お江戸幻想異聞録・五月雨(さみだれ)

(其の四)

(19)
光が目を開けると古びた天井板が見え、あたりでは弟子たちの寝息や鼾が繰り
返されていた。
まだ夜半だ――。
足の間がおそろしく熱を持っていて、固くなっているのがはっきりとわかる。ここ
のところ、冷えてどんよりとした日が続くというのに、体は熱っぽく、ことに夜になる
とその熱が出口を求めて騒ぎ出す。
枕の下に隠した塵紙を抜き取ると、光は息を殺したまま、寝巻の間に手をしのば
せた。
“あの男”はあわせを開き、長い指をしっとりと胸に這わせていく。赤く色づいた蕾
が男の指をうずうずと待っているのが、指はそこをちらとかすめただけでするりと
かわす。
いく度か指が乳首を掠め、焦れた光は腰を浮かせ胸を突き出した。
あの指で乳首をきつく摘まれたらどんな気になるのだろうか。あの男の舌先が
乳首を舐めまわす感触を想像しながら、光は声を堪えた。
「んっ…ふっ…ん…。」

(20)
左手を尻にまわして、きつく閉じた肉襞に触れる。菊座が呼吸をするかのごと
く開いたり閉じたりしていた。
太い魔羅が欲しい。それを菊座に迎え入れ、気が狂うほどに乱されたい。
光は堪えきれず、そっと布団を抜け出して厠に向かった。

月の光に冷たく照らされた縁側に出る。庭に面したそこは異様なほど静まり
返っていて、板の軋む音すらびっくりするほど大きく響いた。
なるたけ音をさせないように、摺り足で進む。
「…進藤?」
不意に声をかけられて、光は縮み上がった。
「あ…明?」
月の光を背に受けた明が縁側に腰掛け、びっくりしたように目を見開いていた。
洗いざらしの浴衣の上に、うすい綿入れを着ている。
こんな夜更けになにをしているだろう。
「なに…?きみも眠れないのか?」
「え…まあ…ちょっと…」
口の中でもぞもぞ呟いたのち、さっさと厠へ行くと告げればよかったと後悔した。
股間が疼いて立っているのさえ辛い。
明はふっと微笑んで、それとなく視線で自分のすぐ横を示した。そこへ一緒に
座れとでも云いたいらしい。

(21)
 間が悪いときに当たってしまった。おとなしく横に座ると、縁側の冷たさが
熱くなった尻と袋に伝わり、光はぶるっと身震いした。
「なんだ、寒いのか?これ、着るかい?」
半纏を指差すと、光は無言のまま首を振った。
「な、おまえここで何してたの?」
「何って…眠れないからここでぼーっとしてた。」
明はそう云ってにっこりと光に笑いかける。いつもはそんな顔など見せやしな
いくせに、月夜の明かりのせいでずいぶんと柔らかい。
 膝の上にそろえられた手は月明かりに青白く輝いている。よくよく見ると指
は長いし、光の手より一回り大きい。華奢ななりはしているが、明はれっきと
した男で、一緒に町を歩けば娘子が振り返るほどの美男なのだ。
ふと、邪な心が光をよぎった。
――この間、湯屋でちらっと見た明のあれは割に大きかった。
 細身とはいえ脱げばかなりしっかりした体だったし、なにしろ、光を見ると
きの怒ったような、睨みつけるような目つきがぞくっとする。
光はそんな明を横目に見ながら、じりじりと隙間をせばめていき、華奢な光の
肩がこつん、と骨ばった明の肩に当たった。

(22)
「やっぱり寒いんじゃ…」
そう云いかけた明の唇に、やけに熱くやわらかいものを押しつけて口封じをし
た。明はわずかに身じろぎしたが、よほど気が動転したのか、身を固くしてさ
れるがままになっていた。
 浴衣のあわせに手をすべりこませて、指の腹でゆっくり胸をたどり、小さな
粒をさぐりあてる。それを撫で回すと、ふさがれた唇から呻きが漏れた。
 舌先でふっくらとした唇をなぞると、明の体がぴくりと痙攣し、胸の粒をやわ
らかく摘みあげると、固く握り締めた明の両手がカタカタと震えだした。
ようやく唇を離すと、明は光を睨みつけていた。
「何をするんだ…」
怒りなのか、驚きすぎたのか声がうわずっていた。
光は明の手をぐいと引っ張って、しがみつくようにして縁側に倒れこんだ。
「…なっ…!」
抗議しかけた明の唇をふさぎながら、舌でそのきれいな形をなぞる。
そろそろと明の体の上にのり、股間をすりつけると、明の股間も隆起しかけて
いるのがわかった。
手探りで浴衣の上前をさぐって、下帯の上からそれをさわる。
「…フゥ…。」
明の唇から息が漏れた。明がつけている下帯はやわらかな絹で、こんなところ
に惜しげもなく高価な絹を使っているところに母・明子の溺愛ぶりを垣間見た
気がする。
再び唇をぴったりとくっつけあいながら、隆起したものを絹の上からなぞりあげ
る。ひさしぶりに手にする感触に光はめまいを覚えた。
たまらなくなって、下帯の隙間から手を入れる。

(23)
「…ん…ふっ…!」
反射的に明が腰をゆすり、足を閉じたが、光をはねのけるでもなく、抗うでも
ない。光が唇を離して月明かりに照らされた明の表情を覗うと、明は目をかた
くなに反らしたまま、恥らうように頬を上気させていた。
 下帯の中で明の魔羅が固く張り詰めて、先端からはわずかに液がにじみ出て
いる。熱い肉のかたまりの手触りに光の背すじに興奮が走った。
 擦れて痛がらないよう、やんわりと手で包み込むようにしてその手を上下さ
せると、魔羅の固さが増して、明の息が鼻からフゥーと抜けていくのがわかった。
 自分よりずっと男らしいのに、まるで生娘のような明を見下ろし、光は耳元で
そうっと囁いてみた。
「…気持ち、いい?」
明がかすかに頷いたのを見て、光は浴衣の下前をめくった。
「ん…。」
震えながら眉根を寄せる明は、ふだんの凛々しい顔つきからは想像もできぬほ
ど艶かしく、思わず光はきゅっと抱きしめた。
「…おまえのあそこ、食いたい。いいだろ?」
「え…し、進藤…」
「シーッ。聞こえるってば。」

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