───言うな───
ダイムの右腕に込められる魔力の増加に伴い、スターライトブレイカーの破壊力も膨れ上がっていく。
必死にそれをこらえるフェイトのラウンドシールドには、幾筋ものヒビが蜘蛛の巣状に広がり、限界が近いということを告げていた。
───何が、妹だ───
ダイムの全身に満ちるのは、どす黒い怒り。これまでのどこか冷たさを感じさせる態度とはうってかわった、すさまじい激情だけに支配された姿。
───私はそいつに───
「あっ・・く・・・!!」
シールドを維持していた右の手袋が裂け、中の手から血が滴り落ちる。思わず苦痛の声をあげるフェイトの前で、シールドの亀裂が広がっていく。
───全てを奪われたんだ───
「く・・・!!」
だめだ。これ以上は、支えきることはできない。
(せめて、なのはだけでも・・!!)
左手に持ったバルディッシュを掲げ、サイズフォームをとる。
アークセイバー。鎖さえ切断すれば、きっとアルフが受け止めてくれる。
──だから私はそいつを───
「違う!!やめるんだ、ダイム!!!攻撃を、やめて!!」
───!!───
「ユーノ!?」
「あの馬鹿・・・あんな体で・・・!!」
「はやく!!さもないと、君の身体がもたない!!!」