フィルシスはしばらくシャーレンの膝の上に抱かれてなでられた。
「鎖、似合ってますね。今日からこのままでどうです?」
悪戯に笑って聞かれた。
「…っ!」
フィルシスはまた拳でシャーレンの胸を叩いた。
「わかりましたよ」
鎖をはずされて、フィルシスは渡された部屋着を着る。
「私はこの部屋の掃除の続きをします。あなたは寝てていいですよ?腰、痛いでしょう」
シャーレンは自分も汚れた服を着替えて、シーツと一緒に洗濯籠に入れた。
「誰のせいだよ」
フィルシスが不貞腐れて、ベッドに寝転んだ。
掛け布団は掛けず、俯せで動かない。
ただ白い尻尾だけ、癖なのか、気まぐれにぶらぶらしていた。
そんな仕草が、かわいらしくてたまらない。

シャーレンは、部屋の掃除を終えてベッドの方を見ると、フィルシスは眠ったのか尻尾はベッドの上に垂れていた。
体を丸めて、白い耳はぴたりと伏せている。
子犬が陽だまりで眠っているようだった。
起こさないように静かに階下に降りて、浴場で汚れたシーツや服を洗った。
寝室に戻ると、ベッドの上で、放り出された足の裏の、薄紅色の肉球が見える。
再び触りたくなって、シャーレンはそっと近づいて押した。
「…っ?!」
びくっとして反射的に立ったフィルシスの尻尾をつかんだ。柔らかい。
「何するんだ…」
寝転んだまま、フィルシスが見上げる。
「この部屋は終わりました。別の部屋にいますから」
そのまま尻尾をなでると、手の平にそっと寄せてくる。
「…勝手に行けば」
声音はまだ不貞腐れたまま、フィルシスはそう答えた。
「わかりましたよ」
軽く耳をなでて、シャーレンは寝室を出た。
しばらく隣の部屋の床を掃いていると、フィルシスが入り口に立っていた。
「何ですか」
フィルシスは返事しないで、ただ扉の側に置いたバケツから、濡れた布巾を手にとって、テーブルを拭いた。
「手伝ってくれるんですね。」
「別に手伝うわけじゃないよ、暇だからするだけだよ」
「昔は喜んで何でも手伝ってくれたのに、意地悪になりましたね」
「シャーレンに言われたくない」
「それもそうですね」
フィルシスは、そんな答えを言う相手を、微笑んで流されるけど睨んだ。
視線をテーブルに戻すと、隅にほこりをかぶった花瓶が置いてあるのに気づく。
この部屋はほとんど入ったことがないから、今まで気づかなかった。
中身は空だ。
不意にローナに花をもらって、花瓶に差したことを思い出した。

ローナに出会って間もない頃、初めてもらったのはバラだった。
あの日の音と香りと情景が、フィルシスの頭に浮かぶ。
「フィルシスにプレゼントがあるの」
はにかんでそう言って、可愛らしい赤いバラの花束を差し出された。
「ありがとう、きれいに咲いたね。」
嬉しくて、照れて、自分の声も震えた。
「…フィルシスは…バラの花言葉、知ってる?」
ローナはしばらく花をながめて、恥ずかしそうに聞いた。
「花言葉?ごめん、知らない。何ていうの?」
しばらく何か考え込んで、くすりと笑みを洩らして答えた。
「…やっぱり教えない」
頬を林檎のように赤らめてる。
「え?どうして?」
「じゃ、私、もうお祈りに行かなくちゃ。またねっ」
はぐらかすように笑顔で答えて、走って行った。
今でも鮮明に思い出せる、遠ざかっていく後姿。
それでその後、バラを持ったまま、シャーレンに聞きにいった。
「シャーレン、バラの花言葉って、何か知ってる?」
「…そのバラはどうしたの?」
「ローナにもらったんだ。でも、花言葉を教えてくれないんだ」
「…自分で図書室で調べてごらん」
微笑んで、そう答えただけだった。
何で誰も教えてくれないんだろうと思ったけど、花言葉の書物を見て鼓動が高鳴った。
赤い薔薇の花言葉は゛私はあなたを愛してる゛

我知らず物思いに耽って花瓶を眺めていると、シャーレンに後ろから抱かれた。
「…何か挿したいですか?」
昔を思い出して不意に寂しくなって、振り向いて抱きつき返した。
「…別に」
この世界で見た花は、造型がきれいでも、黒や灰色ばかりで、あまり飾りたいと思うようなものではなかった。

「少し休憩しましょう。」
ソファに座ると、シャーレンにまた抱かれる。
フィルシスはその胸にそっともたれた。
「今日は何が食べたい?」
食事はいつも、全部シャーレンが作ってくれる。
自分が飽きないように、毎日色々メニューを変えて…
「何でもいいよ…」
自分の好きなものも、嫌いなものも、味付けも全部知ってるのだから。
その日から、トイレだけはいつも通り頼むまで、拘束具をはずしてもらえなかったが、その日も次の日も、言った通り本当に抱かれなかった。
湯船の中で肌と肌が直接触れ合っても。
「ん…」
膝の上に乗せられ、後ろから手を回されて抱き寄せられた。
黙ってもたれているだけなのに、直接感じられる肌の感触にどきりとした。
今まで他の誰に触れられても抱かれても、こんなに早くなる鼓動を感じたことはない。
「感じているんですか?」
見透かしたように、意地悪に聞かれる。
「違う…」
あんなに毎日犯されて、抱かれて、調教されたせいか、触れられただけで体の奥に熱を感じた。
自分の身体で、その手がまだ触れていない所はもうない。
青い目がまだ見ていない所はもうない。

屋敷の地下以外を全て掃除し終わった三日目の晩、フィルシスは台所でいきなり抱きしめられた。
「苦しいよ…」
「もう私が我慢できません」
シャーレンの言葉の意味がわかって、フィルシスは身をよじった。
「やだ…」
「私に従うしかないと知っているのに?」
「……」
フィルシスは仕方なく、腕の中で体の力を抜いた。
そうすると、耳を優しくなでられる。
「まずはここをきれいにしましょうね」
「や…」
尻に触れられて、浴室に連れていかれた。
服を脱がされる。
「や…っ!」
何度もされても羞恥心が消えることはない。
タイルの上に仰向けに押さえ付けられる。
「んんう…!」
肛門に冷たい浣腸液が注ぎ込まれた。
何度されても気持ち悪い感触。
「く…ぅ…」
腹が膨れるまで入れられ、液が漏れないように栓をされる。
「少し我慢しなさいね」
シャーレンの膝の上に、仰向けの上半身を乗せられ、足を開いて局部を晒すような格好をとらされる。
尻尾は汚れないように体の下に敷かれた。
「嫌…っ」
あまりの恥ずかしさに涙がにじむ。
「ん…っ」
膝の上に抱かれたまま、次は性器の拘束がはずされ、尿道にカテーテルが通される。
かきわけるような痛みと、奥を刺激する快感に、無意識の内に腰を揺らした。
後孔からも、尿道からも前立腺を刺激されて、たまらずに漏れそうになる喘ぎを、必死にこらえる。
「嫌だ…ッ!」
緩く股間のものを握られて、足をばたつかせていると、胸の先端をこねられた。
「はぁ…っ!」
途端に、眉をひそめていた顔から、耐え切れずに甘い喘ぎが洩れる。
細い管の先端から、ぽたりと黄色い雫がたれた。
「やだ…!もう…やめ…っ」
雫が垂れたかと思うと、勢いよく液があふれ出た。
フィルシスは羞恥に目をきゅっと閉じた。体が震える。
「んあぁ…っ!あ…」
それでも乳首を愛撫され続けて、快感の中で放尿させられた。
放尿が気持ちいいと、錯覚しそうになる。
「あぁ…は……っ」
長い間、聞くだけで恥ずかしい、じょろじょろという水音と、床に跳ね返る飛沫がぴちゃぴちゃという音を立てて、尿を排出した。
見られているのがこんなにも恥ずかしいはずなのに、体の奥が疼くような気がする。
カテーテルの先端から迸りが止まると、再び性器を戒められる。
「気持ち良かったのですか?おしっこさせてあげただけなのに」
順調に開発されていくフィルシスの体の様子を見てシャーレンは微笑むと、羞恥に目を閉じた膝の上の顔を覗き込んだ。
嫌嫌をするように、フィルシスが首を振った。
「こっちもそろそろ出しましょうね」
ふっと笑って、肛門の栓に触れる。
「や…ッ!嫌だ…!」
フィルシスがうわ言のようにそう呟く。
シャーレンは耳をなでたまま、栓を抜いた。
「やぁ…見ないで…っ」
自然と腹が上下して、肛門が収縮しだす。排泄を自分で止めることはできない。
フィルシスは恥ずかしさに再び目を固く閉じた。
だが、上から自分をじっと見るシャーレンの視線を意識できる。
長くて細い指が、股間に触れた。
「あぁ…っ!は…ッ」
前をいじられながら、乳首をこねられながらさせられる。
便が、後孔の内部にすれて出て行く感触だけでも、感じ始めてしまう。
浴室に便の飛び散る時の、びしゃびしゃと醜い音が響く。
敏感な部分を弄くる手は、中心が立ち上がるまで止まらなかった。
「や…ぁ…」
出し終えても、まだ洗浄が残っている。
「…んくぅ…っ!」
再び管を挿入され、排泄の余韻にひくつく肛門に洗浄液を入れられる。
その度に音を立てて、何度も収縮する後孔を見られる。
恥ずかしさに涙が止まらなかった。
「こんな淫乱な体で、よく三日も我慢できましたね」
すっかり立ち上がった先端をなであげると、ぴくぴくと震えた。
「や…だ…」
フィルシスが恥ずかしさと悔しさにすすり泣く。
それでも、例えこんなに泣かせても、どんな姿も全部自分のものにしたかった。
浴場を流すと、濡れた体をタオルで拭いて、泣き止むまでしばらく抱いた。

裸のまま、抱き上げられて、寝室まで運ばれた。
サイドテーブルにあの魔術の本がまだ置いてあった。
シャーレンがベッドに座って、ページをめくる。
「今度は少しずつ出す魔法ですよ」
「少しずつ…?」
フィルシスは恐る恐る聞きかえした。
「そう、一回の射精量が極端に減る呪文ですよ。だから一回どころか、何度達しても足りなくなるみたいですよ。」
「や…」
この先が目に見える。
「三日分溜まってるでしょう?何回で全部出し切れるでしょうね?」
意地悪く笑ったまま、反り返ったままの性器をなぞる。
「やだ…」
フィルシスは悪戯の企みに怯えた。
きゅっと黒いローブを握る。
「いいって言わなくても無理矢理するって、わかってるんでしょう」
「わかってるよ…ばか…」
すでに立ち上がったものがもどかしいのか、フィルシスは今度は殴ってこなかった。
シャーレンは、俯いたフィルシスを強く抱いた。
「あ…っ」
「でも私も三日も我慢したんですから。今日はたくさん可愛がってあげましょうね」
「や…!」
シャーレンがフィルシスの耳元でそうささやくと、びくっとした。
これから与えられる快感と疼きと苦しみに。
ベッドに押し倒して、呪文を唱えた。
「…やぁ…」
「これは一度イってみないと、効いたのかどうかわかりませんね」
意地悪に微笑む。
「……ん!」
仰向けに寝かせた体の脇腹をなぞると、びくりと震えた。
指を胸の先端に移し、こりこりと潰すように押さえ、一つ一つ反応を確かめて責める。
「あぁ…ッ!はあ…ぁ……!」
フィルシスはか細い喘ぎをあげて、体をよじらせた。白い尾がはねた。
辛いのか、太ももを擦り寄せて、もぞもぞと動く。
「やぁ……」
シャーレンはその間に手を滑らせた。
「んあ…っ」
シャーレンの指が、辿り着いた割れ目の間に軽く触れると、フィルシスは欲しがるように自分から腰を浮かせ、大きく足を開いた。
微笑んで、シャーレンは軽く触れていた手を離して、フィルシスの足を開いた姿をじっと眺めた。
「やぁ…」
視線を感じて、自分から足を開いてしまったことが、さらに強く収縮しだす後孔が恥ずかしい。
頬が赤く染まる。横を向いて、フィルシスはきゅっと目を閉じた。
「そんなに欲しかったのですか?」
上からじっと見たまま、シャーレンが意地悪に聞く。
「ちがう…」
さらけだされた後ろは、ひくついていた。
素直に答えた方が楽なのに。
「こんなにひくつかせているのに?嘘をついて悪い子だ。
あなたが素直に答えるまで、泣き叫ぶぐらいずっと焦らして、苦しくなるほど何度もイかせてあげましょう」
「やあ……ッ!」
シャーレンは後ろには入れてやらずに、そこに触れるか触れないかの所に指を這わせた。
「あぁ…っ!ふ…あ…っ」
シャーレンの指が肛門から足の付け根に移った。
ゆっくりと敏感な内股の肌をなぞっていく。
足が震えた。快感で閉じることができない。
「…やぁ…っ!」
今度はもう一方の手で、そそり立つ前を軽くいじられた。
そうされると、肌に触られるだけで気持ち良いような感覚に陥る。
「も…やぁだ…」
呻いて緩慢に身をよじった。
それでも無言で、全身の肌を撫で続ける。
ただ、深い海のような目が、自分の動き一つ一つを全て見ているのを感じた。
触れる場所と、触れ方と、その時自分がどんな表情を見せるか、確かめるように。
甘い喘ぎだけが部屋に響くのを聞いて、シャーレンの端正な顔に満足気な微笑が浮かんだ。
「…はあっ」
全身の肌の表面を、くまなく撫でる指がむず痒い。
「んやぁッ…!」
乳首と耳は特に丹念に摘む。
色づいて尖ったそこを、くにくにと、根元を摘んで、先端に向かって、ゆっくりとこね上げる。
親指と中指で摘んで伸ばした胸の先端を、人差し指で軽くつつくと、腰が跳ねた。
体がひっきりなしに波打った。尻尾がもどかしそうに揺れる。
「あぁ…んっ…!」
時折体に口づけられた。その度に体がはねた。
「や…」
長い時間をかけて、体の全ての箇所を撫で終えても、指はまだ離れない。
泣くように蜜を流す前からも、まだ離れない。
苦しくて、気持ち良くて、恥ずかしくて、目からも涙がにじんだ。
「辛いですか?」
やっとシャーレンが聞いた。
「ん…っ」
喘ぐしかできず、フィルシスは呻いて頷いた。
「何か言いたいことは?このままがいいんですか?」
ひくつく後孔の表面を人差し指でなでた。
「あぁっ…!」
シャーレンが入り口付近をなぞる。
蓄まっている熱のもどかしさに涙がまたあふれた。
「やだ…や…だ…」
正直に言いたくない。
それでも、こんなに自分を追い詰める指で、こんなに自分を乱れさす指で、感じるところを執拗になぶられて、何も考えられない。
「ほしい…」
耐えられなくて、喘ぐように呟いた。
「わかりました」
シャーレンはにやりとして、窪みに指を強く当て、少しずつ指を入れて焦らした。
「あ…あっ」
弱点に届きそうで届かないところを責めると、身をよじってさらに奥へ引き込もうとする。
「ん…や…!」
フィルシスがそんな自分に気付いて、呻いた。
「ほら、次はどうしてほしい?」
その様子を面白そうに眺めてシャーレンは、指はまだ、入り口付近から進めないでいた。
「やだ…あっ…」
フィルシスは首を振って泣きじゃくった。
もうこれ以上は恥ずかしくて言えなかった。
だが体の疼きがもどかしい。
胸にも内股にもじとりと汗がにじむ。
喘ぎが抑えられない口の端から涎が流れた。
前も後ろも止まらずにひくついていた。
「またさっきのように、肌をなぞるだけの方がいいと?」
そう言って、遊ぶように、反り返った中心を指の腹でゆっくりなぞられる。
柔らかく押されながら、上っていく指の感触に、フィルシスは体までも反り返った。
「く…あぁん…っ!」
全て見透かすような、シャーレンの青い瞳が上からじっと見た。
自分の全てを見た目。見られるだけでこんなにも熱くさせる視線。
体中を疼かせていく美貌。
「……かきまわして…」
涎を垂らしながら、フィルシスは淫らな望みを口にした。
恥ずかしさに顔がさらに熱くなる。
それでもシャーレンの意地悪な笑みはまだ消えない。
「かきまわすのは、このくらいでいいですか?」
ひくつく窪みには少ししか指を埋めない。
辛そうにフィルシスは腰をくねらせた。
もどかしさに、無意識のうちに口走り出す。
「…んぁ…もっと…!」
「もっと何?」
微笑んで、シャーレンはわざとらしく聞く。
「ぐちゃぐちゃに…」
フィルシスはすすり泣いて声を振り絞った。
「こうですか?」
指を一気に三本まで増やし、弱点を強く突いて内襞をかき混ぜた。
「あッ…はっ…やあぁッ!」
いきなり与えられた強烈な快感にフィルシスの腰がくねった。
尾が揺れる。
「あん…もっ…イかせ…っ」
我を忘れて淫らに叫ぶ。
シャーレンはしばらくそれを眺めて、フィルシスの拘束を解いた。
「あぁ…ッ!」
ほんの少しの白い液が、晒された下腹部を汚した。
「本当だ、少ししか出ませんね」
面白そうにそう言った。
まだ萎えていない性器をなぞって、もう一度戒める。
「やぁ…まだ…!」
引かない体の熱に呻く。まだ体にたまってる。
「だめですよ。今日はたくさん可愛がってあげると、言ったでしょう?」
きれいな顔に浮かぶ優しさと冷酷さの混じる笑みにぞっとした。
それでもその微笑に体の奥の熱が呼び起こされる。
ただの快感だけではない何かがある。
本当に、他の誰に抱かれてもそんな風に感じたことはないのに。


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