「ふあぁっ!!あ、あぁっ、あ!!ひ・・ぃ、やあぁっ!!!」
どこまでも、深く、深く。
それは少女の中を、垂直に近い角度で抉っていく。
「───ぅあぁっ・・・!!っあ、っ・・!!ん、くぅっ・・・」
何度、貫かれたろう。
どれほどの間、こうしているのだろう。
「っあ、や、ぅやあぁあっ、んんっ・・っく、やぁ、あ、ふあっ」
灼熱の肉棒が出入りするたび、少女の身体はがくがくと揺れ。
その身に感じるのは、痛みだけではなくなっていた。
殆ど全裸に近い格好で、身体のあちこちに生臭いねばねばを付着させたまま。
痛みと、それ以外の感覚、その両方に脳髄を焼かれながら。
幼き少女がしるわけもないが、その体勢はいわゆる騎上位というもので。
「あ、あ、・・ぃやぁ、んく、や、あ、あっ、や、あぁ・・・あ、ぁあぁあああぁっ!!」
高町なのはは例の褐色の男───ザフィーラによって下から攻め立てられ続けていた。
魔法少女リリカルなのはA’s If
─砕かれし力、折られし心─
3、笑顔の裏の真実
「・・・は・・・っ・・あ、は、ぁ・・・っ、っ」
男が出て行ってから、しばらくも。
なのはは荒い息のまま、喘いでいた。
先ほどまで犯されていた時と同じ、両肩で上半身を支える崩れた四つん這いの姿勢で。
前から、下から。時には抱え上げられ。最後にその形になるまで、様々な格好で蹂躙されていた。
それまでと違い両手は後ろ手から、まだ多少楽な前で縛られる形に変わっていたが。
それでも太く荒く作られた縄は少女の両の手首に食い込み、絶え間のない鈍痛をもたらしている。
自分の身を護ってくれるはずだった白き防護服は、ほぼ全て引き剥がされ。
黒のソックスと、引き裂かれた上の黒インナーのちぎれかかった袖と首元がわずかにひっかかっているだけだった。
そのかわりとでも言わんばかりに、全身へとこびりついた白く汚らわしい粘液が、少女の身体を惨めに飾っていた。
「っ・・・う・・・ぇ・・・」
目を覚ましてから、丸一日が経過しようとしていた。
口の中の気持ち悪い粘り気が、なのはに嘔吐感をもよおさせる。
精液にまみれた顔には、いくつもの涙がつたった跡が残っていた。
前も。
後ろも。
そして口も。
それこそ、体中の孔という孔に。
数え切れないほど男のそれを銜えさせられ、白い粘着質を吐き出され。
その度に泣き叫び意識を飛ばされてきた。
部屋の中は暗い。
自分が敗北し、捕らえられているのだという事実と相まって、それはなのはの心を陰鬱なものへと染めていく。
(お母さん・・・お父さん・・・心配、してるかな・・・)
泣きそうになるのを、必死で堪える。
強い心を持つはずの少女もまた、度重なる陵辱によってその心が萎えきってしまいそうになっていた。
今、どれくらいの時間が過ぎたのだろう。
時計がかかっていたと思しきあたりを見上げるが、文字盤は闇に隠れ、見ることが出来ない。
「!?」
階段を上がってくる足音に、なのははびくりと反応をする。
あの少女や、男のものとは違う。別の誰かのものだった。
彼女たちよりももっとゆっくり、もっと落ち着いた、小さな足音。
───この短時間でそんなことがわかるようになるほど、繰り返し。なのはは二人の手で汚され続けていたということになる。
そして足音は部屋の前で止まり、ゆっくりと扉が引かれていく。
「・・だ、れ・・・?」
今度は、一体誰が。
どんなことをしてくるのか。
繰り返される苦痛の想像になのはは怯えながら、恐る恐る、入ってきた影へと問いかける。
「・・・あら、起きていたのね・・・?」
「・・・?」
声の主は、女。しかも、その声を聞く限りではおっとりとした感じがした。
灯りをつけて部屋の中に浮かび上がった姿は栗毛の、想像通り温和そうな女性だった。
この人も、あの二人の仲間だろうか。
とてもそうは思えない外見に一瞬途惑ったなのはは反応に困り、無言で女性の方を見つめる。
「えっと・・・シャマル、と言います。残念だけど、あなたを捕らえた者の一人です」
自らそう名乗った女性は、柔らかな微笑みをなのはへと向ける。
「ひどいわね・・・こんな状態なんて」
「え・・・」
「ごめんなさいね、乱暴に扱って」
脇に抱えていたバッグから、いくつかの薬と思しきチューブや瓶を取り出すシャマル。
「待ってね。今、準備をするから」
ベッドの上で動けずにいるなのはを尻目に、しゃがみこんでそれらを手際よく並べ、言葉通り「準備」していく。
(あ・・・よかった・・・)
まだ、話のできる人がいる。たとえ敵であっても、理解しあえることのできる可能性のある者がいる。
シャマルの言う「準備」を自分へと施す手当ての準備、そう目の前の状況から判断したなのはは安堵し、女性の俯いた頭を見つめる。
この人は、ひどいことしたりしない。なのははそう認識した。
「あり・・・がと、う、ございま、す・・・」
目元に、うっすら涙をにじませながらなのはは礼を言う。
「・・・あんまり、言わないで?こっちも、決意が鈍るじゃない」
しかし。
───その捉え方は、大きな誤りであった。
口調とは裏腹に、女性は微塵もその「決意」を鈍らせてなどはいなかった。
よくよく考えれば、バッグはとても中身がそれだけだったとは思えないほど大きく。
見ればなのはの表情は一変したであろう。
何より、だ。
ベッド上の、ややシャマルより高い位置にいるなのはからは、影になって見えることはなかったが。
確かに、彼女のその表情は、嗤っていた。
“これでいい”あたかも、そう言いたげに口元を歪めて。
着々と彼女の言う「準備」を進める手を動かしていた。
湖の騎士、シャマル。
例えどんな汚名を受けようと、主のため、目的のためならば。
その手段を、選びはしない。