梔子の夜

〜The night of the gardenia〜

3


「あ……ユウマ……」
 ユウマが、そっと僕の乳首を口に含む。そのまま尖らせた舌で強く何度も押し、軽く歯を立てて吸い上げられる。そうされると、自分の乳首がプツンと勃ち上がるのがわかった。しゃぶられていない方の乳首も、ムズムズとしてくる。
「あっ、あっ……んふ……」
 勝手にいやらしい声が出てきて、僕は慌てて両手で唇を押さえた。
「恥ずかしがらないで。ここには僕しかいないよ」
 ユウマは笑って僕の手を外し、ムズムズしていた反対の乳首もしゃぶってくれた。
 僕は立っていられなくなって、ユウマの腕の中に身体を預けた。ユウマが優しく、僕をソファに横たえる。
「おうちの人、帰ってこない?」
「大丈夫。誰もこないから」
 ユウマは仰向けに寝かせた僕の顔を、その腕でそっと囲った。
「僕に抱かれたい?」
 僕はこの時『抱かれる』という意味を正確にはわかっていなかった。しかし、ユウマの色の薄いガラス玉のような酷薄な瞳には、ノーとは言わせない強い力があった。
「……わからない……」
 僕はやっとのことでそれだけを言った。
「でも身体は抱かれたがってる。そうだろ?」
「まさか!」
 僕はユウマの手から逃れようと起き上がった。途端に凄い力で、またソファへと沈められる。
「そうなんだよ、聡。お前は男が好きなんだ」
 ユウマは馬鹿にしたようにニヤニヤ笑いながら、僕の腹をことさら優しく撫でた。
「可哀想に、震えてる……。怖いの?」
 そしてそっと僕の耳に口を寄せて囁く。
「それとも感じているのかな?」
 僕は今度こそ逃げようと、ユウマの腕の中で滅茶苦茶に抗った。しかし、所詮は小学生の力だ。ユウマは左手でたやすく僕の両手を一つにまとめて取り押さえ、空いた右手で僕の頬を張った。パァンと大きな音が響き、僕は痛みよりもむしろ殴られたショックで呆然となった。
「殴られるのは好きか?」
 冷酷な声に、わずかに首を振ることしかできない。涙が溢れ、こめかみを伝って流れた。
 どうしてユウマに声をかけられた時、素直に付いて来てしまったのだろう。お父さんやお母さんにも、学校の先生にも、あれほど知らない人に付いて行ってはダメだと言われていたのに……。
「好きじゃないなら大人しくしろよ。そうしたら優しくしてやる」
 ユウマはそう言い、いきなり僕の股間を掴んだ。
「……っ!やっ、やぁっ!」
 僕は生まれて初めてそんな所を他人に触られた羞恥と激しい痛みに、ソファの上で身悶えた。
「大人しくする?」
 重ねて問われ、僕はガクガクと頷いた。
 ユウマは満足したように僕の股間から手を離し、額に音を立ててキスをした。
「素直な子は大好きだよ。足を開いて……もっと」
 僕は命令されるまま、足を開いた。
「それじゃ奥まで見えない」
 ユウマはつまらなそうにそう言うと、僕の足を持ち上げて、僕の手を膝裏にあてがった。自分では見たことのない部分まで、余すところなくユウマの視線にさらすこととなり、僕はあまりの恥ずかしさに気を失いそうになった。
「僕がいいって言うまでそうしておくんだよ。……へえ、ここも可愛いね」
 そう言って、お尻の辺りをクルリと撫でられる。
 僕は声を上げることもできず、しゃくり上げながら身を震わせた。
 ユウマは淫微な笑いを漏らしながら、僕のペニスを指で弾き、扱き出した。
「あっ、何!?」
 僕はあまりの衝撃に、膝裏にあてがった手をもう少しで外しそうになった。
「やったことないの?自分で」
「ふっ……ないっ、は…んッ」
 ユウマの手が、僕のペニスの皮を少しずつ剥いでいく。ピリピリとした鋭い痛みと共に、表現しようのない快感が背筋を駆け昇ってきた。
「勃ってきたね」
 ユウマの声に促されて下を見ると、僕のアレが硬く勃ち上がっているのが見えた。
 少し前から、朝になると勃ち上がっていることが何度かあった。それから目覚めると、下着を汚していたことも……。
「濡れてきた。感じる?」
「あっ、わかんな…い……」
「じゃあこれでどう?」
 ユウマはそう言うと、僕のそれをすっぽりと口に含んだ。
「やぁぁっ!」
 僕はそんなことをする人がいるということにまず驚き、それから猛烈に恥ずかしくなって、膝裏から手を外してユウマの頭を押し戻そうとした。
「ダメだよ。ちゃんと手で足を持ってなきゃ」ユウマはそう言い、僕の手を元の位置に戻した。
「だって、あっ……」
 それは確かに快感だった。手で扱かれるよりも、もっと大きく、もっと罪深い……。
 僕はもう後戻りできなくなってしまいそうな恐怖にかられ、「許して。ごめんなさい……」と呟きながら、何度も首を振った。
 しかし、ユウマがそう簡単に僕を許してくれるはずもなかった。いや、彼に許しを乞う行為自体が、彼をますます加虐的にさせるのだということに、この時の僕はまだ気付いていなかった。
「お前のこれ、やらしい糸引いて、ヌルヌルしてる」
 ユウマはそう言い、鮮やかなほど紅い唇をペロリと舐めてみせた。それは性を意識しはじめたばかりの僕でさえ思わず魅入ってしまうほど、淫蕩な仕種だった。
「疲れたろ?もういいよ」
 ユウマは思いのほか優しい仕種で僕の手を取り、足を下ろさせた。
 僕はやっと解放されるのだと、ほっと息を付いた。
「怖かったか?」
 優しい、労るようなキスが唇に降ってくる。チュッ、チュッと音を立て、何度もついばまれ、僕はぼんやりと微笑んだ。僕の好きなキス。ユウマが最初にしてくれたキス。
「……ううん、怖くない」
「僕が好きか?」
「うん、好き……」
 僕は催眠術にかけられたようにうっとりと答えた。優しくキスしてくれるユウマは好きだった。
「そうか。僕も聡が好きだよ」
 ユウマは微笑んで僕を起こし、その腕の中に抱いてくれた。ユウマの胸にすっぽりと納まった僕は、あまりの心地よさに夢見心地で身を擦り寄せた。誰かに抱かれるのがこんなに気持ちの良いものだったなんて、僕はこの時まで考えたこともなかった。
「聡は可愛いなぁ」
 ユウマに優しく髪を梳かれ、そっとつむじにキスされる。その手が首筋、背中、腰を撫で、尻まで下りてきても、僕はまだユウマの意図には気付かなかった。可愛いと言われ、もうそんな言葉が褒め言葉になる時期はとうに過ぎたのだと思いながらも、嬉しいと思う自分がいた。
「聡のここも可愛いんだよね」
 そう言って、ユウマの指先が、双丘を割っていきなり僕の後ろに触れた。
「あっ!」
 襞を確かめるようにゆっくり撫でられ、僕はユウマに強くしがみついた。
「力を抜いて。それじゃ入らない」
「な、なに……?」
 僕は驚きに目を見開いたまま、ユウマを見上げた。濡れたようなユウマの瞳が、抑えきれない興奮をたたえて妖しく輝いていた。
「何って?聡のここに、僕のコレを入れるのさ」
 ユウマはそう言いながら、僕の手を握って、自分の股間に押し付けた。
「……え?」
 言われた言葉を理解するのに、数秒かかった。
「嫌だとは言わせないよ。聡だって、自分だけ舐めてもらって気持ち良くなってちゃ、不公平だと思うだろう?」
 手の中で、自分のものとは比べ物にならない質量のユウマのものが硬くなっていた。
「よく慣らせば大丈夫。痛いのは最初だけだ」
 僕は戸惑いと恐怖に手を引っ込めようとしたが、無論ユウマが許すはずもなかった。
 ユウマは僕を再びソファに沈め、耳元に囁きかけた。
「どちらか選べよ。指でよく慣らして、グチャグチャに濡らしてから突っ込まれて気持ち良くなるか、慣らさずに突っ込まれて、血だらけになって痛みにのたうち回るか」
「い、いや……」
 僕はゆるゆると首を振った。
「何が嫌なんだ?」
「痛いのは……いや……」
「ならちゃんと慣らしてから入れて欲しいんだな?えらいよ、やっぱりお前は頭が良い」
 ユウマはにっこり笑って僕にキスをした。
「自分の口でちゃんと言ってごらん。聡のここを、どんな風にしてから入れて欲しいんだ?」
「あ、あ……」
 この時、幼い僕の頭はパニック状態の真只中にあった。ユウマの言葉に誘導され、自分に残された選択は、たったの二つしかないと思い込まされていたのだ。
「指で……慣らして……」
 僕は羞恥に戦慄きながら、必死にユウマの言葉を思い出した。
「慣らして?それから?」
 優しく先を促すユウマに、もう萎えてしまったペニスを扱かれ、僕は身を震わせた。
「グチャグチャに…濡らして……突っ込んで……」
 僕がそう続けると、途端にユウマは弾けるように笑った。
「なんて事を言うんだろう!こんなにいやらしい餓鬼は見たことがない」
 僕はいやらしいと言われてしまったショックで起き上がろうとし、ユウマに押さえ付けられた。
「お前がそうまで言うんなら、ちゃんと抱いてやるよ。ケツの穴、グチャグチャのドロドロにして、僕のでいっぱい掻き回してやる。うれしいか?」
「あ……ふっ……」
 僕の幼いペニスを扱くユウマの手の動きが早くなった。しだいに僕のも、硬く勃ち上がってきた。
「うれしいだろう?」
 僕は快感に支配されるまま、訳もわからず必死に頷いていた。



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