お江戸幻想異聞録・神無月夜(かんなづきよ)

(28)
ゆるりと扱かれると体が綻び、堪えようと思っても甘い声をあげてしまう。
「あっあ…駄目…!」
ときおり、一番敏感になっているところに指が当たり、そのたびに全身で反応
してしまう。息を弾ませながら薄目を開けてみると、伊角がそんな光をじっとり
と見詰めていて、なおさら恥ずかしさに火がついてしまう。
伊角の胸を押し返そうとしたが、剥かれた先端を指で擦られつつ、敏感な蕾を
弄ばれたのではたまらない。
あっちからもこっちからも、ぬちゅぬちゅと淫らな音が響いてきて――はて、
これほどまでに体が熟れて求めているのはいつ振りだろうかとぼんやり考えて
いた。しょっちゅう明に貪られているくせに、今は人肌が恋しくてたまらない。
伊角の着物の合わせを掴んだ。
「うん…?どうしたのですか、光。」
「オレだけ剥かれてるなんてずるいや。慎之介さまも…。」
「ああ。」
伊角は照れ笑うと、立ち上がって藍色の小袖を脱ぎ捨てた。細身ではあるが、
骨太い男の体が障子越しの日差しに浮かび上がる。肩がわずかに盛り上が
り、胴は無駄なくすっきりとしている。久々に見る逞しい体を光はうっとりと眺
めていた。
(――この体に組み敷かれたい。)
下帯を解くと、反り返った一物が腹につきそうな勢いで屹立していた。おとつい
したばかりだというのに、背筋がざわめき、熱くなってくる。

(29)
「も…駄目…我慢できない!」
いつもとは違う男のものを、光は恍惚として咥えこんでいた。
「ひ、光――?」
「んぐ…ん…。んっんっ…。」
折角うぶなふりを貫きとおしていたのに、これでは素がばれてしまう。ズルッ
と一気に奥まで飲み込むと、伊角が声をあげた。
「駄目です、光――そんなところまで…!」
膝立ちになって魔羅に吸い付く光を、伊角は驚いて見下ろしていた。伊角のも
のを、すみずみまで味わう。雄の匂いがする。どこが感じるのかは痛いほどわ
かっている。ジュッと音を立てて吸い上げると、伊角が背を反らせて呻いた。
(もうばれようが呆れられようが知るもんか。)
光はほとんどヤケになっていた。光の口の中でそれが固さと大きさを増してい
く。伊角がはぁはぁと息を切らしながら、光の肩を引き剥がそうともがく。
「慎之介さま、気持ちいい?」
「――あぁ!駄目です。そんなにしたら…。」
強引に引き離され、光の目の前で屹立した魔羅がはじけた。熱いほとばしりが
勢いよく光の顔に飛び散り、筋をつくってぽたぽたと胸までしたたり落ちた。
「はッ…はぁっ…光…!これは…」
伊角はまだ息を弾ませたまま、慌てて傍らの懐紙を取って飛び散ったものを拭
き取った。おろおろと拭きながら、何度も詫びる。

(30)
(あいつとは…明とはえらい違いだな…。旗本なのにやさしくて。)
ふと、佐為もこんなふうだったことを思い出した。やんごとなき者はこうなの
だろうか。ぎこちなく、ためらいがちに光の体をまさぐり、初めて光を抱いた
時は、何度も何度も苦しくはないかと聞いてきた。
「慎之介さま。」
懐紙を握り締めた手を取り、その指先に口吻ける。ちらと下を見ると、今しが
た精を放ったものはまだ熱を持て余してきつく立ち上がっている。
「光――。」
裸の胸の中に抱きすくめられ、耳朶を齧られる。
うつぶせに転がされて、腰を持ち上げられると、光はその次を予見して菊座が
ぞわりと疼くのを感じた。
「もっと腰を高くあげて――。」
「うっ…うう…。」
もう初めてではないことは見抜かれているに違いなかった。それならばせめて
伊角に体のすべてを委ねたかった。
慣れてきたのだろうか、滑らかな手の動きが内腿を撫で上げる。
「うぁ…ん…!ん!」
やわらかな両手は腿の内側をたどって尻にたどりつき、そうしてまた撫で下ろ
された。その一挙一動に体がガクガクと震え、光は畳を掻き毟るがごとく爪を
立てる。
「ここが…ヒクヒクしていますよ、光。」
秘肛の襞が指先で、くるりと円を描いて撫でられる。
「あ――ッ!」
自分でも驚くほど大声をあげてしまった。両腕でぐいと腰を引き寄せられ、今度
はそこにぬめった舌先が当てられた。

(31)
全身が総毛立つ。死ぬほど恥ずかしい。恥ずかしさのあまり、息が詰まって眩暈
がする。
「はっ…ン…ハッ…ハッ…はっ…。」
舌の蠢きに合わせて腰をふるわせてしまう。舌先はゆっくりとそこを解すように愛
撫を続けていたが、固く尖らせてねじ込まれたときには声をあげて求めていた。
「はッ…はぁッ…ん…おかしくなる…」
魔羅が張り切ってボタボタと先走りを垂らしているのがわかった。だが、舌先はそ
れを嘲笑うかのように、一旦、秘蕾を離れて尻の曲線をたどっていった。熱いはず
の舌が涼しく感じるほどに、身体が燃え盛っている。手が光の脇をなでおろし、唇
が背骨に沿って這い上がってきて、背中の上に唇が触れ、生の肌が重なるだけ
でもピリピリして、気がつけば鼻を鳴らしてその感触を求めていた。
「…れて…。」
伊角の手を後ろ手にはっしと掴み訴えるに、唇がうなじをペロッと舐め上げた。
「どうしたんです?」
「入れて…!」
背中を伊角の胸に擦り付けては涙声をあげる。伊角がふふ、と忍び笑む声がした
ように思えた。
「あぁ…!」
苦しいほどに疼いた秘肛に指が入れられた。指が往復するたびに甘い戦慄が吹き
抜け、体がぐにゃりと飴のように溶けていく。

(32)
指がつぎつぎに増やされ、中を掻きまわされるが体の渇きはおさまるどころか
ますます貪欲に目覚めていった。
「あっあ――いい…もっと激しくして…。」
「ああ…光はかわいらしい顔をしているのに…こんなに淫らなことが好きなの
ですね。」
突如、指がふいと抜かれ、熟れきった菊の蕾が舌先で嬲られた。そこが焼け
付くように痺れて、膝がカタカタと揺れていた。
「はぁんッ!」
「先ほどより敏感になって――ここが…真っ赤に腫れあがって…ます。」
「あァァァ――!」
かろうじて体を支えていた腕の力がぬけ、肩が畳をこすっていた。
「光…もう…」
硬い肉棒が秘肛に当てられたかと思うと、ズルルと襞を割って押し入ってきた。
「……!」
強い快楽に声を失う。ビリビリと体が痺れ、唇のはじから唾液が零れ落ちた。
「きつい――。」
伊角が低く呻いた。少しずつ、肉をわけいるその動きが全身に波紋を起こして
いく。腰を持ち上げられた刹那、雁首が中をこすりあげて一気に奥まで刺し通
した。猫が発情して雄を求めるような、この上なく淫らな形に体が開いている
のはわかっている。
「ううッ…!光――光の中…熱い…」
伊角はそろりと身体を引いた。一分動くたび、まるで高波にさらわれて肉欲の
海に投げ出されるようだ。雁首が秘肛の入り口を擦り、抜かれまいとつい力を
入れてしまう。
「光、そんなに締め付けないでください。」
「あ…あ…やだ…抜かないで…」
「――じゃあ、このまま…。」

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