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[736]640 2005/03/28(月) 18:09:09 ID:NZoFVQXm
[737]640 2005/03/28(月) 18:28:51 ID:NZoFVQXm

forget-me-not 第十一回

 校庭の赤茶けた大地に倒れ伏すなのはに、もう意識はなかった。
その隣には、手から取り落とされた、ひびだらけのレイジングハートが転がっている

完全な敗北。ダイム───銀の少女は、なのはの傷だらけで倒れる姿を、無表情に見つめていた。

────鎖よ────

上空から、空間を割って、漆黒の鎖が現れる。
それらは、金属音を伴って、身動き一つせずに横たわるなのはへとせまっていく。

あるものは、力なく投げ出された左腕に。
またあるものは、赤く出血する右足に。

なのはの全身へと絡みついた鋼の蛇たちは、ゆっくりとそのけっして大きくはない体を持ち上げていく。

まるで、十字架に架けられたかのように、なのはの身体は十文字の形に、空中で固定された。

「ッ・・・」
気を失っているはずの顔が、わずかに歪む。
ユーノの時と同様、残った魔力が鎖達によって吸収されているのだ。

そんななのはの状況を一瞥すると、少女は地面に転がるレイジングハートへとゆっくりと近づいていく。

───これで、やっと───


───貴女のせいで私は───

勝利と、もうすぐ訪れる復讐の完遂を、少女は予感した。

 レイジングハートへと右手を傾け、魔力を集中する。
あとはただ、放つだけ。それだけで目の前の杖は砕け、復讐は完了する。

「させないよっ!!」

とっさにとびのいた地面を、何者かの拳がえぐっていた。

『photon lancer full auto fire』

更に少女を追い詰めるように、上空から降り注ぐように放たれる、光の槍。

───だれ───

拘束されたなのはの元まで後退し、新たな敵の出現に身構えるダイム。

「なのはを・・・放せ・・・!」

そう言い放ち、光弾を放った影─フェイトは跳躍する。大切な友、なのはを助けるために。


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