「………!」
ラークは、はっと気づいた。
右腕が動かされている時は、剣を持っていない方の左腕は右腕程、魔法の力はかかっていないようだ。
自分の力量なら、最大限こめれば、なんとか動かせるかもしれない。
無理矢理動かして生じた、激しい痛みに耐えてながら、左腕で印を切った。
「来い、黒蹄!」
瞬時に黒い馬の幻獣が現れ、シャーレンの後ろに立った。
「……気づくのが、遅い…」
ため息を洩らしながら微笑んでシャーレンは、体勢を低く崩した黒馬に横乗りした。
「ハウゼン…どこにいるかは知らないが、私は必ず、その子を取り戻しに来るからな」
声を出すたびに、傷口がずきずきと傷んだ。大声を出すと、激痛が走った。
だが、フィルシスにそれだけは伝えなければならなかった。
「ラーク…私をこんな目にあわせて…
もう一度会えた事を必ず後悔させてやるから、殺されるなよ…」
最後の力を振り絞ってそれだけ言い残して、シャーレンは駿足の馬を走らせた。
「な……!」
ハウゼンは驚いて、召喚していた魔物を向かわせようとしたが、次の瞬間、そこに馬はいなかった。
「それは楽しみだな…」
シャーレンが逃げた事を見届けると、ラークは、魔法に逆らうために無理をした事で力尽き、その場に倒れた。
「取り戻しに来るか…。まあいい…あの出血量では、すぐには動けないだろう…。
それよりお前には、会いたがっているやつがたくさんいるんだ」
くくっと笑って、ハウゼンが耳元で囁く。
そのまま何かを呟かれた。
「う……っ!」
それが何かわからなかったが、その途端に、体の力が抜けて、意識が遠のいていくのがわかった。
おそらく、使役する幻獣を操る類の呪文だったのだろう。
「シャーレン……」
涙がこぼれ落ちた。
止まらずにあふれ続ける。
気を失う寸前に視界に入った、床に残る血溜まりが、その場で見た最後の光景だった。

その後は覚えていない。
目覚めた時は、薄暗い小さな部屋だった。
武器は奪われて、冷たい石造りの床に転がされていた。
上体を起こしてみると、首輪に鎖がつけられていて、それがしゃらしゃらと鳴った。
「………」
あるのは鉄の扉が一つだけで、それ以外は窓も何もない。
自分以外誰もいない。
ここがどこなのかもわからない。
「シャーレン……」
そっと呟いた。
これは全部夢なのかもしれないと、願いをかけて。
夢なら絶対、起こしてくれる。
だが、返事は返ってこなかった。
当たり前だった。
早く来て欲しい。
側にいて欲しい。
だが、あの床に残った血の量を思い出した。
果たして無事なのだろうか。
また、涙で視界がにじみそうになる。
「………」
それに、ラークはどうなったのだろうか。
ラークも最後は力尽きていたのは覚えている。
二人とも、無事なのだろうか。
悲しみに暮れていると、鉄でできた扉が開いた。
ハウゼンと、後ろにまだ、人影がちらつくのが見えたが、扉が小さいため、よく見えない。
しかし、覚えのある匂いだった。
「気分はどうだ?」
立ち上がっていたフィルシスを見た、ハウゼンの低い声が響く。
近寄ってくるハウゼンと、その後をついてくるもう一人を見て、フィルシスは身を竦めた。
「ヴァイン…」
思わず呟いていた。
あんなに自分を憎んでいたのだから、やはり彼も離反していたのだ。
「オレの事、覚えていてくれたんだな」
目をすっと細め、ヴァインが、唇を歪ませた嫌な笑みを見せた。
近づいて来た二人に、フィルシスは思わず後退りしていた。
ハウゼンはどうかわからないが、少なくともヴァインが自分に何をしようとしているかは想像できた。
「おとなしくしていろ」
壁際まで追い詰められて、ハウゼンに腕をつかまれる。
自由な足で蹴り上げようとしたが、鋭く睨まれると、それはできなかった。
この世界に来たばかりの頃、シャーレンに動きを止められた頃を思い出した。
あの時、幻獣は主人には逆らえないと、言い聞かせられた。
シャーレンに抵抗できなかったように、今はハウゼンには抗えない。
仮にそうではなかったとしても、振り切るのは困難だった。
ハウゼンはラークと同じほど背が高かった。
その白い仮面の奥から、上から見下ろされるのがたまらなく不気味だった。
ヴァインはシャーレンと同じか、少し高いぐらいの背だが、騎士である分、体つきはシャーレンより遥かにたくましい。
以前は油断していた所の不意をつけたが、今度はそうはいきそうにない。じっと睨む目つきでわかる。
そんな二人に押さえつけられては、何もできなかった。
「お前はあいつの奴隷なのか?」
ハウゼンが、不思議そうに、何か考え込むように、フィルシスの首輪を見ながら低い声で言った。
「……違う…」
首輪を見られながら言っても、あまり信じてもらえそうにはなかったが、小さく呟いた。
「こいつはたっぷり調教されていますよ、初対面の男に無理矢理やられても、悦ぶぐらいに」
ヴァインのその言葉に、不思議そうにしていたハウゼンの表情が、元の嫌な笑みに戻った。
「ほら、脱げよ」
じれったそうに、ヴァインがフィルシスの服をつかむ。
「嫌だ…!」
「忘れたのか?お前の主人は今はオレだ。痛い目にあいたくないなら、言うとおりにするんだな」
再びハウゼンに鋭く言われて、フィルシスは仕方なく服を脱いだ。
一つ一つ、検分するように、脱いでいく間もじっと眺める二人の視線に、涙がにじみそうになったが、必死に堪える。
心まで、折れるわけにはいかなかった。
「華奢だな」
現れた白い肌を、ヴァインが好色的な目つきでじっと眺めた。
以前犯された時は、服は脱がされなかった。肌をさらしたのは初めてだ。
「面白い体だな」
珍しいものを見るような目で、ハウゼンに尾をつかまれる。
「犬のようだ」
尻尾を引かれながら、白い三角の耳から、狼の足まで、じっくり眺められる。
「ここは、剃られたのか?」
茂みのない局部を握られた。
敏感なその肌をなでられる。
「う…やめ……ッ」
次は性器につけられたままの拘束具に触れられた。
根元を締めるリングと、尿道口にはめられた器具を弄られる。
じっと観察されて、羞恥で頬に朱が差した。
「魔法がかかっているな、自分では、はずせないのだろう?これで性奴でなかったら、何だと言うんだ」
面白そうに、ハウゼンが唇の端を吊り上げて笑った。
「本当にヴァインの言うとおりか、具合を試してみるか」
ヴァインに笑いかけて、ハウゼンがフィルシスの片方の乳首を摘んだ。
「嫌だ…っ」
もう片側は、ヴァインに弄られる。
「たくさん弄ってもらってるようだな」
ヴァインは、普通の男よりも大きくなっているフィルシスの乳輪を見て、いやらしく笑った。
「ん…っ!」
じわじわと与えられる甘い刺激に漏れそうになる声を、フィルシスは必死に堪えた。
横に顔を背けたフィルシスが、固く唇を噛んでいるのを見て、ハウゼンが面白そうに笑った。
「声を出さないなら、喉なんて必要ないだろう、潰されたいか」
そう言って脅し、空いた手で、フィルシスの顎をつかんで顔を自分の方に向けさせる。
「いや…っ」
「随分いい顔をするんだな」
蕩け出した瞳と、半開きの口から漏れる甘い喘ぎに、ハウゼンがにやっと笑う。
「あ…ッん…ゃ…」
ハウゼンの弄り方は、鈍い痛みを与えているようだった。
押しつぶすように強く押さえられた後は、ちぎるように強く引っ張られる。それを繰り返された。
だが、それが与える痛みの痺れが、不明確な快感に変わっていく。
「あ…ッあぁ…ん…!」
その横でヴァインに、円を描くように乳首をゆっくり回される。
ヴァインの手は、ハウゼンやシャーレンよりも大きく、刺激を与えられる範囲が少し広い。
その指の動きは柔らかく、素直に自分に快感を与えようとしているようだった。
脅されずとも、声を抑えるのが辛くなっていく。
「相変わらず淫乱なやつだ」
体を震わせて、濡れた喘ぎをあげるフィルシスを見て、ヴァインが嘲笑った。
開発された体は、一つの性感帯を少し刺激されるだけで、すぐに体の奥から疼き始めた。
「お前、ここもだが、下も硬くしているな。これだけでもう勃たせているのか?」
乳首をいじりながら、ハウゼンもせせら笑う。
立ち上がっているフィルシスの股間のものを、睾丸から先端まで、指でつうっとなぞった。
「は…っあぁ…ッ!」
敏感な場所にいきなり触れられて、フィルシスの腰が跳ねた。
「いい反応だ」
そう言ってハウゼンは、今度はフィルシスの後ろに回った。
「こっちも淫乱だな」
背後に回ったハウゼンが、物欲しそうにひくひくしているフィルシスの肛門に、指を一本埋めた。
「んッ!」
十分解されないまま、いきなり入れられて、痛みが体を走る。
だがその痛みも、同時に快感に変わる。
もっと入れて欲しいとでも言うように、後孔は差し入れられた指をきゅっと咥え込んだ。
「食い付きがいいな」
一旦指を抜いて、後ろからフィルシスの半開きの口に、何本か咥えさせた。
「ん…ん…っ」
その指に舌をまさぐられて、ぴちゃぴちゃと舐める。
ヴァインに両方の乳首をいじられながら。
膝が震えた。立っている事さえ辛くなってきた。
「ん…っあ…!」
指を舐め終えると、引き抜かれた。
涎が糸を引いたその指を、再び後孔に入れられる。
「く…っやぁ…だ…」
そのまま後孔の中をかきまわされて、身悶えた。
「んあッ!」
一番良い所をぐっと押さえられて、思わず背を反らせた。
「ここか」
「はぅ…っ!…ふ…ッ…あ…!」
声が上ずった箇所だけを、じっくり押さえられ、フィルシスは腰を前に突き出して、一際大きく仰け反った。
「あ…っ嫌だ…も…ッ……!あぁ…っ!」
射精はできないが、イってしまった。
立っていられなくなって座り込んだ。
「はあ…ッは…」
「そんなに良いのか?」
ヴァインが、床に崩れ、口から涎を垂らすフィルシスを見下ろした。
「お前、後ろと乳首に触れられるだけでいくのか?」
フィルシスの前に戻って、ハウゼンも同じく、肩で息をつくフィルシスをじっと眺めた。
「う……」
二人に蔑みの視線を向けられて、フィルシスは羞恥に目を伏せた。
「出したそうだな」
面白そうに笑って、ハウゼンもフィルシスの前にしゃがみこんだ。
拘束具で根元を束縛され、入り口をせき止められている性器を眺める。
「ここも随分仕込まれているのだな」
拘束具をはめこまれ、拡げられている尿道をじっと観察された。
はめこまれているその器具を、指でくりくりと動かされた。
「…っいや……!」
敏感な先端に刺激を受けて、性器が震える。
「これでは自由にトイレも行けないな?あいつに一々頼んでいたのか?」
二人に、じっと局部を凝視され続けて、羞恥に顔を横に向けた。
「あいつはお前をどんな風に抱くんだ?
何もせずとも、イかせてくれたのか?そんなわけないだろう?」
好奇の目で、ハウゼンがじっと睨む。
「あいつに、いつも、どんなおねだりをしていたんだ?」
ハウゼンもヴァインも、唇を歪ませた笑みを浮かべてこちらをじっと眺めたままだ。
何も動く気配はない。
きっと自分がねだるまで、イかせる気はないだろう…。



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