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[795]640 2005/04/06(水) 14:57:46 ID:cunfE/ZT

forget-me-not 第十四回

 ──行かなきゃ────

少年は、苦痛に顔を歪めながらも、顔をあげる。

その先には、ひび割れ、大きく穴の穿たれた黒い空間が見えている。
あの中に、行かなければ。

───フェイトたちの言ったとおりなら。
「彼女」に本当のことを伝えなくては。それができるのは、「彼女」を作った一族である、自分だけ。

「待ってて・・・なのは・・・フェイト・・・そして・・ダイム・・・」




光の噴流の中、フェイトは全力で防御魔法を展開し、ダイムの一撃を耐えていた。
「っ・・・ぐうううううっ・・・!!」
本来、自分が防御魔法を苦手としていることなど、十分に分かっている。それでも、フェイトは避けるわけにはいかなかった。
彼女の背後には、傷ついたなのはがいる。それを放っておいて自分だけが逃げるということは、考えられない。

「っ・・・どう・・・して・・・!?」
差し出した右腕は、みしみしと音を立て、圧迫感に耐えている。
「どうして、こんなこと・・・!!」
額に汗を浮かべ、眉根を寄せ、フェイトは語りかける。
かつて、なのはが自分にしてくれたこと。自分にだって、きっとできる。

どうして、そうまでして、レイジングハートを・・なのはを憎むのか。

「君にとって・・レイジングハートは・・・妹も同然じゃないか・・・・!!」


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