「わっ、わっ、あぶないよぉ」
手際よく少女の下着を脱がした美由希は、少女の体を持ち上げて風呂場に入る。
「ほらほら、・・・がもたもたしてるからよ。中に入らないと風邪引いちゃうぞー」
「きゃーっ」
小さい子扱いは少し引っ掛かるが、楽しいものは楽しく、嬉しいものは嬉しい。
先に中に入っていた恭也は、はしゃぐ二人を見て呆れたのか、無言で浴槽の蓋を
外している。
「やっぱり三人は狭いかなぁ」
「順番に洗えばどうにかなるだろ」
少女は下に降ろされてぺたりと座り込む。見上げると湯気に包まれる兄と姉。
裸で普通に話す二人の姿はとても不思議だった。
「じゃ、恭ちゃん先ね。・・・、二人でお兄ちゃん洗おうね」
「ふぇ……あちっ」
湯加減を見ようと浴槽に手を伸ばしていた少女は突然話しを振られて驚き、湯
に指を突っ込んで悲鳴をあげる。少女には少々沸き過ぎているようだった。
「大丈夫か?」
恭也が少女の手を取る。何かと怪我の多い少女の兄は、応急手当の類も人並み
以上だ。
「うん。でも、ちょっと熱いかも」
「火傷にはなってないな。少し水を足すか」
「なら恭ちゃんが入った後にしなよ。熱い方がいいでしょ」
美由希がシャワーの湯加減を確かめ、少女、恭也、そして自分にと順番にシャ
ワーを浴びせる。
「はい、タオル。私は背中洗うから・・・は前ね」
「……前?」
少女は手の中にあるボディタオルを見て、さらに椅子に座った兄を見る。
父ほどではないものの、稽古で傷だらけのがっしりした体。そして両足の間に
ある少女には存在しない器官。すずかの部屋のテレビで見た時のように猛々しい
姿ではなく、普段風呂場で見る父のものと同じように垂れ下がっている。
なぜか、口の中に唾液がたまっていた。
「あらら、・・・はお兄ちゃん洗ってあげるの嫌?」
ボーッとしている少女を見てからかう美由希。
「え、そんなことないよ」
あわててタオルにボディソープをつけて泡立てる。ちらっと兄を見ると、心な
しか嬉しそうにみえた。
「恭ちゃん嫌われてなくてよかったね」
「……馬鹿」
美由希が背中と腕を、少女が胸や足を洗う。
少女はボディタオルを手にして、兄の両足の間にひざまずいた。
「えと……洗うね」
「あぁ、お願いする」
そっと兄の胸をこする。父の背中はいつも流しているが、前を洗うのは初めて
だった。
(これがお兄ちゃんの……)
足の間にいるので、すぐ目の前に兄のものがある。さらに胸、腹、足とだんだ
んと洗っていくにつれ、それに近づいていく。ここ一日でそれがどのようなもの
か知ってしまった少女は、それが気になって仕方がない。
おとなしい状態とは言え少女の小さな手には有り余る大きさである。これがさ
らに大きくなると思うと、少女は人体の神秘すら感じてしまう。
(ふしぎ……)
さらに、そこから漂う匂いが少女の鼻を刺激する。普段の兄の体臭とは異なる
雄の臭い。少女にはきつい臭いであるのに不快な感じはあまりなく、逆に引き付
けられさえしていた。
「お兄ちゃん、このくらいでも大丈夫?」
たくましく盛り上がった胸や、割れた腹筋。背中と同じように洗っても大丈夫
そうだが、念のために確かめる。
「ん、もう少し強くても大丈夫だ」
「うん……ぇ?」
兄の腕を洗う姉を見て目を見張る少女。
「ん?」
「なんでもない」
あわてて顔を伏せて兄の足を洗う。見てはいけないものを見てしまった気がし
て落ち着かず、兄を洗う手に力を込めた。
(お姉ちゃん、何してるのかな)
美由希は恭也の腕を自分の乳房に挟んで洗っていた。たまたま押し付ける形に
なっただけかもしれないが、少女には乳房をタオル代わりにしているようにしか
見えなかった。
(お姉ちゃんもスタイルいいからなぁ)
忍ほどではないものの、美由希の胸は母よりも大きい。柔らかくて弾力があり、
とても気持ち良さそうだった。
「・・・も胸で洗ってあげれば?」
と美由希。本当に胸で洗っていたようだ。
「えっ? えぇぇぇ! ……無理だよぉ」
自分の胸を見下ろす少女。膨らみ始める徴候はあっても、まだブラジャーをす
るには程遠い少女の胸。
「なら別のとこを使えばいいよ」
「別のとこ?」
美由希は「そこそこ」と少女の股間を指さす。
「ここ!?」
思わず股間をタオルで隠す。先程からずっと裸のままだったのに、今更ながら
に恥ずかしくなる。
「でも、汚いよ。それに……」
まだ少女は体を洗っていない。洗っていたとしても、それは手でするのとは違
う。そんなことをしたら、自分の敏感なところを兄の足にこすりつけるなどした
ら。
(わたし、気持ちよくなっちゃう)
そんな恥ずかしいところは家族に見られたくない。やはりそれは、アリサやす
ずかといけない悪戯を共有するのとは違う。
それに、そもそもとして。
「わたしたち家族だし、こうゆうのは忍さんに悪いんじゃないかなって」
「当たり前でしょ、家族じゃなきゃこんなことしないよ。ね、恭ちゃん」
「あぁ。忍だっていずれ……まぁ、その、美由希や・・・の姉になるんだし。悪
いということはない」
少女が何をためらっているのかよく分からないと首をかしげる姉と、思わず結
婚宣言をしてしまって照れている兄。
「そ、そうなんだ……」
幼いとは言え少女も女の子、さすがに近親相姦という言葉は知らなくても浮気
は知っている。だが兄と姉にまじめな顔でそう言われると、自分が物知らずなだ
けと思ってしまう。
「・・・、手のひら……はい、恭ちゃんにもかけてっと」
手のひらにボディソープをもらった少女は、両手を合わせて泡立てる。
(お兄ちゃんも嬉しくて、あたしも気持ちよくて、お姉ちゃんもそうみたいだし、
これでいいのかな)
泡立てたソープを内股と股間に塗り付ける。
「んっ」
ぬめぬめしたソープの感触に、少女の小さな口から声が漏れる。
(昨日より気持ちいい……)
母の指により初めて感じた快楽。それからたった一日で、少女の身体は敏感さ
を増している。そして何よりも、それを欲する心が少女の中に生まれていた。同
じ快感でも、心持ち次第でそれは数倍にも膨れ上がる。
「んしょと……」
兄の太ももをまたぎ、ゆっくりと腰を下ろす。丸太のような太くて固い感触。
丸太と違うのは、それが熱を持っていること。
「ひゃん!」
足の上で少女の体が滑り、視界がグラッと揺れる。恭也が支えなければ床に頭
をぶつけてしまったかもしれない。
「大丈夫か?」
「ぁっ、ぁ……ぅ、うん」
兄の肩にしがみつき、息を整える。滑り落ちそうになったことよりも、それで
少女の股間が兄の足にこすられた方が衝撃だった。
(すごい、気絶するかと思った)
美由希が恭也の足にもボディソープをかけていたので、想像以上に滑りやすく
なっていた。古傷や何やらでけして滑らかではない兄の足。そこに塗られたボディ
ソープのぬめりが、少女の繊細な肌を微妙に刺激して燃え上がらせる。
「……大丈夫。それじゃ、動くね」
少女は両足がちゃんと床についていることを確認し、兄にしがみついたまま腰
を動かし始めた。
「んんっ」
両足で兄の太ももを挟み、弾力のある膨らみを押し付ける。
「ん……」
腰を前に動かすと、兄の体毛や傷痕の微妙な段差がスリットを刺激する。
「ふぁ……」
腰を後ろに引くと、前かがみになって敏感なところを守る包皮がこすれる。
「んん……」
内股をこすり合わせると、少女のスリットから滲み出たものが兄の足に跡を残
す。
「はぁぁ……」
少しずつ強く、少しずつ大きく、少しずつ早く。
(あたしは、お兄ちゃんを、洗ってる、だけ、なの)
間違ってはいない。が、それだけではない。それを認めたくない少女の、自分
への言い訳。
(でも、あそこが、とても、とても、あついの)
さらに後ろへ下がり、兄の膝を少女の柔肌で包む。太ももに手を置き、膝皿の
上で円を描くようにゆっくりと腰を振る。それは意識してしたのではないが、忍
が兄の上にまたがって動いていたのとそっくりであった。
「ぁっ…ゃ…んっ、はっ、はぁぁ……ひゃぁぁっ!」
ずるり。一瞬の気の緩みで、少女の体が膝から臑へずり落ちる。少女の細い腕
では体重が乗って勢いがついた体を止められず、兄がとっさに上げた足の甲を下
敷きにしてやっと止まる。
「…っ…ん……っ!」
ただでさえ敏感なところが思いっきりこすれてしまい、少女は悶絶して悲鳴を
上げることすらできない。目に涙を浮かべ、力無く兄の足にしがみついてヒリヒ
リと残る痛みに耐える。
「・・・!?」
「だ、大丈夫?」
駆け寄った美由希に抱き起こされた少女は、そのまま姉の豊かな胸に身を沈め
た。
「……ぃ、いたい」
「痛いの? うーん、擦りむけたのかな」
美由希は後ろから少女の両足を開いて股間をのぞき込み、ボディソープの泡を
取り除いて指でそっとスリットを開く。
「お、お姉ちゃん!?」
「コラコラ、動かないの」
姉の手をはねのけようとして、小さな子がトイレでされるような格好で手足を
押さえられてしまう。
「お姉ちゃん、これはちょっと……」
上目使いに目の前の兄を見る。裸を見られることに抵抗はなくても、こんな格
好は恥ずかしい。多分ではなく、確実に少女の秘められた部分は丸見えになって
いる。
「擦りむけてはいないようだが、ちょっと赤くなっているな」
「うぅぅ……」
少し体を乗り出して、平然と少女のあそこがどうなっているかを述べる少女の
兄。年齢や性格的な部分からあまり気にする方ではないが、単にぶつけたのでは
なく今の状況ではさすがに恥ずかしい。
「何かしておいた方がいいかな。そうだ、そこにある乳液を塗ってあげて」
「えっ、もう大丈夫だからいいよ」
よりによって恭也にやらせようとする美由希に少女はあわてる。外側からそう
見えなくても、触れば少女のあそこが潤んでいるのが分かってしまう。
「だめだめ、大事なとこなんだから、跡になったりしたら大変だよ。見られたら
恥ずかしいでしょ?」
こんなとこ誰も見ない、そう言おうとした少女の脳裏に二つの顔が浮かぶ。ア
リサとすずか、少女の大切な親友。
(笑われるかな、それとも慰めてくれるかな)
アリサなら、笑いながら優しくなでてくれるだろう。
すずかなら、痛ましく思い舐めてくれるに違いない。
「あんっ」
物思いにふける少女を、強くて甘い刺激が引き戻す。
「すぐに終わるから、頑張れ」
兄の無骨な指が、少女のすみずみに乳液を塗り込んでいく。
「やっ、あっ、あぁ、だ、だめぇ」
弾力のある小さな膨らみ、足を広げても閉じたままのスリット、その中に納め
られた薄いひだ、隠された小さな二つの穴。そっと優しく、見た目では想像つか
ないほど繊細な指遣いで、少女自身を乳液にまみれさせる。
「んんっ、ぉ、おねぇ、ちゃ、ゃ、やぁ」
膝の下に腕を入れて足を広げられ、そのまま手も押さえられて身動きできず、
ただあえいで嫌々と首を振るぐらいしかできない。背中には柔らかくて弾力のあ
る二つのふくらみ。大丈夫だよと耳元にささやく熱い声。
(お姉ちゃん、お兄ちゃんの指が、気持ちいいの)
稽古中に怪我した姉を手当している時みたいに真剣な面持ちの兄。優しく励ま
す姉の声。やましさを感じないが故に、かえって少女の下腹部の奥底が熱を帯び
る。
「ここで最後だ」
新たに乳液をたらした兄の指が、少女の一番敏感なところを守る皮をむき、中
に直接乳液をまぶした。
「んっ! んんっ! んんっっ!!」
頭を真っ白に焼き切る刺激。突っ張る足。撥ねる身体。声にならない悲鳴。
「…っ……っ……っっ!」
ぐったりと姉の胸に崩れ落ちる少女。
「はい、終わったよ、・・・。・・・? ・・・、あれ?」
弛緩した少女の体から暖かい液体が漏れ、兄の指と姉の足を汚す。ちょうど一
日前と同じように。