あたし、香山緋奈。――歳。私立せせらぎ学園 に通う一年生だ。
 おとめ座のO型で、成績は中の下。身長は学年で一番低い138センチでやせっぽち。生理だってまだだから制服を着てないと100パーセント○学生と間違えられるんだけど、でもそんなことはあまり気にしない。友達は可愛いって言ってくれるし、子ども扱いされるのも頭を撫でられるのも正直、嫌いじゃなかったりする。
 性格は勝気。少なくとも友達にはそう思われてる。ホントは全然違うんだけど、それはあたしの最も知られたくない秘密と関係してる。
 あたしの秘密。それは――
……あっ、あ〜あ」
 その朝もオシリの辺りに冷たさを感じてあたしは目を覚ました。布団の中に手を入れると、やっぱり濡れてる。掛け布団をすこしめくるとオシッコのニオイがプ〜ンと臭った。
 ハァーとあたしは長いため息をついた。
「起きたくないよぉ〜」
 目を閉じて、枕の中に顔をうめた。
こういう時、いつまでも起きないでいると「早く起きなさい」なんてセリフがあったりするんだけど、ウチに限ってそれはない。あたしの両親はカメラマンと看護婦というめずらしい組み合わせで、休日でも家族がそろうことは滅多になかった。
 おかげで恥ずかしい思いをしなくて済むんだけど、たまにはやさしく叱られたいな、なんて甘い想いを抱いたりする。
「ふにゅ〜ん」
 いつの間にかウトウトしてた。頭の中がフワフワする感じが気持ちいい。
こんなことしてる場合じゃないのに、オネショの後始末をしなくちゃいけないのに
 頭のどこかでボンヤリ考えて、でも何だかどうでもよくなってきて……
 どこからか しぃぃ…… って水の流れる音が聞こえていた。下半身がほんのり暖かくなってくる。
 あれ?
 ガバッとあたしは身体を起こした。
「やっちゃったぁ〜」
 二度目のオネショ。とっさにアソコを押さえたかいもなく、指の間からチョロチョロと黄色いオシッコがもれていく。
「どうしよう」
 トイレまではどうしたって間に合わない。布団はどうせ濡れてるし……あたしはチラッとオシリの下の敷布団を見た。毎日のオネショで布団はすでに黄色くなってるんだけど、今日のオネショは背中のほうまで染みが広がっていた。髪の毛をさわってみると根元のほうまで濡れている。
 ちなみにあたしは寝るときはいつも素っ裸だ。スタイルってわけじゃなくて、ただパジャマを濡らすのが嫌なだけなんだけど……
 ――ここでしちゃっても、いいや。
 あたしはゆっくりと体から力を抜いた。
 足の間から シィー って恥ずかしい音が聞こえてきた。手でアソコを押さえると、手に当たったオシッコがピチャピチャと音をたてる。
 なんだかドキドキした。叱る人なんていないのに、いけないことを見られてるみたいで胸が苦しくなる。
「ふぅぅ……
 朝一番のオシッコは色が濃くて、ニオイも少しキツかった。あたしは掛け布団が濡れないように足で蹴って床に落とすと、
「ハァ……
 と今日二度目のため息をついた。しゅぃぃ って体の中から音が聞こえてる。オシッコはなかなか止まらなかった。
 ふと、目覚し時計が目に付いた。
 はちじじゅうごふん……
 半開きのまぶたの下で、カチコチと秒針が動いていくのを眺めてる。
 次の瞬間、あたしは凍りついた。
「ふっ、んっ」
 ブルッと身体が震えて、アソコからピュッと最後の雫が飛び出すと、あたしはベッドから飛び降りた。
「ち、遅刻だ!」


 
 

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