「彰人、彰人ならすべてを見せてあげられる。結城じゃないけど、私は彰人にだったら、何だってしてあげる」
 俺は必死に言葉を捜すが、出せる言葉なんて見つからなかった。
「無言はいいと受け取るよ」
 奈津美は俺の答えなど待ってくれなかった。
「姉さん」
「なに?」
「こういうのは……」
「だめなの?」
 奈津美は目を細くする。
 最終警告のようにも聞こえる。
 ここでするか、しないかで、大きく変わる気がしてならない。
 どっちにしても悪い方向になる。
 なら、俺は決めた。
「俺は姉さんとはそういうことを……」
 あまりにも冷たい表情をしていたから、言葉を止めざるを得なかった。
「彰人。私が姉だから、してくれないの?」
「そういうわけじゃ」
「なら、いいでしょう。ここじゃ、痛いだろうから移動しよう」
 強引に引っ張られる。
 俺は立ち上がり、そのままベッドに寝転んだ。
「姉さん」
「なに?」
「やっぱりやめ……んっ」
 キスされた。
 これ以上言わせない為だろう。
 舌が入ってくる。
 くちゃくちゃと舌を蠢かせ、貪られる。
「んっ……ちゅっ……はぁ……」
 奈津美の体温が伝わってくる。
 俺は覚悟を決めた。
 ここまでしてきたんだ。
 どうせ奈津美は引き返せない。
 奈津美の胸を触った。
 直接感じる奈津美の胸の感触。
「彰人ぉ」
 受け入れたことを理解した奈津美は涙を流す。
「姉さん、本当にいいんだな」
「うん。こうなることが夢だったから」
「わかった」
 もしこれが初めてだったら、どうなっていただろう。お互いがぎこちなくあれこれとしていたかもしれない。
 俺はほのかとしている時より、周りが見えていた。
 奈津美の表情、奈津美の鼓動、すべて伝わってくる。
 俺はほのかの時には出来なかった、する余裕すらなかったとも言うけど、自分から相手を気持ちよくさせようと胸を触った。
「ねえ。その前に彰人も脱いで」
「ああ」
 お互い全部服を脱ぐ。
 裸になった奈津美はすぐに俺を抱きしめる。
 柔らかい感触。
 奈津美の胸が押し潰されるような形になっている。
 俺は奈津美にキスをする。
 さっき奈津美がしてきたことを俺はそのまますることにした。
 舌を入れる。
 俺とは違い、すぐに奈津美は俺を受け入れる。
 お互いの舌が絡み合い、卑猥な音が響く。
 俺はゆっくりと奈津美の胸に手を当てる。
 一旦、キスを止める。
「姉さん」
「うん。いいよ」
 俺は奈津美を上に覆い被さる。
 ゆっくりと、気持ちよくなるように、奈津美の胸を触っていく。
「んっ、あっ……」
 さっきまで受身だった俺が逆の立場になっている。
 俺も、奈津美も経験なんてない。
 俺の場合は今日、ほのかとしたぐらいだ。
 何をしたらいいのか、あまりよくわからない。
 少し不安になってきた。
「姉さん。して欲しいことがあったら、言って」
「彰人」
「なに?」
「奈津美って呼んで」
「ああ。奈津美」
「ああっ」
 奈津美はそれだけで嬌声をあげる。
「キス、して」
 俺は奈津美の言うとおりにする。
 だが、これ以上、奈津美は何も言わなかった。
 俺のすることに何一つ文句は言わない。
 すべて受け入れている。
 十分すぎるぐらい愛撫を続けている。
 もう大丈夫だろうと、指を奈津美のものへ入れる。
 ねちゃ、と音が聞こえた気がした。
「んんっ」
 キスをしたままのせいで、声が漏れるだけで終わった。
 俺はキスをやめる。
「奈津美の、こんなに濡れてる」
 俺はかき回す。
「いやっ」
 恥ずかしがる奈津美が珍しく、そして何より、嬉しかった。
「ああっ……ふっ……いいよ、気持ちいいよ……彰人」
 俺はそのまま指で奈津美の中をかき回す。そして完全に立っている乳首を吸い上げる。
「だめ、彰人……ああっ……だめ……」
 どうやらやりすぎたらしい。俺はすぐにやめる。
「もう大丈夫だから」
 奈津美は完全に勃起したおれのものに触れる。
「ああ。わかった。なら、入れるよ」
「うん」
 やっぱり苦しんでいるのに入れるのは、躊躇する。
「いっ……はぁ……」
 少し入れようとしただけで、苦しそうにする奈津美が俺は痛かった。
「やっぱりやめた方が」
「だめ! 大丈夫だから。……一気にして」
「わかった。なら、入れるから」
 俺は躊躇する。
 ほのかの時は何一つ躊躇しなかったのに、今は違った。
「早くして」
「わかった」
 どうせなら気持ちよくさせたかった。痛みだけで終わせたくなかった。
 俺は本当に覚悟を決めた。
 一気に俺のものを入れた。
「いいっ、あっ……」
 これ以上声が出せないのか、息が漏れる。
「はぁ、はぁ」
 大きく息をする奈津美は涙を流している。この涙は痛かったから。それがわかってしまった俺はその涙を手で拭う。
「大丈夫?」
「うん。やっと彰人と一つになれた」
 痛いなんて言うはずがない。痛いはずなのに逆に微笑む。
「私は大丈夫だから、動いて。彰人に私を感じて欲しいから」
「ああ」
 ゆっくりと俺は動く。
「いっ……」
 顔を歪ませる奈津美。
 だけど、やめるわけにはいかない。
「彰人……遠慮せず、好きなように動いて、お願い」
「わかった」
 俺は腰を振る。
 一刻も早く終わらせたい、という気持ちがあった。だけど、他の気持ちもあった。
 これが背徳なのだろうか。
 ほのかの時とは違った快楽があった。
「……あっ……ん、ああっ」
 相変わらず苦しそうにしているが、徐々に痛みも少なくなってきているようだ。
 俺もそろそろ限界が近い。
 だめだ。出る。
 俺はほのかの時の教訓を得たのか、ちゃんと外に出せるように警戒していた。だが、そんな必要もなかった。奈津美に余裕はなかった。
「あああっ」
 俺は寸前のところで腰を引いた。
 奈津美の腹に白い液がかかる。
「はぁ……はぁ」
 俺は限界だった。
 今日だけで7回だ。
「……奈津美」
 俺は軽くキスをした。
「彰人。ありがと」

 俺は奈津美の身体を綺麗に拭いた。
 そしてすでに奈津美は俺の腕枕で寝ている。
 少しばかり腕が痺れてきたが、あまりにも気持ちよさそうに寝ているものだから、起こせなかった。
「姉さんのことは好きだ。それだけは変わらないから……」
 聞いていないだろう。
 俺はこんなことをするような『好き』ではなかった。だけど、元々ある『好き』の気持ちは変わらない。
 奈津美は寝てしまったことだし、俺もそろそろ寝ることにした。
 ……あ!
 ほのかと約束があった。
 ベッドの上に置いてある時計を空いている片手で取る。
 3:27。
 10時に集合だから、9時半に出れば、間に合う。
 俺は9時に目覚まし時計をセットして、さっさと寝ることにした。


次回予告!
千 夏「また私の出番がなかった」
さやか「私も」
千 夏「こんなことをいつまでも続けるなら、ぶっ殺してやるから」
さやか「千夏。言葉遣いが」
千 夏「え?」
さやか「こっほん」
千 夏「にゃはは」
さやか「さて、二人の処女を食ってしまった彰人」
千 夏「ねえ知ってる? 初めてした女はその相手に対して結構しつこいんだよ」
さやか「怖いね」
千 夏「怖いね」
さやか「さて、ついに前半戦も終わり、折り返し地点」
千 夏「なんか、結城ばかり目立っている気がするんだけど」
さやか「作者が言うには『姉のお話はこれからだから』だって」
千 夏「どうせいちゃいちゃさせすぎて、放っておかれたんでしょ」
さやか「なかなか厳しいコメント」
千 夏「結城なんかより、私を出しやがれ!! そうしたら、私のお姉さんパワーで」
さやか「お姉さんというより、やんちゃな妹って感じ(ぐはっ)」
千 夏「にゃはは」
さやか「笑ってごまかさない。痛かったんだから」
千 夏「さやかは大丈夫でしょ。ベッドでいつも虐めて……」
さやか「はいはい。それでは次回予告」
千 夏「ふふふ〔不敵な笑み〕」

さやか「土曜日にデート」
千 夏「それはごく普通のカップルがすること」
さやか「その中に姉、奈津美が乱入する」
千 夏「まともな恋人同士でなくなっていく彰人とほのか」
さやか「奈津美はいつ何時でも離れないよう、彰人に付き添う」
千 夏「ほのかはそんな奈津美を見守る『余裕』があった」
さやか「意地悪な事を考えたほのかは彰人に優しく声をかける」
千 夏「『今日はどこでエッチする?』」
さやか「次回、6話『初めての土曜日は更なる波乱の幕開け』」
千 夏「『みんなに見られるって気持ちことなんだね。やっとわかったよ、みゆちゃん』」
さやか「こうご期待」

千 夏「その内、あの露出狂がメインになりそう」
さやか「有坂?」
千 夏「そうそう」
さやか「許せないね」
千 夏「胸がでかければいいのか」
さやか「いいのか〜!!」
千 夏「お後がよろしいようで」
さやか「やっぱりこの終わり方ってどうかと思う」




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