TOP 戻る 前へ 次へ

[663]640 05/03/14 17:47:10 ID:8/8gQYhO

forget-me-not 第二回

 ブリッジのモニターには、黒い宝石が映し出されていた。
『ダイム』───、画面の端のほうに、様々な数値とともに表示されているのが、
この宝石の名前らしかった。

「わかりやすく言えば、なのはさんのレイジングハートのプロトタイプ、といったところかしら」
艦長の椅子にすわるリンディは、そう言って任務の説明をはじめた。

ダイム。それは、流浪の民、スクライア族の魔術師によって作られたと
される、最初期のインテリジェントディバイスの一つ。初期型であるが故に
出力は非常に不安定だが、内蔵される魔力量とその思考回路の完成度に
おいては、姉妹型ディバイス・レイジングハートの性能をはるかに上回る
ものとなっている。製作者の死後、暴走を懸念したスクライア族によって封印されることとなり、現在に至る。

こんなことが、リンディの説明以外にも、配布された資料に書かれていた。
だが、声も、文章も、フェイトはどこか上の空で聞き流してしまう。
「フェイト」
「・・・・・」
「おい、フェイト」
「・・・?っ!あ、はい!」
クロノに肩を叩かれ、我に返る。怪訝そうな顔が、こちらを見ていた。
「どうしたんだ?君らしくもない」
「あ・・いえ・・その・・・」
フェイトから集中力を奪っているのは、やはりあの夢のこと。
そこにきてレイジングハートに関係した任務とくれば、なおさらだった。

二人のやりとりを見ていたリンディが、ゆっくりと告げる。
「・・昨日未明、突如封印が解け暴走、消失した旧型インテリジェントディバイス、
『ダイム』の捜索及び回収。それが今回本艦に与えられた任務です。
 各員、気を引き締めて任務へとあたること。以上です」


TOP 戻る 前へ 次へ

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル