翌朝先に起きたシャーレンは、昨夜ベッドに入った時と同じように隣でべったりくっついて、すやすや眠っているフィルシスの頬をなでた。
昨日の疲れでまだ眠っている。
柔らかいほっぺたをそっと摘んたり、つついたり、引っ張っても、少し呻くだけで起きない。
しばらく抱っこして、可愛らしい寝顔の額にそっとキスをして、ベッドから出た。
フィルシスを抱き上げて、地下室に連れていく。
台の上に寝かせて服を脱がせていくと、ぴくっと耳が反応した。
途中で目覚めても起き上がれないように、最初に首輪に鎖を繋いで台に固定した。
次に両足は、局部が良く見えるように開脚させる。
細い足首に拘束具をはめていると、フィルシスが目を覚ました。
「ぁう……」
ぼんやりとした頭で、きょろきょろと辺りを見回す。
「……シャーレン…」
やがて、自分を見つけて、困った顔をする。
「今、忙しいから、もう少し待ってくださいね」
優しく耳をなでてやった。
「毎日、毎日、何するの…!」
身をよじらせたが、すでに要所は拘束し終えているため、満足に動かせずにいる。
「すぐ終わりますよ」
腕を頭上でまとめて縛りあげ、胸や腰もベルトでしっかりと固定する。
最後に棒状の猿轡を噛ませた。
「今日は少し痛いかもしれないのでね、噛みやすい方にしましょうね」
そう言うと、目に怯えが見えた。
「んんう…ッ」
嫌々をするように首を振って、拘束具のガチャガチャとした金属音が響く。
「少し、待っていてくださいね」
壁際の棚に向かった。台の上の灯りは点しているが、その周辺は薄暗いままだった。
そこに置いてある幾つかの小道具を、車輪つきの小さな棚にのせてフィルシスの側に運んだ。
乗せていたものを見ると、フィルシスが怯えた。
注射器とメス。
今にも泣き出しそうなフィルシスの目の前で、まず昨日採取してきた草をすり潰したり混ぜ合わせたりした。
やがて嫌そうに顔を背けたフィルシスの様子が、面白くなってくる。
わざとかちゃかちゃと大きな音を立てると、白い耳が、びくっと立った。
「では、始めましょうね」
調合を終えて、不安そうなフィルシスの耳をなでた。
「んんう……」
優しく微笑んでも、怯えたままだった。
逃げ出したそうに、拘束された体をよじっていた。
そんなフィルシスの目の前に、メスを取って向けてみた。
「ん……!」
身じろぎしていた体を思わずぴたっと止める。
その様子が可愛らしい。
赤い瞳に映る中、メスに消毒液をかけて布で拭いた。
「これで、何をすると思います?」
灯りにメスが照らされて輝く。
聞いてみても、フィルシスは小さく首を振った。
「去勢するんですよ。ここ、切っちゃいましょうね」
メスの先を睾丸に軽く当てると萎縮したのがわかる。
「ん……っ!?」
フィルシスが驚いて目を見開いた。大きく首を振ってもがく。
「んんうー…!ふぅ…んん…っ!」
そのままメスを下ろそうとすると、猿轡の下からくぐもった呻きをあげて、必死に身をよじりはじめた。
それでも、幾箇所にも固定された拘束具がはずれるわけがない。
「ん…っん……っ」
無駄だと悟ったのか、暴れるのは止めて小さく泣き始めた。
しばらく部屋に響くすすり泣きを聞く。
「冗談です、あなたをからかうと面白いからね」
睾丸に当てていたメスを離す。
微笑んで、ぽろぽろと涙をこぼすフィルシスの頭をしばらくなでた。
「本当に切るのはここじゃないですよ」
男性器の貞操帯をはずした。
そのままでは下部にある女性器が見えにくい。
「んんう……っんん……!」
睾丸を揉み込んで、くびれを弄くって裏筋をさすり、勃起させる。
くぐもった喘ぎを漏らす口から、涎があふれ出していた。
はっきり現れた女性器の痛覚を失くすために、呪文だけ唱える。
「じっとしててくださいね。暴れて手元が狂って、どうなっても知りませんよ」
綿に消毒液を浸して、花びらを軽く拭く。
消毒した後、その最も上の部分にメスを当てた。
そのまま、陰核を覆っている包皮を切除していく。
「んくぅ……」
怯えて、フィルシスが呻いた。
メスが怖いのか、震えて動かないよう体に力を入れて、おとなしくしている。
「次はここを大きくする薬を入れてあげましょうね」
剥き出しになった陰核をなぞる。
メスを置いて、今度は注射器と針を手にとって消毒する。
その様子を見ていたフィルシスは再び青ざめた。
「んんう…ッ」
「大丈夫ですよ、痛みはありませんから」
何も感じないはずだが、注射器を挿しているのは分かるため、フィルシスはきゅうっと目を閉じている。
注射器に先程調合した媚薬を入れ、陰核の中心に針を刺した。
そのまま薬を注入していった。
「ここは終わりましたよ」
陰核が膨らみ始める。
呪文を解いて、感覚を戻した。
「く…っふぅ…んん……ッ!」
注入された媚薬が引き出す快感を感じ始め、フィルシスが喘ぎはじめる。
小さな粒のようだった陰核が、徐々に小指程の太さになって、男性器のように勃起し始める。
「今度はここです」
汗ばみ始めている乳房を揉んだ。
新しい媚薬を注射器に充填する。
「ん…ふ……っ!」
ぴくっと震えた乳首に注射針を刺した。
今度は乳腺に媚薬を注入していく。
「んぅ…ん……ふ…ッう…」
陰核だけでなく、乳首にも疼きを感じてフィルシスの喘ぎは止まらなくなった。
右を終えると今度は左の乳首にも入れる。
「気持ち良いでしょう?」
媚薬を入れ終えて、勃起している乳首を揉んだ。
「ぅ…っんん…ッ!」
触れると、体が大きく仰け反った。
びくびくと乳房が震え、白い液体が吹き出す。
「乳首までイくなんて、素晴らしい体ですね」
「んんう…っ」
頬を赤く染めたフィルシスが呻いて顔を横に背けた。
一回イった程度では出し切れず、うずうずするはずだ。
だが、震える乳房にはそれ以上触れずに、愛液を漏らしている膣を弄ぶ。
「こっちも玩具で気持ち良くなれるようにしてあげますね」
「ん…ふうぅ…ッ!」
びくっと跳ねる体。
内股を指でなでた。
白い尾が揺れる。
「ほら、これを一種類ずつ入れていってあげましょうか」
今度は様々な張り型をフィルシスに見せる。
「んん………っ」
適当に手に取ったそれは、いびつな形をしていた。
円柱形のその胴は水平に三つに分かれていて、表面に大小様々の突起が無数についている。
「これを中で動かすと、三つに分かれている部分の内、上下の部分は右に回転し、真ん中は左に回転します」
「………」
息を飲んで黙りこんだ。
きっと今、そういう風に動いた時を想像しているだろう。
「この突起も、引っ込んだり伸びたりして動きます」
「んぅ……っ」
嫌がって、身をよじったが、その瞳は潤んでいた。
濡れた膣はくちゅくちゅち音を立てながら、深々とその器具を飲み込んでいく。
「じゃあ動かしてみましょうね」
根元まですっかり入り込んだことを確認する。
呪文を唱えると、ゆっくり回転し始めた。
「んう…!ん…ッん…」
いびつな玩具が中で動く。快感で、股の間の白い尾が、ぴくんと跳ねた。
しかも動作の速度が場所によって違う。
膣への振動が、今は肥大し陰茎のように勃起している陰核にも伝わった。
「んーッ!んぅ…!」
回転の向きも速度も違う上に、まだ突起による刺激もあった。
ゆっくり伸びたり、素早く縮んだり、予測できない快感を与えていく。
白い内股がぶるぶると振るえ、拘束具のはめられた鈴口からも透明な先走りが漏れ出していた。
「ふ…んんぅー…ッ!」
激しい快感に、フィルシスの女性器はすぐに絶頂に達し、失神してしまった。
内股がびくびくと震え、時折指が、宙をつかむような動きをした。
股間の間から、愛液が小便を漏らしたように染み出している。
「これも試してみましょうね」
今の張り型をずるりと抜いた。
体液で濡れ光っている。
ぴくぴくと痙攣する体に構わずに、別の張り型を突っ込んだ。
「んう…ッ!」
別の刺激に体を仰け反らせて、すぐにフィルシスが目覚める。
「これは徐々に膨らんでいきます。中に仕込んである媚薬は、あなたがイく度に内部の変化を感じとって、射精みたいに放出されるんですよ」
言いながら、涎まみれの猿轡や、革のベルトの拘束をはずしていった。
腕だけは、後ろ手に縛りなおす。
薬の効いている乳房や陰核を弄くって自慰ができないように。
「もう…やぁ…シャーレン……っ」
抱き上げると、胸に頭をすり寄せてくるのが可愛らしい。
太股をもぞもぞさせて、小さな喘ぎを漏らすフィルシスを抱いて、そのまま地下室を後にした。
「はあ…ッ…いつになったら…戻してくれるの……」
居間のソファに座ったシャーレンに、膝の上に乗せられて、フィルシスは不安そうに呟いた。
こんな、体中が気持ち良くて疼いたままの状態が苦しすぎる。
「心配しなくても、魔法の効果は三日で切れますから、明日の夜には戻り始めますよ」
「んう……っ」
優しく頭をなでられる。それにすらも感じてしまう。
「私はこれから書類をまとめますから。うるさいと集中できないので、静かにしててくださいね。暴れたりしたら、お仕置きですからね」
簡単な事のように言うけれど…。
「んぅ…っやだ……」
その言葉を聞いて、涙が出そうになった。
媚薬をあちこちに入れられて、熱くて熱くて仕方ないのに。
またそんな意地悪ばかりする。
「……っ」
中で張り型が動いている。
確かに、膨らんでいってる。
その度に、漏らしてしまいそうな声を必死にこらえた。
愛液がとめどなく漏れ出しているのが自分でも分かる。
「ん…っふぅ……」
それに空気に触れているだけで、乳房や女性器の一点が疼く。
まるで射精したくても、性感帯のどこにも触れてもらえなくてイけない時のように。
同じように勃起したままの男性器も、放出したくてたまらない。
「あ…も……だめ…っ」
腰が勝手にびくんと跳ねた。
中で育っていく張り型が、膣と陰核に与え続ける刺激に、ついに耐えられなくなった。
「やだ…あぁん……ッ!」
声が抑えられない。
のけ反る体も、くねる腰も、抑えられない。
「あ…っはあぁ……ッ!」
イくと同時に、ぶしゅりと、膣内に熱い迸りを感じた。
張り型から媚薬を吐き出されたのだ。
「あぅ……」
声を上げてしまって、ぎくりと身を竦ませた。
あんなに声を出して、仰け反ってしまって、静かにしていたとは言えない…
こっちを見て、じっと達する時を眺めていたらしいシャーレンに、そっと頭をなでられ、顔を上げさせられる。
「静かにしていなさいって言いましたよねえ」
優しく、だがとても嬉しそうにシャーレンが微笑む。
「…ごめん…ッぁ…」
口を開けるだけで喘ぎが漏れる。
一度達しても、まだ張り型も媚薬の効果も残っているし、乳房や陰茎の疼きは治まっていない。
恥ずかしくて、これから何をされるか怖くて、見上げていた顔を横に背けた。
「今日は快晴ですね」
仕置きすると、言われるのかと思ったが違った。
「…え…?」
思わず天気の事を言われて、顔をあげる。
「昨日は閉じこもっていたから、今日は外に出ましょうね」
そっと抱き上げられて、今度はテラスから庭に連れて行かれた。
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