【名人による進藤ヒカル研究会】

(20)
「ね、先生。」
黙ったまま抱かれているのもさすがに気詰まりになったのか、ヒカルがぽそりと呟いた。
「――先生、オレを抱きたかった?」
「ふふふ、まぁね。」
「じゃさ…」
ヒカルが布団の上で上半身をねじり、再びあの吸い込まれるような瞳が見えた。
「オレのハダカ…見たい?」
「えっ…。」
「それぐらいだったら…大丈夫…だと思う…ウン。」

やさしい子――だと芹澤は胸がいっぱいになった。今ですら決して心地いい状況とは言えないだろうに、
ヒカルは芹澤の思いをどうにか限界まで受け入れようとしているらしい。
「いいんだよ――無理をしなくても」
「えっ、いいよ別に。減るもんじゃないし。」
そう言うと、ヒカルはパッパッと服を脱ぎ始め、むしろ芹澤のほうがあわてた

(21)
「そんな――うかつにそんなことしてわたしが襲い掛からないとも限らないだろう?」
「ううん――芹澤先生、そういうことしないってわかってるし。」

気がつくと、襖の間から漏れるオレンジ色の光に照らされた体が派手な朱色の布団の上に散って
いた。
ボクサーショーツとソックスをつけただけの体が無造作に投げ出され、ヒカルがはにかんだような
笑いを浮かべてじいっと芹澤を見つめていた。
「し、し…進藤くん…」
芹澤は激しく動転していた。まったく、さっきまで行洋に怯えていた表情とはうってかわって、この妖精
は芹澤が狼狽するのを楽しんでいるかのように見えた。
「電気つけてもいいよ」
口ぶりすら余裕がうかがえた。

(22)
明るいところでその身体を鑑賞したい気もしたが、そうなればそうなったで気恥ずかしく、芹澤は
一番小さい黄色の電気だけをともした。
口の中に生唾がたまっていくのを感じる。
しかし、目の前のきれいな裸体には指一本触れてはいけない。ある種、拷問に等しかった。
じりじりと背中が焼きつく。
「これも、脱ぐ?」
涼やかな声にはっとする。目元に不思議な色をたたえたヒカルが芹澤を見つめたまま、濃い色の
ボクサーをちょっとめくりあげていた。

芹澤は心臓が口から飛び出るほどどきりとした。そんなことをされた日には正気ではいられないかも
しれない。――だが、芹澤の心のうちをまるで無視して勝手に頭が上下していた。
指の長い手がためらいがちにボクサーに差し込まれ、ちょっとだけそれをずりさげた。
薄い茂みがちらっと見えただけでドキドキする。

(23)
「あ…!ちょっと待って!」
芹澤はほぼ絶叫していた。腰骨だけを露出したまま、下着が中途半端な位置にひっかかって
いる。小ぶりな性器が見える限界の位置だ。
芹澤はごくりと固唾を飲み込み、震える声で呟いた。
「脚を…もう少し広げて」
「えー。やだよ恥ずかしいよ」
「何もしないから…ね?」
ヒカルはウーンと唸りながら、目を閉じてそろそろと両脚を開いた。片手は下着の中に半分
はいったままで、それがあたかも自慰行為をしているように見えた。
「キミが自分でするのもダメなのかい?」
すがるように聞いてみる。だが、ヒカルは存外にピシャリと却下してきた。
「うん、ダメ――。それバレちゃうから。」

芹澤は少々、落胆したが、それでもよかった。気を取り直して正座した。
せめて視線で身体を堪能したかった。

(24)
淡雪のような色の首筋から鎖骨にかけて――ねっとりと視線を這わせていく。そして薄桃色の乳首
にも。
白い内腿に吸い付くのを想像しながら、じっくりと上から下へ、下から上へと視線を動かしていくうちに、
ヒカルの細かな喘ぎが感じられた。視線で犯されて感じてしまっているのだろうか。
頭の中に、柔肌に執拗に吸い上げながらそこかしこを愛撫する自分を思い描く。
「――四つん這いになって」
「え…」
ヒカルが目を細めて鼻を鳴らした。
「ほら、早く。…早くしないとキミに触れてしまうよ。」
ヒカルは渋々、膝を立て、両手を寝具の上についた。動くたびに、布団が立てるカサカサという音で
さえいやらしい。
ヒカルは俯いて目を閉じていた。――が、唇からは短い息が漏れ出している。
「じゃあ…」
芹澤も上がる息を隠すことなく言葉を継いだ。
「下着――。膝まで下ろして。」
背中がぴくっと動いたが、ヒカルは黙って唇を噛みしめたまま言われたとおりにした。
肌にぴったりと吸い付いていたボクサーパンツが静かにずりおろされた瞬間、芹澤は思わず息を飲
んでいた。

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