賭け碁

(11)
アキラが取り去った新聞紙の上に刃物類を片付けて遠くへと押しやる。
だがそうなるとヒカルは汗ばんだお尻をフローリングに直につけることとなる。
はっきり言って気持ち悪い。
顔を顰めたヒカルの事情を理解したのだろう、アキラがヒカルの体を抱え込んで
同じ部屋にあるベッドに引き上げてくれた。
何だかんだでこの男はヒカルを大事に扱ってくれる。アキラの下宿で夜を過ごすように
なってから結構経つが、冷たい床に転がされたことなど一度もない。

Tシャツを首までたくし上げられて、気付けばヒカルは素っ裸と変わらない格好になった。
「ちょ…っと待て、電気!電気消してくれ!」
「このままじゃダメ?」
「ダメ!」
今更ながら、この部屋の強烈な明るさに眩暈がする。本当に、全部丸見えではないか。
その上、ヒカルにはもう自分を守ってくれるものがない。
見たくないと思っても、視線がどうしてもそこに行ってしまう。根元から先まで、
くっきり全てを曝け出すそこを。こんなものをずっと見られていたのか。
なんにも隠せない、真の丸裸。

(12)
「ヤダ…」
アキラの下のヒカルはうつ伏せになって小さくばたついた。
「ヤダ、ヤダ、見るなよ。恥ずかしいよ、塔矢のバカヤロ! 恥ずかしいよぉ…」
「進藤、ごめん。泣かないで。」
「泣いてねえよ、バカ。」
実は涙ぐむところまで行ってしまってるが、零さなければセーフだろう。
「ごめん、苛めすぎたね。今消すよ。」
アキラがベッドから手を伸ばして、明かりがやっと落された。ほっとして、
体の力を少し抜く。
しかし、何度も軽くついばむくちづけで宥められているうちに瞳が慣れてきて、
カーテンから漏れる光だけで互いの顔の赤みまでよく見えた。
もう絶対昼間になんかやらせない。

両の乳首を摘まれると、そこは硬く芯が出来ていてちょっと痛んだ。アキラの指先に
優しく揉まれて、コリコリした痛みがほどけてやわらかな痺れに変わっていった。
「ここ、張っちゃってたんだね。痛かった?」
「……何でそんなことばっかり言うんだよオマエ…」
こんなに口は意地悪なのに、指はあくまで優しく。薄く敏感な色づきはうっとりと
快楽に酔わされる。腰骨辺りにぞわりとした痺れが纏わりついた。
「ここも、硬くなったらちゃんと自慰してあげないとかわいそうだよね…」
「何、言ってんだよ。」
「ああ、自慰じゃないか…ボクがしてるから…」
「だから、何で…そんな、ことばっか…り… あ…」
指で胸の性感帯を、言葉で脳を責められてヒカルはついに勃起した。

(13)
アキラは仰向けのヒカルの両足を膝を立てた状態で大きく広げた。
本日2度目のその行為は相変わらず神経を興奮させる。
全てをアキラの眼に晒す体は、つるりと無防備なこどものからだ。
そんなからだの中心で彼の雄がグロテスクな形を成しているのはひどく倒錯的で
アキラの眼を釘付けにした。
隠れ蓑を失っているそこは、色づきの境目も根元から先端にいたるラインも、
その全てを思う存分眺めさせてくれた。
視線すら耐え難いのか、小さく震えて先端から涙を零す。
我慢出来なくて音を立ててそのぬめりを嘗め取った。
高い嬌声、びくりと体に走る緊張、その全てがアキラの性を刺激する。
軽く唇で挟みこんでその味を舌で追いつづけた。

一方、苦しくて堪らないのはヒカルだ。
もう散々体を熱くさせられ欲望を引きずり出され、のっぴきならない状態にまで
追いこまれたのにこの上更に舌先で責め立てようというのか、このエロ少年は。
もういい加減この熱を吐き出してしまわないと苦しいのに、狂いそうなのに。
「ううっ…あ、う…」
ぞくりと震える体は明らかにアキラの舌を悦んでいた。

「ん、ううん… くぅ…」
先っぽばかりで、欲しいところにくれないアキラに焦れて泣き声に近い呻きを
漏らした時、ヒカルは自分の根元に快感を覚えた。
「あ…」
そこに思わず眼をやると、とんでもない光景が飛び込んできた。

(14)
そこにあるのは紛れも無くヒカルの右手だった。我慢が限界に来て無意識に
自分で擦り上げてしまっていたのだ。アキラの口が、眼がすぐ上にあるその場所で。
口に含んだまま、突然参入してきた手をじっと見つめていたアキラが視線を向けてきた。
眼が、合った。
「…………!!!」
今まで、自分を慰めるところを見せたことなんてなかった。それだけは絶対ゼッタイ
したくなかったのに。今日さんざ恥ずかしい思いをさせられてきたヒカルだが、
それまでの恥を全部凝縮したって今この瞬間の衝撃には及ばない。恥辱という名の、
形ある物体が頭に打ち下ろされたようだった。
いっそ恐怖と言って良いのかもしれない。
全身がぴりぴりする程の衝撃で今度こそ涙が零れた。そのまま硬直してしまって、
手を離したいのに叶わない。見ないで、と懇願しようにも喉の奥からは何も
出てこなかった。


「……ごめんね。」
凍り付いてしまった時間を動かしてくれたのはアキラだった。
「ここに、さわって欲しかったんだね。」
ヒカルの受けたショックを正確に感じ取ったアキラだった。
「ボクがキミの欲しいものあげなかったから…。辛かったよね?ごめんね、進藤。」
ゆっくりと、優しい声でヒカルの心をほぐす言葉を与えてくれる。
さっきまであんなに苛めてきたくせに。本当に必要な時はこんなにも優しくしてくれる。
アキラの愛情が、しおれた心に暖かく染みてヒカルはさっきと違う涙を零した。
雫は頬を伝う途中で温い指に吸われて消えた。

(15)
「ボクは悪いヤツだな、キミを泣かせるなんてね。でも泣き顔がすごく可愛いなんて…
 キミに言ったら怒られそうだなあ。」
ヒカルを見つめてにっこり笑った、その笑顔にヒカルも頬を緩める。
もう落ちつきを取り戻して息が吸えるようになった。
「うん、笑顔はもっと可愛いね。」
「…オマエだってかわいーぞ。」
アキラは唇のぬめりを拭ってからヒカルに触れた。少し苦いキスは、だけどヒカルの
胸を甘くさせた。
こんなに優しい人が、どうしてあんなイヤなことばかり言ったのかな。

「進藤、このまま最後までしてみる?」
「…は?」
まだ右手はそこにある。精神的ダメージでやや萎えているものの、昂ぶりは形を
崩してはいなかった。
「と、うや…オレやだよ。できねえよ…。」
「助けてあげるから。やってごらんよ。ね?」
ヒカルの右手を包み込んで手を上下に動かす。2,3度繰り返すと力が漲った。
「ダ、ダメだって!」
くちくちと音がする。
「大丈夫。恥ずかしいことじゃない。すぐ楽になれるよ。」
「でも、やっぱ無理だよ…」
誘導しているのはアキラとはいえ、自分の手で扱いているのだ。これは自慰に
他ならない。快感を覚えてしまうことがますますヒカルを追い詰めた。
「大丈夫、だいじょうぶ。安心して。ボクも見せるから。」
アキラは空いた片手で器用に自らを取り出した。ずっとヒカルの嬌態を見続けたのだ、
それもまた見事に猛っていた。

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